涼麻が行く ~白犬ウエスティの のんきな生活~

ウエストハイランドホワイトテリア(ウエス、ウエスティ、白犬)の涼麻(りょうま)のことを中心にいろいろと

鉛バッテリー交換→暗電流測定→車室内充電化

2023年10月29日 09時19分24秒 | DIY

ある日、涼麻号のバッテリーがあがっていました

このところ、結構、乗っていた気がしていたのですが、最近のクルマは低燃費化のため充電制御方式が主流になっていることもあり、ユーザーが気づかないままバッテリーを酷使していることがあるようです。以前のハチロクの頃(←ふるっ!)は5年くらい交換しなくてもヘッチャラっていう感じでしたが、最近は3年くらいで交換した方がよい場合があるようです。

以前の充電方式ではオルタネーターが常時発電していてバッテリーに14.4Vくらいの電圧を印加していたのですが、昨今の充電制御方式では13.2Vくらいの電圧で、バッテリーが、たとえば、12.7Vになったら充電を止め、12.4Vまで下がったら充電を再開する、というように頻繁に充電をオンオフさせることで省エネするようになっています。

しかし、クルマに搭載されているコンピューターはEV車でない限りバッテリーの残容量を正確に把握しているわけではなく、おそらく電圧値を監視しているだけです。バッテリーの電圧というものは満充電に近づくほど、その電圧の上がり方が微小になるので、どこまでの分解能(細かさ)で電圧値を把握しているかは微妙な話です。

下手をすれば、電圧がそれなりに上がっただけでまだ満充電に達していない状態でも充電を停止してしまうことが考えられます。この症状は、充電速度の速い専用バッテリーを搭載していない場合に、より顕著に現れ、その結果、バッテリーの充電不足状態を引き起こしやすくなっているように考えられます。

ディーラーは、「最近の車は電装品が多いからバッテリーへの負担が大きくなっている」的な説明をしますが、それよりも充電制御方式の影響の方がはるかに大きいように思います。しかし、省エネ・脱炭素等の社会的潮流に竿刺すような発言は控え、メーカーの開発姿勢への忖度もあるのでしょう。

 

鉛バッテリーは、放電によって正極の二酸化鉛(PbO2)が電子を受け取って還元され硫酸鉛(PbSO4)になり、充電によって二酸化鉛に戻るという化学反応を繰り返します。

ボンネットを開けてみると、過放電のために正極が金属鉛(Pb)にまで還元されていました

ディーラーさんとの付き合いもあるので、バッテリーを持ってきてもらって出張修理を依頼する手もあるのですが、なにやら最近は忙しいようでなかなか予約の返事ももらえず、いつになるかわからない。

 

しかーし、よーく考えてみれば、友だちのキャブコンのサブバッテリーをいじってるくらいなのだから、自分のクルマこそ自分で

85Ahから125Ahにパワーアップ

ディーラーに頼んだ場合と比べて、コスト1/3で容量は1.5倍

最近は、環境事業に積極的な企業が廃バッテリーを引き取ってくれるので、その点はDIYにとっては追い風です。

パワーウインドウを上げ下げしたりハンドルをロックトゥーロックとか、リセットの儀式(笑)をして作業完了。

ディーラーは満充電のバッテリーを持ってきてくれますが、自分で手配した場合は充電度合いが不明なので、念のため2時間ほどドライブして充電しておきました。

 

さて、どうして駐車中にバッテリーが上がるのかというと、クルマはエンジンが動いていないときでも、時計、カーナビ、車載コンピューターのメモリー保持やイモビライザーなどのために電流が流れており、さらに鉛バッテリーは宿命的に自然放電が小さくありません。

では、どれほどの電流が流れているのか(「暗電流」といいます)、実測してみようと思いました。一旦、バッテリーの負極端子を外して電流計を挟めばよいのですが、突入電流のために電流計のヒューズが飛ぶおそれがあることや、再度リセットの儀式が必要になるので、このようなテストリードを使うと便利です。

 

ワイヤー型クリップをバッテリー負極に、ワニ口クリップを負極端子に接続して、テスター棒をつなぎ、電流測定に合わせておいて、負極端子を外します。これによって、突入電流の発生を防ぐことができます。

で、測ってみたのですが、、、

 

んー、160mAと162mAの間を行き来しています(ダッシュボードのLED点滅とシンクロ)。

ちょっと多いですね。。。普通はせいぜい50mA程度のはず。100mAを超えているということは、どこかで漏洩しているおそれが考えられますが、あまりにも大きい値なので、おそらく車載コンピュータがスリープしていないのでしょう。

ボンネットのロックを解除するために運転席側ドアを開けるので、それだけでコンピューターが目覚めてしまい、5分か10分か分かりませんが、しばらくの間、スリープしないのでしょう。

もし、この状態のまま1週間、クルマに乗らないでいると、160mA×24h/日×7日=27Ahも消費してしまいます(バッテリー容量の22%も!?)。

こまめに電圧値をチェックしている限り、それほど消費しているようには思えません。

諸般の事情から、ボンネットを開けたままにしてコンピュータがスリープするのを待つことができないので、正確な暗電流を測ることは先送りすることにしました。

クランプ式電流計を用いたところで、事情は変わりませんものねえ

 

いずれにせよ、またバッテリーをあげるような事態は招きたくないので、バッテリーチャージャーを買いました。

このチャージャーはバッテリー直結用ですが、ボンネットを開けっぱなしにせずに充電できるようにしたいので軽くリメイクします。

 

得意のパッチン

 

2極カプラーで着脱できるようにします。

 

こうすれば、元通りにバッ直でも使えます。

 

で、ボンネットを開けずに、車室内から充電できるようにするために接続コードを準備。

チャージャーの最大電流が8Aなので、電線は1.25SQ(許容電流13A)。

 

助手席側のグローブボックスを外し、ヒューズボックスの蓋を開けます。

 

正極側は、常時電源(室内灯)用ヒューズから取り出して、

 

負極側はクワ型端子でボディアースへ。

 

カプラーでまとめて、普段はグローブボックスの中にクルクルっと収納しておきます。

このカプラーは「負荷側用」ではなく「電源側用」です。充電するときは、このカプラーが「負荷側」の状態になるものの、充電時以外は開放されたままであり、バッテリーに直結されている端子としては、トラッキングを起こしにくい構造である「電源側用」カプラーにすることによってバッテリーをショートさせてしまうようなリスクを回避しています。

 

で、車室内から充電するときは、バッテリーチャージャーのワニ口クリップ側を外して、グローブボックス内のカプラーと接続します。

 

電源には、キャンプに持っていくポータブル電源(容量1000Wh、定格出力1000W)を活用します。

 

充電開始〜

 

仕様通り、8Aで充電してくれています。

 

消費電力110W。13.2V×8.1A=106.9Wなので、変換効率を考慮すれば、おおよそ整合してますね。

 

数時間後に見てみると表示が「FUL」になっており充電を完了していました。

 

ポタ電は100%から90%に減少していたので、補充電量は1000Wh×10%=100Wh

逆算すると、100Wh÷106.9W≒1hなので、1時間ほどでバルク充電を完了していたのでしょう。

この状態でも電力消費が20Wと表示されていたので、トリクル充電時の電流は20W÷12V=1.5A程度

車載バッテリーの容量を125Ah×12V=1500Whだとみなせば、100Wh÷1500Wh=6.7%を補充電したことになります。だとすると、充電前の容量は約93%であったと概算できます。ちょうど1週間前にクルマを動かしていたので、上記の暗電流測定結果(計算上22%消費して残容量78%)は、やはり過大であり、一時的なものなのでしょう。

オルタネーターの発電電圧は13.2Vを出力しているようなので特に問題なさそうです。やはり課題は、充電制御方式の特性のように思います。

毎日のように車に乗るわけではなく、またシニア期に入っている涼麻号の場合、暗電流を少し多めの70mA程度と見積もり、車の始動に必要なバッテリー容量を125Ah×70%程度と仮定すると、

(125Ah×0.3)÷(70mA×24h/日)=22日

となるので約2〜3週間ごとに補充電してあげるようにして、しばらくの間、様子見です。

この記事の内容は、個人的なDIYの一事例です。電気に関する十分な基礎知識や安全知識をもち、適切な施工技術を有しないと、最悪の場合、感電や火災などの事故を招く場合がありますので、安易に真似をしないよう注意してください

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