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日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

『フリースクールとはなにか』 NPO法人東京シューレ(編)

2008年07月21日 | Book
この本は題名は『フリースクールとはなにか』となっているけれど、中身は東京シューレの歴史や実際の生活の内容の紹介です。


多くのフリースクールが経営的に細々とやっているなかで、多くの生徒を集めて大きな校舎をもってスクールを運営している東京シューレの秘密については分からなかった。


どうしてここまで多くの生徒を集めることができたのだろう?


読んでいて印象深かったのは、著者のゲームに関する記述。

東京シューレでは一応カリキュラムのようなものがあるみたいだけど、実際は勉強するもしないも自由で時間のすごし方も自由みたい。何をしてもよいことになっているらしい。

その中でやはり子どもたちに一番人気があるのはゲームだそうです。

面白いのは、大人である著者自身も最初はゲームに偏見を持っていたこと。

「スタッフから見てもそうだった。「ゲームももちろんいいんだけど、他にも世の中、おもしろいことがいっぱいあるのに・・・」」(175頁)。

しかし著者は、実際はゲームが子どもたちにとって年齢を超えた共通の文化であり、共通の関心事であり、共通の話題であることに気づいていきます。

また子どもたちはゲームを通じてコミュニケーションをとっていることも。

「仲間づくり、譲りあい、けんか、楽しさの追及・・・ゲームという遊びのなかで、異年齢の子供どうし、関係をつくりあい、世界を広げている」

「もし子どもが学校に行かずに、一日中本を読んでいても、それが歴史物などではなく、ファンタジーや殺人事件が起こる推理小説だとしても、大人はそれほど心配しない。それが、ことゲームとなると、途端に親は落ち着かない」(176頁)

こういう記述は読んでいてどこかすっきりする。



僕が子どものころにはすでにロックは大人は批判の対象ではなかったけれど、ゲームへの偏見というのは、おそらく昔のロックへの偏見などと同じなのではないだろうか。

「ゲーム」とか「ロック」というふうに一括りにして批判することはできても、個別のゲームや個別のロック・グループについて論評することはできない。まともにそれらに向き合っていないからです。


人が何かに熱中しているとき、そこには“何か”があると考えるほうが、生産的ですね。

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