60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

マンガのほうが速く分かる

2006-03-12 23:29:38 | アナログとデジタル
 写真とマンガの似顔絵では、同じようにブラインドで隠されていても、分かりやすさに差があります。
 マンガの似顔絵のほうは線画で画素数が少ないので、隠される部分の割合が増えればわかりにくくなりそうなものですが、写真よりも原画をイメージしやすくなっています。
 特徴を大まかな線で描いているため,隠されている部分があっても元の絵をイメージしやすいのでしょう。

 これは誰の顔かというふうに聞かれれば、隠されていない原画の状態では写真のほうが正解率が高いでしょうが、このように一定部分を隠すと、マンガのほうが速く正解を出せるのではないでしょうか。
 目鼻の大きさや形、配置などは写真は実物にデジタル的に対応しているので、記憶と対照しやすいので有利です。
 
 マンガの場合は大抵の場合デフォルメされているので、目鼻の大きさ、形、配置を実物と対応させようとしてもうまくいきません。
 マンガの場合は、似ているというのは実物と相似形だというわけではないので、似ているということをデジタル的に示すことが困難です。
 絵を見たときに引き起こされる感情とか感覚が似ていればよいので、誰の顔かということを科学的に証明したりすることはできません。
 証明することはできませんが、直感的に類似性を感じ取るので、速く判断できるのです。

 写真の場合はこのように隠される部分ができると、部分部分に注意がひきつけられるために、全体的なイメージがつかみにくくなります。
 最初に見たときは全体のつながりがつかめないので、余計な部分にも注意を取られたりするのですが、何度も見ているうちに部分部分のつながりができてきて全体イメージが浮かぶようになります。
 
 写真を何度見てもなかなか分からなかった人でも「小泉首相だ」と言葉でいわわれれば、パッとそのように見えてくるからふしぎです。
 見ているだけではなかなかまとまらなかった視覚イメージが、言葉の刺激で形作られるようになるのです。