joy - a day of my life -

日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

地味か洗練か

2006年10月13日 | 日記



先日2ちゃんねるで神戸のおいしいラーメン屋の情報を見ていたら、「神戸市民最低!」という書き込みに多く出くわしました。どうやら、「神戸の人間は自分たちのことを特別だと思っている」ということらしいです。

神戸という名前がブランド化していることへの反発なんでしょうね。

僕は生れたのは神戸の兵庫区というところで、育ったのは垂水区で、今も垂水区に住んでいます。しかし垂水区といっても隣の明石市まで歩いて10分程の所です。よく使うJR線の朝霧駅は明石市にある。

でも、自分自身のことは「神戸」という地名にアイデンティファイしやすい。それは、子供の頃から、家族で、あるいは一人で、買い物などに出かけるときは、三ノ宮(神戸市の中心街)などに行くことが多かったから、住んでいる場所は神戸の端っこで明石に近いとしても、自分の頭の中にある世界は「神戸」という名前で占められていました。実際、はじめて一人で大阪に行った16歳まで、どこかに行くとしてもいつも三ノ宮だった。

しかしずっと「神戸」で育った者からすれば、べつに神戸というのはおしゃれな町じゃない。垂水や長田や新開地などの商店街はとても汚い。町も、震災前までは汚れたコンクリートというイメージの方が強かった。

「おしゃれな神戸」ってどこにあるんだろう?それは主に、東京や大阪を中心としたメディアが作り上げた虚像で、神戸自身が後からそのイメージを追いかけたんじゃないだろうか。

北野町の異人館なんておしゃれでもなんでもなくて、おもちゃみたいな感じですよ。無理やりプラスチックで洋風の街を部分的に作った感じで、本物の異国情緒なんてない。三ノ宮の中華街も、あっという間に通り過ぎてしまうほど小さいし、横浜とは比較になりません。

神戸はたしかにいいところだけど、それは住む分にはということであって、何か観光地としてみるべきものがあるわけじゃないです。

また住む分にはいいというのは、ほどほどに開発されながら、大阪のようにビルがあちこちに並んでいるわけではないという意味です。つまり、完全に大阪の通勤圏となっていて、神戸独自の産業発展がなされていないんですね。

だから、住む分にはいいけれど、活気というものは乏しい。これは僕の子供の頃から同じですが、神戸は活気のある町ではありません。産業の誘致に成功していない都市と言えます。

神戸市役所としてはこのままでは税収増が望めないし、雇用を増やす必要があります。神戸空港を強行してしまったのは、そういった背景があるんじゃないでしょうか。その選択が正しかったかどうかは別として。

神戸には人がほどほどはいるので、ある程度までは開けた場所です。また「おしゃれな神戸」という東京のメディアが作ってくれたイメージを追いかけたために、雑貨屋やケーキ屋がそこそこあります。

しかし、自分自身の力で立ち上がって発展していこうという気力には乏しい都市です。没落貴族のようなたたずまいでしょうか。

神戸に旅行に来た人には、例えばJR神戸駅から山のほうへ向かって歩いてみて欲しい。どこか寂しげな感じがあります。


涼風