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ブランドってね

2008-08-02 01:08:36 | ニュース
 トヨタのレクサスが計画通りに売れていないらしい。

 トヨタといえば「いつかは、クラウン」に象徴されるようにフラッグシップブランドはクラウンだった。しかしさらに上級を狙ったレクサスを登場させた。

 レクサスの為に、店舗やサービス、営業マンも教育をし直したという肝いりでスタートしたが、結果は計画の約半分にとどまっている。

 それは何故か?

 簡単にいえば、トヨタは「ブランド」についてまったく理解していない。

 「ブランド」構築に必須なのは、"Far Beyond"である。

 ライバルや、競合品、同種の市場の中で圧倒的に、先に行っててもはや他社がマネできないぐらいのところにまで来ている必要がある。つまり"Far"でしかも"Beyond"だ。マネできないし、マネしたところで二番煎じで、陳腐にしか見えないぐらいの"Beyond"だから「ブランド」化するのだ。

 
 ではレクサスは果たして"Far"で"Beyond"なのか?


 答はNOである。(もしレクサス関係者の方でどうすればブランドが作れるか知りたいのならコメントください)



 レクサスが見た目に明らかに個性がある車か?といえばNOである。これはトヨタが作るからそうなる。つまりダサイ(といっては失礼だが、ブランド化できるほどのデザインではないのは明らか)。


 車として"Far"で"Beyond"ではない上に、それ以外の部分でも"Far"で"Beyond"かといえばそれもNO。こんな状態ではブランド構築なんて無理無理。というかすでにトヨタはトヨタのブランドを持っている。だからそれを否定するところからスタートしないと、絶対に無理だ。トヨタの上層部の意見と180度違うことをやればブランド構築ができるかもしれない。


 ブランド構築が出来た例を挙げよう。


 ソフトバンクモバイルの携帯がある。だれもやらなかった980円というぶっとびプランを用意した。他社よりも先にだ。そして他社が追従したのはその1年後。まさに他社が追いつけない"Far"で"Beyond"なサービスを登場させた。他社は一年後に980円プランを出しただけ。これは2番煎じだし、しかも1年後という対応力の遅さはNTTの"お役所的"イメージを決定づけ、それまで若者のファッションリーダー的でいろんな割引プランをどこよりも積極的にだしていたauをも"あぐらをかいた"というイメージにした効果があった。さらにいえば、ホワイトプラン以降連続して毎月契約者数が純増している。ブランド構築の一例だ。

 同じ自動車業界ではどうか?スバル(富士重工)のレガシイが販売されるまでは、いまほど若者に人気がある自動車メーカーでは無かった。しかし、レガシイの販売時にスバルは"ワゴン世界最速(高速連続走行)"記録を作り、"ポルシェと同じ"水平対向エンジンのもつカッコよさを前面に出した。

 水平対向エンジンはポルシェとスバルしか作っていない。しかも"速い"記録を合わせて出した。自動車業界ではもう使い古されたハズの"スピード"を、ブランドとして昇華させた。さらに他社が出せばどうしてもライトバンになってしまうワゴンというカテゴリーの車をスタイリッシュなデザインでインパクトを与えて発表した。まさひ"Far & Beyond"である。他社がマネするとライトバン、スバルはワゴン。これは決定的だ。

 おせじにもカッコイイ自動車メーカーではなかったのにレガシイをきっかけにスバルは生まれ変わった。

 
 スバルの生まれ変わりの背景には経営危機があった。大改革がありレガシイが産まれ、レガシイのマーケティングが成功した。



 最近のパソコンでは5万円クラスのモバイルPCが売れに売れている。これもFar Beyond戦略の1つである。


 トヨタのレクサスには何も感じない。ブランドは日々の努力で時間をかけて生成される部分とこの"Far Beyond"で仕掛ける部分が必要だ。



 まちがった"Far Beyond"に向かって進まないことを願う。


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