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「話を聞かない男、地図が読めない女」

2004-09-03 07:21:28 | 
 「話を聞かない男、地図が読めない女」という本を読まれた方も多いだろう。結構売れた本なのだがこれがまた大変おもしろい。

 心理学の面や、医学の面からの実証や現実を交えながら男と女の脳の働きの違いや考え方の違い。なぜ女はしゃべり続け、男はそれを聞かないか。あるいは口論(けんか)になったときに男はなぜ、あわれにも女に勝とうとするのか。などを大変興味深く読ませてくれる。この本を読んだことで男と女が分かりあえればいいのだろうが、現実はそうはいかないようで、私の場合もほとんど改善されていないから間違いない。

 この本を読んで自分自身のことを振返ると、うちの奥さんと口論になるときにはどうもパターンがあるようだ。 例えばこんな具合である。
「・・・なことがあったとき、あなたはいままで一度も助けてくれなかった。」という奥さんの文句に対して、「一度もないなんてことはない、あんなときはこう助けた、こんなときはこんな風に助けた、最近ではこんなときも助けた。ほら三度も助けたじゃないか・・・」と例を出して奥さんの間違いを正そうとするのである。夫としては「自分は間違ってないと思っているし、もし仮に奥さんが本当に「一度も助けられたことがない」と認識していたらそれこそ大変である。 あちこちで愚痴ついでにそんなことを吹いて回られてしまうかもしれない。これは即座に訂正しなければ、ご近所の奥様がたから白い目で見られてしまっては大変である。安心して近所を歩けない・・・。そこまで考えるかどうかは別としても、男性諸氏ならば訂正したくてしかたなくなる。

 こんな風に応えるとまた奥さんが、「本当に分って欲しいことをあなたは全然わかってない!」といってさらに怒り出す・・・。といった始末である。またこういうのもある。口論がエスカレートしてくると、奥さんは過去のいろんなことを次から次へと脈絡なく飛び道具のように出してくる場合などにもつい私は、「いまはそんな話をしてるんじゃないだろう。」といってこれまた口論をきちんとした状態へ戻そうとする。これもやっぱり「自分が何に対して怒っているのかを、夫は理解していない。」と受け取るらしくて、怒りに輪をかけてしまう事もある。
 いまこんな風に文章にして冷静に分析しているが、いざその場になると全くだめで、殆ど反射的に毎回同じやりとりを繰り返している。「わかっちゃいるけどやめられない」という唄もあったが、まあ毎度そんな感じである。この本の著者はイギリス人だったと思うが、イギリスでは、紳士淑女向けに「夫婦げんかのしかた」学校ぐらいあって、「お互いに冷静に夫婦げんかをしよう。」などと考えているかも知れない。

 男女が出会って、お互いに好意を持ってそのうち付き合いはじめて、恋人同士になってやがて結婚する。日本の少子化は深刻だが、結婚しても子どもを作らない夫婦も原因の一つとされるが、そもそも結婚しないでいる独身男女もその原因の一つだろうと思う。ではなぜ独身で居続けるのか?彼らの意見を聞くと「冷静に考えて相手を選ぶと、結婚に踏み切れない。」と返って来るのだそうだ。この本を読むと、なんとなくそれも正しいようにも思える。結婚した男女であろうと、どれだけ愛し合っている間柄であろうとやはり思考を司る脳みそに男女の違いがあるかぎり、お互いがお互いのことを本当に分かり合って行けることは、なかなか難しい。つまりある程度の錯覚と、いいかげんさがないと、相手に対して「愛している」とは言えないし、強い一時的な感情がないと、”長い間一緒に暮らそう”などとは思えないのである。結婚にある程度の希望とか夢を持っている独身男女には気の毒だが、冷静になればなるほど結婚は魅力がなくなるのではないかと考える。結婚して五年以上経過している夫婦に、「もしあなたがプロポーズしたとき、あるいはされたとき、今と同じような冷静さで相手のことを理解していたら、結婚しましたか?」という質問を投げかけるとどういう答えが出るだろうか?

 ただ、長続きする結婚の要素の一つには、”お互いに刺激し合う”というものがある。男女の考え方の違いや、生活してゆく中でのお互いの相手に対する”新たな発見”もある。つまりお互いに最後の最後まで分かり合えないからこそ長続きするとも言えるのである。想像もできない相手の突拍子もない行動や思いがけない出来事を生むためには、相手のことを分らないでいるというキーワードは結構重要かもしれない。相手を完全に理解しきってしまうと、相手に対する興味が無くなるのではないか?一度解き終えたクロスワードパズルを二度とやらないのと同じじだし、ハプニングのない旅行は印象に残らないのと一緒である。

 この手のことがわかりやすくかかれてあるのがこの本である。私はこの本を苦笑しながら読んだ。少なくとも自分の場合殆どこの本にかかれている通りの夫である。うちの奥さんの名誉のために、奥さんがこの本の通りかどうかは言及しないでおく。 男女の相互理解のためにおすすめの一冊である。

「話を聞かない男、地図が読めない女」アラン・ピーズ+バーバラ・ピーズ著/藤井留美訳
 主婦の友社:ISBN4-07-235217-9 \667+税
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コメント (1)
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