モクセイの花が、ここ数日急に香り始めた。
この花ほど香りの強い花もあまりないとおもうが、見かけははなはだ地味である。自然の仕組みがすごいと思うのは、お互いに示し合わせているわけでもないのに、時期が来ると一斉に開花する事である。今日は横浜に出かけたが、当たり前だがここでもあちこちで花の香りが漂っていた。
横浜には知人たちのグループ絵画展を見に行った。画家の先生のもと、アマチュアの方々が有志で集まって野外スケッチをし続けたものを展示している。展示期間がかなり長く(そのおかげでぎりぎりで間に合った)、それだけ会場を借りて展示していくのも大変だろうな、と思う。驚いたのは少なからぬ点数の絵画が売約済みになっていることだ。それだけ会員の方々のレベルも上がっているのだろう。
僕も絵は好きで、腰を据えて書いてみたい気持ちもあるのだが(10年ほど前までは熱心に書いていた)、落ち着いて趣味に取り組む状況が物心共に伴わなくなり、未だに復帰できずにいる。このまま枯れて何も残さずに一生を終えるのかな、という、なんだか寂しい焦りを感じないではない。会員の方々の素晴らしい作品を眺めながら、何でも良いから少しでも前に進まなければ、という決心を抱えながら帰宅した。