
朝から用務、家用であちこち出歩き、午後遅く都内に出ました。

例年今頃開催される、先生の個展へ。
また新しいアプローチをされているようで、ちょっと刺激を受けました。
このあと公演までちょっと時間があります。
少しその辺を歩いてみます。

話には聞いていましたが、三愛のビルも解体なのですね。
リコーのショールームがあって、行ったことあったな。

昔マンションかなにかのCMで、新庄監督(その頃は現役だったかな)が「銀座は僕のクロゼット!」と叫んでいた(勝どきだか晴海だかのマンションで、銀座が便利という意味。たしか築地は冷蔵庫みたいなことも言っていた)のを、ふと思い出しました。あの人らしい豪快なCMだったな。
僕にとって銀座というと天賞堂で鉄道模型とか、ソニープラザで新製品見たり1階のトヨタでカタログもらったり、山野楽器とINSにあったHMVでCD漁って、たまにイエナ書店で洋書眺めたり、あと数寄屋橋阪急の奥の方にも本屋があったな。

国際フォーラムのあたりは混んでいるので、東京駅までいったん戻って、むかし良く行ったクアアイナでハンバーガーとか食べてしまった。
ちょっとサービスが変わった。セルフレジになったし、各テーブルに置いてあったおおきなケチャップとマスタードはカウンターからとることになってるらしかった。ふつうはドリンクもらって各席で待つので、席に行く前にケチャップとるんだろうな。もらいそびれた。
さて、長い前置きの後でいよいよ公演です。
井上道義指揮、新日本交響楽団 ベートーヴェン交響曲第5番 作品67です。
『ミチヨシはかくベートーヴェン「運命」の扉を叩く』
演奏前にマエストロと和太鼓奏者林英哲さんとのトークショーがあります。
井上さんが林さんに向かって作品解説をしてくれるのですが、わりと井上さんの発想が飛んでいて、林さんが「・・・、(笑)」となっていました。
ソミファレド、と最小限の音を使って構成された、無色の音楽、という感じだそうです。
ホールで音を聴くとき、最初はどうしてもしばらく「場慣れ」しないと、どうも音楽が伝わってこないような気がします。
人間の脳はホールのアコースティックとか、音の伝わり具合を補正しているみたいです。雑踏で会話しているとき、耳を澄ませば相手の話す音域だけ選び取り、雑音に惑わされずに話に集中できます。レコーダーで録音したのを聞くと、周りが相当ざあざあしていますが、その場ではそんな感じはしない。
たぶん音楽の演奏もそうして脳内補正してるのではないか。
クラシック公演のよくあるパターンは①序曲など、演奏時間数分の小作品、②ソリストが登場して、協奏曲、③盛り上がってきたところで、交響曲、というものです。②、③は別として、最初に①があるのは、この間に聴衆が脳内補正して慣らす意味もあるのかな、とふと思いました。
第五って、普通の演奏だと30分ぐらいで終わっちゃうのですが、冒頭数分はちょっとごちゃっとして聞こえました。次第にクリアになってきて、最後はすっかりいい気分でしたが、LFJは一つ一つの公演が短いので、その辺観客側も考えてチケット買わないとな、と思ったりしました。
余談ですが生の演奏の音の切れ具合、スピード感は、オーディオではけっして味わえないですね(自分たちが入手できる機材では)。特に低音やティンパニなど、違いが顕著。たまにこうして生演奏を聴くのは大切です。
この記憶を持って、家でCD聴くときに脳内補正するためにも。
ホールAは5千人もはいる、クラシック演奏では破格の大ホールですが、終演後ブラボーが出て、あちこちでスタンディングオベーションしている人がいました。
コロナ後ブラボーはご法度でしたが、これでいよいよ昔に戻ったな、という感じがします。LFJらしいエンディングでした。