夜、自転車に乗っていたら、遠くにネコらしいいきものが道路の真ん中を歩いているのが見えた。ただ、ネコにしてはなんとなく動きがおかしい。行ったり来たりしている。
たぶん、まだこどもだろう。
最初、携帯で撮ろうとしたが、あまりに暗いので無理。逃げないかなあ、と焦りながら、しかしそっと鞄を開けて、ペンタックスQを取り出す。
ISO3200で撮影するが、たぬきはうろうろ歩いているので、どうしてもぶれは防げない。レンズは01(換算47mm相当)なので、拡大もできない。
一昔前なら、撮影をあきらめていただろう。
たぬき君はこちらのことは意識はしているが、ネコと違い、その場をさっさと逃げたりはしない。ただ、近づかれることはやはり嫌なようだ。
たぬきはこのあたりではそうしばしばではないが、時折見かける。ハクビシンのほうが見る機会が多いかもしれない。ハクビシンは、木登りが得意で、家の屋根に乗ったりするから、目につきやすい。たぬきは地表を歩くので、見えにくい。
このように、街灯の当たるところを歩いているのは、珍しい。
いったん家に帰り、カメラのISO設定を6400にして、再度同じところに行ってみたが、もういなかった。代わりに黒猫がいた。