60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

縦書きと横書き

2007-05-27 23:22:19 | 文字を読む

 「左横書きの日本語は非常に読みづらい」という意見があります。
 読みづらければ読む速度は当然遅くなるうえに疲れるし、構成等をやると2ワイは能率が落ちるともいいます(山本七平「漢字文化を考える」)。
 確かに横書きの日本語をが読みづらく、疲れると感じる人がいるのは事実です。
 読むスピードについては、戦後に行われた調査では小学生から中学生にかけては縦書きのほうが読む速度は速かったそうです。 
 ところが学年が進むにつれ速度の差がなくなり、大学生になると横書きを読むスピードは縦書きの場合と同じだという結果になっています。
 
 子供は最初は縦書きで文字を習いますから、縦書きに慣れていて横書きの文字を読むスピードが落ちるのは当然です。
 大学生になると縦書きも横書きも読む速度に差がなくなるということは、大学生になる頃には横書きの文を読む経験をつんできているということです。
 要するに慣れの問題ではなかろうかと推測できます。

 英語などアルファベットの場合は、字の形からして縦書きにすると非常に読みづらく、慣れの問題ではないと思われます(英語の本の背はやはり横書きになっています)。
 そうしたところからの連想で、日本語の場合も文字の形が横書きに向いていないのではないかとも考えられますが、本の表表紙は横書きのものが多く、字形は縦書きでも横書きでもどちらにも適応するようです。

 疲れるという点については、横書きのほうが疲れやすい要素があります。
 上の図は縦横同じ間隔で文字を並べてありますが、横に並んだ9文字をいっぺんに見るほうが、縦に並んだ9文字を見るより楽に見ることができます。
 目が二つ横に並んでいるので横のほうの視野が広く、横に並んでいる文字をとらえるほうが楽なのです。
 それなら横書きの文字を読むほうが楽なはずで、横書き文字を読むほうが疲れやすいというのはおかしいのではないかと思うことでしょう。

 ところが横書きの文字を読むと、文字が楽に目に入るので、目をあまり動かさずにすみ、焦点距離も固定したままの状態が続きます。
 同じ姿勢を続けると筋肉がこわばり非常に疲れるのと同じように、目も同じように動かさないで見続ければ疲れるのです。
 縦に並んだ場文字列を見る場合は、目を動かしたり、目を見開いたりするようになるので目の筋肉はこわばり難くなります。
 つまり縦書きのほうが疲れにくいということになります。
 といっても現代の文章はアルファベットやアラビヤ数字などが入ってくるので、横書きのほうが表記しやすい場合が多く、横書きを読む機会が多くなりますから横書きの文章を読んでも疲れない工夫をする必要があります。
 
 


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