ウクライナ占領地に戒厳令 南部で強制移住、安保会議開催―ロシア大統領
2022年10月19日21時41分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022101900784&g=int
ロシアのプーチン大統領は19日、ロシアが占領後に「併合」したウクライナ東・南部4州に戒厳令を敷く大統領令に署名し、上院に承認を求めた。ウクライナ侵攻に絡んでオンライン形式で開催した最高意思決定機関、安全保障会議で演説した。
ウクライナ南部ヘルソン州の親ロ派当局、避難開始と発表
ロシアの新たな4地域に戒厳令を発動する大統領令に署名=プーチン大統領
2022年10月19日, 20:53 (更新: 2022年10月19日, 21:42)
Sputnik日本
ロシアのプーチン大統領は19日に開いたロシア連邦安全保障会議の会合で、ロシアの新たな4地域、ルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国、へルソン州、ザポロジエ(ザポリージャ)州に20日から戒厳令を発令すると発表した。
プーチン大統領は「ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、へルソン州およびザポロジエ州では、これらの地域がロシアに編入されるまで戒厳令が敷かれていた」と言及し、そして今、ロシア連邦のレベルで戒厳令を正式に発令する必要があると述べた。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は、4地域での戒厳令に関連し、「ロシアが国境を閉鎖することは計画されていない」と表明した。
ロシア大統領府のサイトに掲載された大統領令によると、戒厳令が発令されたロシアの地域のトップは、地域を防衛するための本部をそれぞれ設置し、安全保障レベルを高めるために導入する必要がある措置を独自に決定する。
ヘルソン州のウラジーミル・サリド知事代理は先に、ウクライナは大規模な攻撃のために兵力を蓄えていると発表した。またウクライナは、ザポロジエ州の前線にも部隊と装備を転進させているという。ドネツクおよびルガンスク両人民共和国の都市は、ウクライナ軍側から断続的な砲撃を受けている。
ロシア軍の統一共同軍団の指揮官のスロヴィキン将軍は18日、へルソン地域でウクライナ軍がカホフカ水力発電所に対する大規模なミサイル攻撃や、都市への無差別攻撃といった「禁じられた戦争の手段」を適用する可能性を示したデータがあるとしている。「こうした行為によって巨大な産業センターのインフラ壊滅の危険性や民間人の犠牲が出る可能性がある」と指摘している。
こうしたウクライナ側の動きをうけ、ロシア軍はへルソン州の民間人をロシアの他の地域へ疎開させ、安全を確保するプログラムを政府とともに進めていると明らかにした。ヘルソン州当局もドニエプル側左岸の一部地域住民の退避を発表しており、19日昼までに少なくとも約4割のへルソン市民が避難した。