日中に山鉾巡行を見届けた後、夕方に白川筋を訪れ、御神輿を待ちました。
山鉾が清めた市中を、八坂の神様が御神輿に乗って渡御するのが神幸祭です。
大和大路通を神宝奉持列が上がってきました。先頭は「勅板」、
続いて「幸鉾(さいのほこ)」
そして、中御座(素戔嗚尊=牛頭天王)が渡御
白川筋から四若神興会の提灯が見えてきて、
東御座(櫛稲田姫)の渡御
10年ほど前、涼麻父が担いでいた下町の富岡八幡祭では、「わっしょい、わっしょい」のかけ声で御神輿を揉みながら渡御して、交差点や御神酒所で差したりします。
ちなみに、「揉む」というのは肩に担いだ御神輿を上下動させることで、御神輿の上の鳳凰を揺らします。鳳凰には飾りがついていて、これが綺麗に揺れると美しいとされています(物理的には、固有振動数と一致するように担ぎ手が息を合わせて上下動させること)。
また「差す」とは、あらかじめ決められた場所で、肩に担いでいた御神輿を手のひらで持ち上げ、肘を伸ばして高く掲げることです。木頭さんの「させーっ」という威勢のいい号令とともに差し上げます。
そして、御神酒所を再出発するときや御神輿を納めた後は「よぉーおっ」で三本締めです。
一方、祇園祭では、かけ声が拡声器を通して、「ほいとぉ、ほいと」や「よいやっさぁ」(よぉーさぁ/よいやっさーの/よいやっさーじゃ)。
渡御では、あまり揉むことはなく御神輿を水平に保ったまましずしずと進みます。ただし、出立時の八坂神社前や御旅所に納まる前には、揉んだり差し回したりします。
「差し回す」というのは、御神輿を差し上げたまま、時計回りに回ることです。差すときは特に号令はなく「いまから差すよ」程度の声掛けで、差し上げられたことを確認すると「まぁわせっ、まぁわせっ」の号令とともに差し回します。
〆の手締めの合図は「よぉーさのっ」
ちなみに、ちなみに、「ほいと」は祝人、「よいやさ」は弥栄(≒八坂)に由来するという説があるようです。
江戸と京都の御神輿文化の違いを知る良い機会でした。
3基の御神輿はそれぞれのルートを3時間ほどかけて渡御し、四条寺町の御旅所に納まります。
神宝奉持列の幸鉾が進んできたので、まもなく中御座が到着するところでしたが、
このあたりで撤収〜
翌日(7月18日)の御旅所。無事、3基の御神輿が遷座していました。
この先、京都を訪れて四条通や新町通を歩くとき、これまでとは街の姿が違って見えることと思います。