オレも年取ったけど、配偶者も同様で、言わば戦友みたいなものである。今回の旅は、リフォームをしていたので、久しぶりに行ったのだが、こういう機会を大切にしてお互い順調に年を取っていきたいものである。もう、退職したのだ。これからはひっそりと生きていくしかないではないか。マジに。
オレの友人で、年金暮らしをしているのに、まだまだ娑婆に未練があって、貯金を殖やそうとか、賭け事に執着したり、異性をかまったりしているのがいるが、あれはいかがなもんかねぇ。おとなしくしていればいいものを、危険な火遊びは、晩年を惨めにするからいかんでっせ。
オレなんか、枯木同然ですから、いつくたばっちまうかわかったもんじゃねぇのだ。あははははである。
枯木っていもんでっせ。
誰も見向きもしてくれないし、孫までオレのことを忘れていたし。そうなのだ。銀山温泉に行った帰りに孫のところに寄ったのだ。
おいでぇ~~~~~じっちですよ~~~~~~
そう言ったら、「うぇ~~~~~~~ん」だって。
笑ったなぁ。実に笑った。普段見たこともない、じっちが、ボクをさらっていこうとしているって思ったのだ。ぎゅーっと自分のおっかさん(つまりオレの娘)にしがみついていたのだ。
むぎゅー、しょうもないか。こんなおっかねぇ顔をしているんだものなぁ。
しばらくして、そう二時間もしたら、オレにも慣れたが。時間がかかるねぇ。まったく、まったく。だっこもさせてもらったし。ありがたや、ありがたやである。
そしたら、スーパーとか、西松屋とかいう子供服の店では、おばーちゃん(オレの奥さん)とおっかさん(オレの娘)が買いものをしているので、オレと一緒に店内をベビーカーで探検していたのだ。
ところがだ、やっぱりだった。
「うぇーん」なのだ。
じじいではしょうもないのだ。
そうか、そうか、そんなにじじいではイヤかと、娘のところに避難した。
オレではムリだな。孫育ては。母性がないから。オレには。枯木だもんなぁ。柔らかなフェロモンが出ないのだよん。
難しいもんだねぇ。
だから、女性はたいしたもんだと思うのだ。なんで、あんなに子育てが上手なんだろうか。もっとも、オレの孫のように、べたべた母親にくっついてばかりいたら、母性本能も刺激されるんだろうなぁとは思う。
オレにはとうていムリである。
母乳も、オレは出ないし。(当たり前だな)
そういうことをくぐり抜けながら、職業を持って、オレと一緒に(ちなみに同い年)家族を慈しみ、育てあげ、ここまできたんだから、オレの配偶者はたいしたもんですよ。オレにはとうてい出来ないことだったなぁ。
申し訳ございませんですよ。
こんな罪作りなじじいで。
酒ばかり呑んでいるし、あんにも家庭のことはできないし、くだらない本ばかり読んでいるし、下手くそな論文めいたものを書いて、ゴミ箱に捨てているし。
なんの意味も存在感もねぇですな。
枯木は。
さ、今日はこれから塾がある。ちょっと予習でもしようっと。
(^_-)-☆