昆虫採集の網を持って、
走った道は、石ころだらけだった。
それでもおかまいなしに、僕は走った。
銭湯の桶にはケロリンの文字。
プールで目を開けられるように、
息を止めて、ほほ膨らませ、
ケロリンの文字を、僕は見つめた。
かくれんぼした神社。
縁の下の蜘蛛の巣を見つめていたら、
神社は、真っ暗になっていた。
そして、境内には、猫が一匹。
石ころを蹴りながら、僕はうちに帰った。
いつも何かが逃げて行く。
いつも何かを追いかけている。
蒲公英の綿毛を捕まえようと、
両腕をいっぱいに伸ばして・・・
そう、
オトナと呼ばれるようになったけど、
僕は何一つ変わっちゃいないんだ。
月を捕まえようと、
両腕をいっぱいに伸ばしているんだ。
両腕を・・・いっぱいに・・・
僕は、つまり、かなり欲張りなんだ、きっと。
走った道は、石ころだらけだった。
それでもおかまいなしに、僕は走った。
銭湯の桶にはケロリンの文字。
プールで目を開けられるように、
息を止めて、ほほ膨らませ、
ケロリンの文字を、僕は見つめた。
かくれんぼした神社。
縁の下の蜘蛛の巣を見つめていたら、
神社は、真っ暗になっていた。
そして、境内には、猫が一匹。
石ころを蹴りながら、僕はうちに帰った。
いつも何かが逃げて行く。
いつも何かを追いかけている。
蒲公英の綿毛を捕まえようと、
両腕をいっぱいに伸ばして・・・
そう、
オトナと呼ばれるようになったけど、
僕は何一つ変わっちゃいないんだ。
月を捕まえようと、
両腕をいっぱいに伸ばしているんだ。
両腕を・・・いっぱいに・・・
僕は、つまり、かなり欲張りなんだ、きっと。