挨拶しない人の対処法【精神科医・樺沢紫苑】
甘えというものがある。これって、血縁関係が近いほどその傾向性が高い。家族や親戚に頼る、甘えが知らず知らず押し寄せる。こりゃアカン。
所詮、親兄弟といっても独立した人格である。子どもに至っては、親の元から巣立ったら後は放っておくこっちゃ。ホントに困ったらアドバイスもしてあげたら良いだろうけど。
結局は独立して一人で生きていくしかないからである。ボキは、マジにそう思う。18歳で苦学を始めてからそういう覚悟ができちまったのだ。誰も頼るべき相手はいないし、テメェで飯を食っていくしかなかったからだ。幸い、朝刊と夕刊を配れば、新聞店で飯を食わせてくれた。ありがたかった。これが一番ありがたかった。充実もしていた。テメェで生きているという感触があったからだ。
この体験がボキを変人にしてしまったのだろう。でも、悔いはない。得がたい体験をさせてもらった。頼るべきはオノレ一人であるからだ。独行道というのが宮本武蔵にある。井沢元彦氏が紹介している。ボキの好きな格言がいっぱいあるからこれを眺めてはため息をついている。
宮本武蔵 独行道
(現代語訳 井沢元彦氏)
- 世の中のさまざまな道に背いてはならない。
- わが身の楽しみを追い求めてはならない。
- どんなことにもそれをたのみにする心を抱いてはならない。
- 自分中心の心を捨て、むしろ世の中のことを深く考えるように。
- 一生の間、欲深いことを考えてはならない。
- 一度したことについては後悔をしてはならない。
- 他人の善悪について嫉妬してはならない。
- いかなる道についても(おそらく人生、つまり愛する人との別れ、あるいは肉親の死なども含めて)、別れを悲しんではならない。
- 自分のことについても他人のことについても、不平を言ったり嘆いたりしない。
- 恋愛には感心を抱くな。
- 物事に好き嫌いを持ってはならない。
- 自宅を豪華にしようという心を持ってはならない。
- 常に身一つ簡素にして、美食を好んではならない。
- 代々伝えていくような骨董品を持ってはならない。
- 体にこたえるような飲食、つまり暴飲暴食や無謀な行動をしてはなはらい。
- 武具については特別な物を好んではならない。
- 自分の道を貫くためには、場合によっては死に向かうこともあるが、それを避けてはならない。
- 財産を貯えたり宝を持ったりしてはならない。
- 仏や神は貴いけれども、これを頼りにしてはならない。
- 自分の命が危険にさらされても、名誉心を失ってはならない。
- 常に兵法の道から離れてはならない。