何とも表現出来ない、摩訶不思議な映画というものがこの世界には存在する。
それは例えば、とても難解で独りよがりな映画という代物もあれば、自分の煮えたぎるパッションをその思うがまま書き殴るというような、ストレスと疲れが溜まる映画もある。
その手の映画って、映画界で激しい賛否両論を巻き起こすことが多いし、まったく映画の歴史の中で無視され葬られるか、あるいは逆に、一部の熱狂的なファンに支えられ、深く静かに語り継がれる映画だったりする。
映画「アンチクライスト」。
あの、鬼才ラース・フォン・トリアー監督の最新作である。
彼の過去の作品「奇跡の海」と、ビョークが主演した「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は、それぞれカンヌ国際映画祭のグランプリとパルムドールを受賞している。
でも、このどちらの映画も、独特の雰囲気、独特の世界感、独特の表現方法を持っていて、一言で言い表す事の出来ない、観る人によっては意見の分かれる、一風変わった作品である。
体調が悪かったり、気分が滅入っている場合、ラース・フォン・トリアーの映画は観ない方が無難だと思う。
苛々や腹立たしさがますます募り、観た事を後悔するからだ。
ラース・フォン・トリアーは劇薬なのだ。
彼の最新作映画「アンチクライスト」は、ウィレム・デフォーとシャルロット・ゲンズブールが主演していて、彼がこれまでも多用している、プロローグと4章の本編とエピローグで映画自体が構成されている。
激しく愛を交わしている最中、ひとり息子が住んでいるマンションの窓から地上に転落し、その不注意から最愛の子どもを亡くなってしまった夫婦がいる。
妻、シャルロット・ゲンズブールは、余りのショックから、葬儀の途中で気を失って倒れ、絶望と自責の念で神経を病んでいく。
一方、セラピストである夫、ウィレム・デフォーは妻を治療しようと決め、催眠療法を用いて、救いを求めるべく深い森へと夫婦で向かうのだが・・・。
冒頭シーン、2人の激しいセックスと幼い子どもの転落までを交互に描いてゆくのだが、わざと、優麗と洗練さを用いて描いていることが露骨に伝わり、ここからしてラース・フォン・トリアーの術中に嵌まっていることに嫌悪感を覚えてしまう。
勿論、ここまでは褒め言葉としての嫌悪感ではあるのだけれど・・・。
とにかく、後半は凄まじい。
これってホラー?
それともスプラッター?
あるいはブラック・ユーモアなの?
いやいや、大真面目なのかも・・・。
僕たち観客を手玉に取ろうとしているのか、はたまた真剣そのもので「究極の愛のかたち」を提示しようとしているのか、皆目見当がつかなくなる。
若い女性の観客なら、気分が悪くなるかもしれない。人によっては、映画館を途中で出るのではないか。
僕は、思わず苦笑いをしてしまった・・・。
いい映画だとか、面白くない映画だとか、そういうレベルのものじゃない。
シャルロット・ゲンズブールは、ここまでやるかというくらい迫力と鬼気迫る演技ではありますが・・・。
なので、評論不可能。
観ていただくしかありません。
怪作、奇作って、こういう映画の事をいうんだろうな、きっと。
でも、僕、それでもラース・フォン・トリアー監督、大好きですけどね。
怖いけど観てみたいという、そこのあなた。
火傷しますよ。たぶん。
それは例えば、とても難解で独りよがりな映画という代物もあれば、自分の煮えたぎるパッションをその思うがまま書き殴るというような、ストレスと疲れが溜まる映画もある。
その手の映画って、映画界で激しい賛否両論を巻き起こすことが多いし、まったく映画の歴史の中で無視され葬られるか、あるいは逆に、一部の熱狂的なファンに支えられ、深く静かに語り継がれる映画だったりする。
映画「アンチクライスト」。
あの、鬼才ラース・フォン・トリアー監督の最新作である。
彼の過去の作品「奇跡の海」と、ビョークが主演した「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は、それぞれカンヌ国際映画祭のグランプリとパルムドールを受賞している。
でも、このどちらの映画も、独特の雰囲気、独特の世界感、独特の表現方法を持っていて、一言で言い表す事の出来ない、観る人によっては意見の分かれる、一風変わった作品である。
体調が悪かったり、気分が滅入っている場合、ラース・フォン・トリアーの映画は観ない方が無難だと思う。
苛々や腹立たしさがますます募り、観た事を後悔するからだ。
ラース・フォン・トリアーは劇薬なのだ。
彼の最新作映画「アンチクライスト」は、ウィレム・デフォーとシャルロット・ゲンズブールが主演していて、彼がこれまでも多用している、プロローグと4章の本編とエピローグで映画自体が構成されている。
激しく愛を交わしている最中、ひとり息子が住んでいるマンションの窓から地上に転落し、その不注意から最愛の子どもを亡くなってしまった夫婦がいる。
妻、シャルロット・ゲンズブールは、余りのショックから、葬儀の途中で気を失って倒れ、絶望と自責の念で神経を病んでいく。
一方、セラピストである夫、ウィレム・デフォーは妻を治療しようと決め、催眠療法を用いて、救いを求めるべく深い森へと夫婦で向かうのだが・・・。
冒頭シーン、2人の激しいセックスと幼い子どもの転落までを交互に描いてゆくのだが、わざと、優麗と洗練さを用いて描いていることが露骨に伝わり、ここからしてラース・フォン・トリアーの術中に嵌まっていることに嫌悪感を覚えてしまう。
勿論、ここまでは褒め言葉としての嫌悪感ではあるのだけれど・・・。
とにかく、後半は凄まじい。
これってホラー?
それともスプラッター?
あるいはブラック・ユーモアなの?
いやいや、大真面目なのかも・・・。
僕たち観客を手玉に取ろうとしているのか、はたまた真剣そのもので「究極の愛のかたち」を提示しようとしているのか、皆目見当がつかなくなる。
若い女性の観客なら、気分が悪くなるかもしれない。人によっては、映画館を途中で出るのではないか。
僕は、思わず苦笑いをしてしまった・・・。
いい映画だとか、面白くない映画だとか、そういうレベルのものじゃない。
シャルロット・ゲンズブールは、ここまでやるかというくらい迫力と鬼気迫る演技ではありますが・・・。
なので、評論不可能。
観ていただくしかありません。
怪作、奇作って、こういう映画の事をいうんだろうな、きっと。
でも、僕、それでもラース・フォン・トリアー監督、大好きですけどね。
怖いけど観てみたいという、そこのあなた。
火傷しますよ。たぶん。