台風一過。
穏やかな土曜日の午後。
予約していたジムのエクササイズを全部キャンセルして、街に出る。
国道の古川跨線橋脇にある「ボクシングジム」の前を通ったら、ガラス越しにリングでスパーリングをしているオーナーの姿を発見。外から声を掛けた。
「小指の骨折が完治したらまたボクシングやるんで、よろしく」と大声を出したら、スパーリングしながらこちらに向かって笑いかけてきた。
そのまままた歩いて、青森駅前へ。
リニューアルされる「青森駅」が、目隠しされた工事現場の目隠しパネルの隙間からちらっと見えた。
こうしてこの街も少しずつ変わってゆく。変貌してゆく・・・。
横断歩道を渡り、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」の横を歩いて、「青森ベイブリッジ」の真下に今年の夏からオープンした「Aビーチ」へ。
青い空に真っ白な雲がゆっくりと流れてゆく。
「Aファクトリー」前のヴォードウォークを何組かのカップルや家族連れが歩いている。遠く、水平線を船が曳航しているのが見えた。
砂浜にぽつんと置かれた丸太の上に腰を下ろして、秋の土曜日の午後の穏やかな海を眺めた。
潮風が吹いて来る。
少し弱った太陽の光が優しく降り注ぐ。
潮騒以外は何も聞こえない。
誰もいない、静かな秋の砂浜。
ちょっと寒くなってきたので、「Aファクトリー」に入って熱い珈琲を頼んで飲んだ。
心が、軋む。
心が、秋の夕暮れの中に沁み込んでゆく・・・。