看一看電影

アジア映画、ワン・リーホン、チャオ・ウェイ大好き! 近頃はPerfumeとグランパス、ベースにもどっぷり。

「街場のマンガ論」を読む

2010-10-26 16:47:14 | 
 ども。

 「若者よ、マルクスを読もう」「日本辺境論」に続いて内田樹さんの本、「街場のマンガ論 A street corner study on MANGA」小学館 2010年を読む。

 最初に言う、この本はスバラシイ。

 内田先生の柔らかい、そしてロジカルな文体で、このようにマンガを語ってもらえて面白くないわけがない。
 少女マンガのリテラシー、『韓非子』の「矛盾」に関する考察を読むとそこから、「矛盾をなくすことはできない、矛盾はすべての運動の原動力である」などと思考が回転しだして、現在の仕事や職場の若者についてまでコロコロと意識が向かうのだ。

 特に納得したのは「老い」についての内田さんの実感、引用してしまうと「なんのことはない。四〇年経っても『がわ』が爺になっただけで、一六歳の私はそのまま手つかずで残っているのである」には激しく共感した。
 自分でもそう感じているのである。

 また、内田さんの取上げる漫画家や作品が自分の好みとほぼ似ている。
 「SLAMDUNK」、「エースをねらえ」、どれも私が擦り切れるまで読んだ本。内田さんもそうらしい。

 また、日本人とマンガの関係を考察する際に、日本語という言語の特殊性との関係から考える点は、「日本辺境論」でもそうだったが、目からウロコがバリバリはがれる音が聞こえるくらいだ。

 とにかく第一章の井上雄彦論から、第七章戦後漫画家論まで面白く読んで、考えが広がるこんな本は買わなきゃソン。
 買わなくても図書館で借りて読むことを心底オススメします。


 本に挟まれてた「非実在有害図書について」も現代社会に生きていくために、また現代社会とその犯罪について考えるために必読。