BUONA GIORNATA!

取材や旅、見仏、ヨーガ、読書の日々をつづります

いつでも会える

2007年04月07日 | My Favorite
いいお天気です。
うぐいすをはじめ、たくさんの野鳥が高らかに歌声を響かせています。毎年我が家にやってくるツバメ夫婦第1組が巣作りに励んでいて、いっそうにぎやか。そのうち、あと3組も来るでしょう。
久しぶりに、のんびり休日を満喫しています。

しばらくブログの更新ができなくてすみません。できるだけ毎日更新できるようにしたいと思っています。

今日は大切な1冊を紹介します。
菊田まりこさんの絵本「いつでも会える」(学習研究社 950円)=写真=。

数年前にふと立ち寄った本屋さんでなんとなく手に取った1冊。なのに、立ち読みしながら大泣きしてしまったのです。ちょうど、大好きな祖母が亡くなって1カ月くらい経ったころでした。

この絵本の主人公は「シロ」という犬。かわいがってくれていた飼い主「みきちゃん」が突然亡くなってしまいます。でもシロは「死」を理解できず、悲しくてたまりません。みきちゃんを探して走り回ります。ある夜、夢でみきちゃんの声が聞こえます。「いっしょにいられないけど、そばにいるよ。いつでも会える」と。そうしてシロは「目をつむるといつでも大好きなみきちゃんに会えるんだ」と死を受け入れることができた、というお話。

シロの表情や言葉が愛らしくて、切なくて、子どもでなくても感情移入してしまいます。まるで祖母と自分のことを言っているようで、涙をこらえきれませんでした。そのときはそのまま本を置いて帰ったのですが、次に手に取ったときもやっぱり泣いてしまい、「家で思い切り泣こう。母や叔母やいとこにも読ませよう」と買って帰りました。目の赤い私をレジの店員さんが不思議そうに見ていたっけ…。
案の定、涙もろい叔母やいとこは号泣。あとでそれぞれ1冊ずつ買ったそうです。
今でもときどき読み返すと、うるうるしてしまいます。

この本は1999年度ボローニャ児童賞・特別賞を受賞し、「子どもに死という非常にデリケートな問題を教えるためにもこの本は秀逸である」と評されています。機会があったらぜひ、手にとって見てください。