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ラスト・ラブ

2008-11-29 23:54:33 | 映画
 2007年の、田村正和、伊東美咲主演の映画。原作は「Deep Love あゆの物語」のYoshi。

 妻を病気で亡くした名サックスプレイヤー田村正和が、伊東美咲と出会い、年齢差に関わらずそれぞれが自分の心の置き場所として認め合い、恋に落ちるというもの。

 男視線の映画なので、男の立場からすれば、田村正和ぐらいの年齢で、伊東美咲のような若くてきれいな女性から想われるなんていうのはこれ以上のないラブロマンスストーリーなのだが、こんなことはまずあり得ない。

 男ってのは、こういうことも考えるロマンチストなんだということがよく分る。

 ニューヨークのバーでジャズを奏でるサックスプレイヤーなんていう設定がそもそもカッコよすぎ!しかも田村正和。あのしゃべりだし。

 その田村正和演じるサックスプレイヤー阿川明は、自分のステージがちょうど誕生日だったこともあり、娘と妻をクラブに呼んでいたが、その時に妻が急に倒れ、亡くなってしまう。そこから抜け出せずにいて5年もの間サックスから離れていた阿川が、伊東美咲演じる上原結との出会いで再びサックスを手にするところから、ふたりの心が徐々に近づいて行く。


 原作がそんなに厚くない物語なので、映画として厚みを持たせようとしても無理があるので、こういう仕上がりの映画にしかならないのは誰のせいでもなく原作と原作をどう料理するのかという脚本の問題。


 そんななかで、田村正和が7ヶ月もの間この映画のために特訓したサックスは見事。手を抜かないというか当然だがプロ中のプロの姿をみせてもらっただけでもありがたい。

 中年の渋い男性と、サックスの音色ってこんなに合うんだね~、こういうのを見せられるとサックスやってみようかと思う(^^ゞ

 しかし、原作が薄いとこんなに映画作りが大変になるんだということがよくわかった映画でもある。脚本も、龍樹。この人は詩人・脚本家となっているがはっきり言ってダメダメ。監督などといろいろ修正しながらやっているのだろうが、全然アウト。映画については素人なのだろうか?、特に伊東美咲の心の動きが描き切れていない。このつたない脚本のなかで田村正和がここまでやったのは本当にすごいと思う。


 伊東美咲も、森迫永衣も脚本のひどさをカバーするぐらいいい演技だし、役者さん達も大変だったんだろうなと思う。ただ田村正和だけはさすが大物の貫禄でそんなことは一切感じさせない存在感と演技をみせてくれたのはさすが。田村正和じゃなかったら映画として成立してないんじゃないかと思う。


 舞台の1つである、ニューヨークでは、秋のニューヨークの街並みや風景がふんだんに盛り込まれていて、また行きたい!!!と思わせてくれたのがいいところ。もっともっとたくさんロケしてほしかったんだけどな。ま、しかたない。
 


 監督:藤田明二
 脚本:龍樹 原作:Yoshi
 主演:田村正和、伊東美咲
 
 100点満点で50点。-60点は原作と脚本の責任。これは役者や監督ではどうしようもない。+10点は田村正和のベテランの演技とサックス。映画の大事な要素である脚本に素人が関係してはいけない。絶対にダメ。脚本家不足なんてことは無いはずだから、この人選じたいが×。現場が想像できてしまうな。もったいない。こういうことは金輪際無いようにしてほしい。ちゃんとやっている人達が評価されないから。




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