60歳からの視覚能力

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脳による解釈

2006-01-15 23:45:25 | 眼と脳の働き
 図は心理学で対比効果による錯視といわれているものです。
 円aはbの外側の円と同じで、またcの内側の円と同じなのですが、cが一番大きく、bが一番小さく見えます。
 bは内側に小さな円があるために、同化して小さく見え、cの場合は外側に大きな円があるために同化して大きく見えるという説明がなされているようです。
 説明のしかたは何か一貫していないように感じられます。
 同心円が描かれた場合、内側の円が大きく見えるということなのか、あるいは内側の円は大きく見え、外側の円は小さく見えるということなのかはっきりしません。
 
 片目を閉じて、aという文字を見て、同時にbという文字を見ると円aとbの外側の円は同じ大きさに見えるようになります。aとbの外側が同じ平面なので焦点距離を固定して見れば二つの円は同じ大きさに見えます。
 次にcの内側の円と円aとを同時に見るとaとcは同じ大きさに見えるようになります。
 この場合もaとcの内側の円を同時に見ることで、焦点距離を同じにすることができて同じ大きさに見えるのです。

 グレゴリーという心理学者は、錯視は二次元的な図形を三次元的に解釈しようとするために生ずるものだとしました。
 錯視が脳の解釈だとするのですが、実際は眼が動いていて、焦点距離が変化しているのですから実際に大きく見えたり小さく見えたりしているのです。
 眼の使い方で見え方が変わるので、錯視とされているものの、実際そのように見えているのです。
 脳が勝手なイメージをこしらえて、見えたと錯覚するのではなく、脳の解釈によって眼の使い方が変わるということでしょうか。