国鉄フライヤーズ

目指せカネ、ヒマ、若さ

「東京原発」をやっと見た

2012-09-18 01:00:00 | 原発


2004年の作品。
ツタヤの宅配レンタルでずいぶん前にリクエストしたがなかなか順番が回ってこなかった。
原発がテーマのコメディー、というかブラック・ーモア映画ですね。
福島事故が起きるまで原発容認派だった国鉄フライヤーズはこの映画の存在さえ知らなかった。

事故後、ネットでは結構話題になったんですが。
見たいと思ったがメジャーな映画館で上映されたという話は聞かない。
マスメディアは一斉に無視したしね。

分かる気がしますね。
原発の安全性、経済性、環境負荷、使用済み核燃料処理問題等原発の根幹に係る事につき劇中人物がディベートするが、その内容がリアルで的を得ている。
原発推進勢力としてはちょっとマズい映画なのです。
再上映したら興行的にも成功したかもしれないのに。

物語は役所広司扮するカリスマ知事が突然に新宿中央公園に原発を誘致しようと言い出すところから始まる。
広瀬隆の「東京に原発を!」(1986年)という本があります。
本当に原発がクリーンで安全なら東京湾に作るのが最も効率的だろう、という挑戦的なノンフィクション。
これがネタ本であることは間違いなさそうだが広瀬さんがこの映画に関与したわけではないようです。

ネタをばらすと、無関心な都民、国民にエネルギー問題や原発の危険性について問題意識を持たせようという都知事の深謀遠慮。

腹心の副知事が呼んだ学者は実は原発反対派で変人として描かれている。
変人でなければ反原発の学者などいないということは我々は学習させられたよね。
この学者の議論に都庁の幹部たちが仰天するわけです。

そんなときに密かに都内を搬送されていたプルトニウム燃料棒がテロリストにジャックされる。
最後には都庁付近でチェレンコフの光が、というぎょっとする結末だ。

事故前にも原発の安全性に対する真剣な議論があったんですね。
そして映画のキャストがすごい。
役所公司、段田安則、平田満、岸辺一徳、吉田日出子、益岡徹などの名だたる有名な芸達者たち。
こんな映画がよくも制作されたものだ。

事故前なら許されたが事故後はやっぱりマズいんです。
だからこそ、筋書きは言ってしまったが、それでも見る価値あり!!

未来予測はアーティストの仕事だと思い知らされた。
ベクトルが過去に向いている現実主義者では無理ですね。
その現実主義者に迎合する事によって飯を食っている学者やメディアの意見を聞いていても将来のことはわからない。
フィクションという仮説が思考を刺激するのでしょう。

刻々消えていくテレビニュースやニュースバラエティ、さらにはツイッターのタイムライン。
そこに流される情報はストレートニュース以外は屑の宝庫(変か)。
日刊紙より週刊誌。週刊誌より月刊誌。そして月刊誌より単行本、更に文庫本。

前回紹介したインサイド・ジョブもそうだが、映画という作品には教えられるものが多いようです。
残念ながら日本では事故後にそれを検証する作品はない(コミックでパンドラの箱とかいうのがあるらしいが)。
責任追及をしない国民性なのだろうか。
それって平気で失敗を繰り返す国民性ということでもあるようで。

無知と傍観そして無反省がテロリストと同じくらい危険だということを再認識させられました。


「東京原発」ハイライトシーン


ね、面白そうじゃない?


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2 コメント

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Unknown (yumi)
2012-09-19 12:13:46
記事の途中で読むの止めました。
おもしろそうなので見てみます♪
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Unknown (taku)
2012-09-19 12:18:23
ゆみさん、ぜし。
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