続けてミニカーの話題で失礼。アマゾンで注文していたマーク2をキャンセルしたとき、代わりにおすすめ商品としてリストされていた、この2台を買った。
ファストバックが特徴の2台。時代的にはバイオレットは1973年の発売、カリーナは70年発売だが、モデルはマイナーチェンジでフロントが少し変わった後なので、おおむね40年ほど前の新鋭車ということになる。
トヨタはコロナとカローラの間、日産はブルーバードよりは下でサニーよりは上級の車というセグメントで、どちらも同じようなポジションにある。
ただ、販売はカリーナの圧勝だったようだ。カリーナはコロナと共に長期間にわたりモデルチェンジを繰り返して、それなりの知名度と販売実績を重ねてきたが、バイオレットはその存在を覚えている人がほとんどいないのではないかと思う。ラリーとか、モータースポーツが好きな人は覚えているかな。
あと、地方のタクシー。昔はクラウンやセドリックはコラムシフトの6人乗りで中型と称し、前席に二人乗れる車(5人乗り)は小型という区分だった。小型は料金も少し安かった。大都市にはあまり小型がいなくて、地方都市や、観光地などは小型の方が多かった。トヨタで言うと歴代コロナ、日産は510までのブルーバード、そのあとこのバイオレットで、810からはまたブルが小型タクシーとして使われていた。今は6人乗りセダンというのはないみたいだ。古い写真を見ると、タクシーのモデルで撮影時期が推測できる時期もあったが、今は同じモデルを長く作っているので、わからなくなったね。
ウェブを見ると、デザイン優先が過ぎて顧客が離れ、販売は苦戦したとされる。Cピラーが太すぎて視界が悪いというのは、この時代の日産車の通弊。僕はC130ローレル(ハードトップ)が最初に運転した車なので、これを体感している。
それはそうと、やや腰高な印象はあるものの、今見るところっとした感じで結構かわいいデザインだな、という気もするけどな。ひと頃は低く長いのがセダンのデザイントレンドだった時期もあったが、最近はハッチバックからセダンを派生させるので、このバイオレット風とは言わないがころころしたデザインのセダンが増えた。その意味では時代を先取りしていた?
’75年頃、僕が車を買える立場だったとして、でもあまり予算がないという状況だったら、選択肢に残していたかも。マイノリティ気分も味わえそうだし。
カリーナは、初期のモデルのほうが印象が強い。外側のヘッドライトが金属のケーシングに覆われていて、他にはない個性があった。濃い水色メタリックの車が近所にあって、良く覚えている。
小学生の夏休み、朝のラジオ体操をするために近くの公園に毎日通った。外で使えるラジオがなかったらしく、このカリーナの持ち主の方が、ドアを開けてカーラジオをいっぱいにして音を出してくれたのを覚えている。
当時でもクラシカルに思える、縦長のコンビランプが特徴。カリーナはコロナよりはすこし若向きのイメージで、キャッチコピーも「足のいい奴」というのが有名だった。
これの後継モデルはもう少し落ち着いた、ボクシーなデザインになったが、バランスのいい、長く使えそうな車だった。大学の先輩が長く乗っていたし、自分でも家(ホンダ初代アコードセダン)の車の車検でしばらく乗っていたことがあったが、ホンダより安心感があるというか、これなら長く使っても不満が出なさそうだな、と感心した記憶がある。
現行のアリオンとかもコンセプト的にはあまり変わりはないかもしれないな。ただ、今の時代にセダンを選ぶと言うことが、昔(セダンが当たり前だった)とは違う意味合いがでてきているかもしれない。昔カリーナに乗っていたような人は、まあ今ならプリウスあたりを選ぶのでしょうかね。
背景の建物はNゲージのドイツ製キット(貨物駅)だが、異常にドアや階段が大きいので1/64のミニカーと並べても違和感がない。本当にNゲージサイズなのかな?
例によっていい加減な写真なので、背景がしょうもないですね。一度ちゃんと撮ると、その先適当に撮りにくくなるので、わざと外しているのです、と思ってくださいませ。
日産バイオレットは「よくあんな思い切ったデザインをセダンに用いることが出来たものだ!」と思えるほど抑揚に富んだクーペ風スタイルで、その意味では近年ヨーロッパで隆盛を極めているファストバック4ドア=ベンツCLSを皮切りにアウディA7、ポルシェパナメーラetcの先駆けに思えないでもありません。
そう言えばバイオレットと同時期に英国にはアストンマーチンラゴンダなる4ドアファストバックの高級セダンがありましたが、時の「幼年・真鍋清」にはバイオレットのCピラー(後方クオータピラー)とアストンマーチンのそれの傾斜度合いが非常にそっくりに見えて、「クーペ風セダンは空気抵抗も少なく高速では有利な代わり、乗り手にはさぞかし視界が狭くて乗りにくいだろう」と感じさせられた記憶も新しいです。
そしてトヨタ・カリーナ、こちらは縦式のリアテールランプが特徴で、セミファストバックスタイルも特徴が薄い代わりクリーンでイヤミがなく、視界も当時の水準では合格点なのでは無かったでしょうか。
同車は発売間もなくから前席に三点式シートベルトを採用し、安全への配慮も抜かりなく、その意味で登場当初の日産バイオレットの「前席は二点式のみ/後席はベルト無し!!!!」という地獄の車ぶりとは対照的で、玄人筋の評価も高かったことも頷けるものです。
仰る通り、さいきん欧州ではやりの4ドアクーペというのは、コンセプト的には日本で70年代から80年代にかけて流行った、スタイリッシュ系の4ドア車に通じるものがありますね。日本で流行していたころは、評論家の批判にさらされ、武骨なヨーロッパ車が持ち上げられていたものですが・・。バイオレット、今見ると小さいながらもよくまとまったデザインに見えるんですけどね。。
カリーナも個性的でいいデザインでした。それにしても、ベルトの話は知りませんでした。2点式はさすがにきついですね。。
ありがとうございました。