うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

カラマーゾフの兄弟

2016年12月11日 | 本と雑誌

中山省三郎訳 ゴマブックス

僕はhontoの電子版で買ったが、たしか100円ぐらいだった。青空文庫などにも一部が出ているらしい。

電子書籍は数種類使っているが、hontoは間違えて文字サイズをいじってしまうことが多い気がする。1ページの文字組が変わってしまうのだが、それには相当の時間がかかる。この本は初期の文字サイズで2000ページを超える大作であり、その文字組を変えてしまうと処理時間が半端ない。これには困った。

サイズのでかさは、本書をアプリの一覧から呼び出すこと自体を困難にする(文庫本なら上中下になっているが、本書は完全版とあるように、ひとつのファイルで上中下すべて収録されている。ただし、オリジナルの上中下の表記は、目次として残っている)。毎回起動してページを開くのに、だいたい1~2分待っていた。

のっけからアプリの話で恐縮だが、「カラマーゾフ」の感想が読めると思って検索して来られた方、ごめんなさい。僕はドフトの良い読者とは言えなかったようです。とにかく長くて、特に最後のほうはいささか辟易しながら読んでいた。

大昔の話だけど、学生時代、文学少女系の友達に「今、『罪と罰』を読んでるんだ」、と言ったら(多少相手の関心を引きたいという気持ちがあったことは否めない)、その子が目を輝かして「ドフトいいよねえ!」と言っていたことを思い出す。その「罪と罰」、たしか読了できなかったんじゃないかと思う。。

あの頃はよくそういうことをしていた。昨年読んだ「風と共に去りぬ」も、中学生の頃3巻ぐらいで挫折、「ああ無常」は最終巻まで読んで、一番最後の100ページぐらい読んでいない。「ああ無常」なんて、そんな退屈な本じゃないのだけど。(ここ数年はそういう、若い頃果たせなかったことを拾い上げようという無駄な努力をしている。今を逃したらこの先、もう読む気力もなくなるんじゃないか、と。たぶん、いろいろなことを「手じまい」し始める年齢になりつつあるのかもしれない)。

話を戻すと、個人的には前半の部分、特にゾシマ司教(注)がアリョーシャに語り掛ける話や、イワンとアリョーシャとの会話あたりが面白かった。前半は一般には淡々と進むので退屈と言われていますけどね。

世界の十大小説といわれたり、村上春樹氏が最も影響を受けた小説のひとつと語っていたりという、名作なのですが、ちょっと読了に苦労しました。

村上氏の「世界の終わりと-」でも、「わたし」が『あの本にはいろいろなことが書いてある。・・アリョーシャにはいろいろなことがわかるんだ。。しかしそれを読んだとき僕はかなり疑問に思った。とても不幸な人生を総体として祝福することは可能だろうかってね・・。』というくだりがあって、それが今回この本を読むきっかけだった。

アリョーシャは、彼を尊敬している若い学生コーリャに「君は将来とても不幸な人間になるよ、しかしぜんたいとしては人生を祝福しなさい」と語るのだ。

コーリャは子供ながらに頭の回転のとても速い子で、周りの大人たちを小ばかにしている。しかしアリョーシャだけは受け入れ、崇拝している。巻末では少し人の情がわかるようにもなっているようだが、確かに長じて苦労しそうな子かもしれないな。。

再読するなら、その辺を中心に味わってみたいと思う。

(訂正)司教の名前が「ゾンマ」になっていたのを訂正しました。

なぜか都内に出現したアメパト。日本にもってきてから塗りなおしたのかしら。

例年のクリスマス騒ぎを、最近はうるさく思うことが多かったのだが、今の気分としてはまったりとしたクリスマスソングが耳に心地よい気分。

とにかく、今は今!

 

コメント
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