18年にもなりますか

感じた事、出来事、いろんなこと書き綴ってます。

おいしいよ、どうぞ

2004-11-25 22:35:56 | ファミリー
新大阪駅で電車を待つためにCAFEに入った。その時に目にしたポスターに、「召し上がれ最後までおいしいヨ!」と書いてあったのを目にして、ふと母親のことを思い出した。
まだ他界しているわけではないが、訳あってずっと会ってはいない。その母が手作りの佃煮だか漬け物だかを密封容器にいれて食卓にだしていたが、その密封容器に油性ペンで書かれていたのが、「おいしいよ、どうぞ!」という一言だった。母はいったいどんな気持ちで、その一言を書いたのだろうか。丁度そのころは生意気盛りで、おそらく自分が二十歳前後だったのではないかとおもう。親の加護の中にあることなんてみじんも感じることなく、雨をしのげる家と、眠る為の布団がちゃんとあって、母親が料理をつくって待っている。それを何の疑問もなく、いやそれどころか時には親の存在をうっとうしく思いながら毎日を過ごしていた時期である。

子どものそんな生意気ぶりに、どんな気持ちでいたのだろうか?「おいしいよ、どうぞ!」には子どもとの会話の乏しさに対する思いはなかったのだろうか?そう考えると、もっともっと優しい気持ちで接していればよかったと胸を締め付けられる思いがする。ひとに言えた義理ではないが、人間はどこかで素直さを学んで、それを一番身近な人に表わさなければならないと思う。いまでもそれがなかなか出来ないでいる。家内に対しても、父や母に対しても。

自分の心にもうひとつ余裕が無かったのかも知れない。仕事をしっかりやって、家庭をちゃんともっているのだけれども、どこか殺伐としている部分が心のすみっこにあるのだろう。またどこか自分自身がまだまだ大人になりきってないのだろう。いつの日か素直に、「あのときはごめんね」、「あのときはありがとう」と言えるようになりたい。遅すぎることがないうちに。



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