博士の異常な模型愛

異常な模型愛やら異常なクルマ愛やら。

2023/04/04

2023-04-04 22:27:57 | 模型愛
 小学生の俺、兄ちゃんが作ってるミニスケのAFVに興味津々、自分もニットーのシャーマンを買ってきて履帯をみょんみょん伸ばしながら塗ってみました。ちっさいしすぐできる、オイルだれなんて何となくファーと塗ってみたらなんでか上手くいったりして、兄ちゃんにめっさウマイと褒められたりして。
 なんでミニスケでなんでオイルだれなんかといいますと当然そりゃホビージャパンの改造しちゃあかんの人、松本州平さんの影響なんですヨ。ドライブラシは怖くてできませんでしたが、左手の親指をパレットにして混色するとこまでは行きました。あと焼針ね。なるほど大人でも改造しやんのに何で子供が改造するんやそうかせんでええんや!と思うとプラモデルがグイッと近くに寄ってきて、ハセガワの1/72のホーネットやらハリアーやらのロービジ迷彩を筆塗りしたりミニスケスダコフツ222をくんだりしてました。松本州平さんや横山宏さんや今井邦孝さんは模型少年達だけが知っている近所のお兄ちゃんかつヒーロー(梅本さんはダークヒーロー)、今でいうヒカキンとかユーチューバーみたいなもんでしょうか。ヌートリアっつーいかつい動物がいるのは松本州平さんから教えてもらった。
 時は流れて松本州平さんはモデルグラフィックスに移り横山さんも同誌でブレッヒマンとかいうなんだかあんまりかっこよく無いSF3Dの焼き直し見たいのをはじめ(言い方気をつけよう)、文字も小さく文体もちょっと普通の大人っぽくなりなんだろな、でも私自身もちょっと大人(中学生前後)になってるもんでぜんぜんいけたりしたのです。筋彫りの太いサラマンダー、でもかっこいいんです。ゆうゆよりねーねの方がいいよね皆さん?
 で普通に高校生になり部活だの受験だの、大学生活だので模型から遠ざかっていて、仕事も始め、生活の全てを投げうって頑張ったんですが何やかやと挫折もし、ふと足元を見つめ、なんだろな、なんだろなそういえばと模型を再開したのが大体15年くらい前でしょうか。これだよ、燃える、冒険だ、面白い。で周りを見回すと知らない間に松本州平さんはマスターモデラーズやスケールアビエーションで普通に唸るような作例を例の口調で発表し、梅本さんがむしろ「何でも好きに、思った通りにやったらええねん」的な模型をつきつめており、挙句に横山さんのAFSのプラモデルの新作がウェーブから出たり。私が勝手に大人ぶって勝手につまづいたりしてる間でも、兄貴たちはずっと同じ場所で、模型って楽しいんだぜ、君の好きにやればいいんだぜと伝え続けてくれていたのでした。まるで忌野清志郎さんがラジオから流れてきたオーティスレディングさんの歌から受け取ったメッセージのように。「勇気を出せよ、君の人生だろ」。兄貴たちのパッションは行き場を見失って名実共に途方に暮れていた私を前へと進める推進力になったのでした。顔を上げて前へ。
そーんな私ですがなんとこないだ松本州平先生にお会いしました。例の松本市城下町模型モデルコレクションなやつにゲストでいらしていて。あわあわ言ってろくろくお話もできませんでしたが、何だかいろんな感情がぐるぐるしてただただぽろぽろ泣いてしまいました相当気持ち悪いおじさんだった事でしょうすみません(ただ今までの色んなことに対する感謝を伝えたかったんですがその表現として「あわあわあわ」じゃ伝わらんわな)。先生はそんなキモおじさんに握手を求められてもニコニコと応えてくださり、「今日は展示はされてないんですか?」という模型同志への全く真っ当な問いかけを私にされまして、はたと気づく私。そうか。きっとこんな場所でヘラヘラめそめそしてるよりも模型作れよ、というevangelist ならではのメッセージだと受け取りました!いよっし気合い十分、帰ってきてから速攻で、なぜか組みかけのエアフィックス1/72メッサー262の機銃を開口したりね!
ちょっと反省したおじさんなのでした。おじさんのセンチメンタリズムなんか重いしウザイぜ、とにかく作らんと!趣味なんだから楽しまんと!勇気を出せよ、君の人生だろ!!
コメント (3)
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