去る2月9日、79歳で亡くなったチック・コリアのCDを、いくつか注文して順次聴いてみました。
最近欧米各社でよく見られる、往年のヒットアルバムを紙ジャケット5枚組にまとめたもの(CHICK COREA 5 Original Albums Vol.2)と、国内盤の'Return To Forever'(単品)だ。
5枚組Vol.1も買おうとしたのだが、在庫切れでまだ入手できていない。
ジャズはしょうじきあんまり詳しくなくて、チック・コリアもたぶんどこかで耳にはしていると思うが、こうしてCDを買うのは初めてだ。チックと同世代のキース・ジャレットはそこそこCD持っていて、けっこう好きなんですけどね。ハービー・ハンコックもCDは持っていないです。
それで、上記の人たちなんですけど、割と上の世代の、ジャズをよく聴きこんでいる人たちにはあまりストレートに評価されないような印象がありますね。。
ジャズの本も出している村上春樹氏はキース・ジャレットがあまりお好きではないようで、実際、趣味ではないようなことをどこかで書いていました。
有名なジャズ喫茶のオーナーである寺島靖国氏も、Return To Foreverをちょっと色物というか流行りものみたいな書かれ方をしていたし、同じく喫茶店オーナーの後藤雅洋氏は著書「ジャズの名演・名盤」(ちょっと古いけどリファレンスとしてよく参考にしています)でチック・コリアを「好きではないタイプ」と断じています(ただし、Return To Foreverのことはかなり評価しています)。ハービー・ハンコックはわりと評判がいいみたいです。。
この辺のニュアンスは率直に言ってよくわからないものがあります。そういうと、お前はジャズのことがぜんぜんわかっていない、とか言われそうですけど。
僕らの若い頃、ジャズ喫茶やCD屋のジャズコーナーにいたおじさんたちは、たぶん今の僕ぐらいの年配だったのでしょうけど、50年代のコルトレーンとかマイルスとかを聴きこんできた世代で、その辺の人たちから見ると(チック・コリアとかキース・ジャレットは)ちょっと違う、と思えるのでしょうね。
対して僕らは70年代半ば以降の、フュージョンとかその辺の音楽の雰囲気を、生活の中のどこかで耳にしているせいか、この時代の音楽のほうがすっと心に入ってくる気がします。初めて聴く曲だけど、馴染みがいい感じがするのです。
ジャズ最盛期のあとに生まれた新世代の音楽、なのですが、それにしても40年以上前の話で、当時彼らのコンサートとかに行っていたファンたちももう還暦過ぎているはずです。。
このなかではReturn To Forever (1972)は、かなり作りこんだアルバムに感じますが、若干理屈っぽい感じがしないでもありません。5枚組アルバムは1976年から79年にかけてのリリースですが、適度にポップで、リラックスしたムードが感じられます。
5枚のアルバムは以下の通り;
The Leprechaun (1976)
Secret Agent (1978)
Friends (1978)
The Mad Hatter (1978)
Corea / Hancock (1979)
で、この中ではThe Mad Hatter が最初に良いと思ったかな。もう少し聴きこんでみないと、どれがどうなのかはよくわからないですけど。
チック・コリアは多作な人のようで、近年に至るまでかなりの作品をリリースしているとのこと。機会があればもう少し幅広く聞いてみたい気がします。。