ロンドン警視庁トップを解任 女性蔑視の「文化」改善できず―英
2022年02月11日20時32分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022021100486&g=int
【ロンドン時事】英首都圏の治安を守るロンドン警視庁初の女性トップ、クレシダ・ディック警視総監(61)が10日、辞任した。同庁ではこのところ警官による女性殺害や、女性蔑視・人種差別に絡んだ問題行動が相次ぎ発覚。市民の信頼が揺らいでいることを受け、事実上、解任された。
ロンドンでは昨年3月、帰宅途中の女性=当時(33)=が警視庁の現職警官だった男に性的暴行を受けた上殺された。新型コロナウイルス対策の規則違反を理由に女性に手錠を掛け、車で連れ去る悪質な犯行だったとされる。
12月には、前年に起きた殺人事件の現場で犠牲者姉妹の遺体を写真に撮り、チャットアプリで共有した警官2人が収監された。さらに今月に入り、ロンドン中心部の警察署などに所属する複数の警官が、女性のレイプや黒人の子供の殺害に関する冗談めかしたメッセージのほか、同性愛者らを侮辱するコメントをSNSで日常的にやりとりしていたことが、独立苦情処理機関の調査で明らかになった。
警視総監の任命権を持つパテル内相は先週、「われわれが目にしているのは単発的なことではなく、あまりにも多くのぞっとする振る舞いだ」と指摘。警視庁の「文化」に問題があるとして、抜本的な組織改革を求めていた。
警視総監人事に関与するカーン・ロンドン市長は10日、「(ディック氏に)人種差別や性差別、同性愛者嫌悪、いじめ、女性蔑視を根絶するよう求めた」が、「反応は満足のいくものではなかった」と述べ、解任はやむを得ないとの考えを示した。(略)