月あかりの予感

藤子不二雄、ミュージカル、平原綾香・・・好きなこと、好きなものを気の向くままに綴ります

男やもめになんとやら

2006年08月31日 16時41分47秒 | 近況雑記
離婚以来毎日、母、祖母、叔母の3点セット(?)で、私の食事やら部屋の掃除をしにきてくれています。おかげさまで、男やもめにウジがわかなくて済んでるので、ありがたいことです。

ただ家事をやってもらうだけでは悪いので、我が家のDVDコレクションを御礼代わりに随時観てもらってるんですが、最近は「ポリアンナ」とピクサー作品がお気に入りの様子。「ポリアンナ」などは、私がまだ観てない話まで進んでしまいました(笑)

ピクサー作品は「ファインディング・ニモ」を観てもらったら、もっと観たいと言いだし、既に「カーズ」を除く全作品を観ました。「ゲーリーじいさんのチェス」なんて通好みな作品まで気に入ってくれたので、ピクサー好きの私としては感無量であります。叔母などはバズの人形まで欲しがっております。

猛烈な漫画好きな息子に似ず、あまり漫画を読まない母ですが、昨日、何気なく「夕凪の街 桜の国」と「こっこさん」を貸してみたら、珍しく気に入ってくれました。気をよくした私は、今日は「さんさん録」を貸しました。

漫画好きの祖母には、ほとんどの漫画を貸したので、貸すネタがなくなりつつあり困っております。最近では「ミス・ドラキュラ」や、あすなひろし先生の作品などを勧めたりしています。特に「ブラック・ジャック」がお気に入りのようです。

叔母は何故だか、テトリスDSにハマっております(笑)


今週はちょっと忙しいです。魔美レビュー4話後編を書いて燃え尽きました(笑)。いまコーヒー休憩の合間に書いてますが、まあ上記のような日常ということで・・・

たまには、つぶやきだけのブログも良いでしょう(^^);

濱田めぐみさん

2006年08月31日 06時31分06秒 | ミュージカル/演劇
8月27日、『アイーダ』福岡公演の千秋楽決定が発表されました (劇団四季)

うーん・・・やっぱり1年もたなかったか
かくいう私も、まだ2回しか行ってないですけど・・・

苦境が伝えられてきた福岡シティ劇場も、「ライオン・キング」で一旦は持ち直したかに見えましたが、いきなり「オペラ座の怪人」の再演なんかをやってずっこけて、どうにかこうにか「アイーダ」にこぎ着けたものの、1年もたず・・・この先どうなるか不安です・・・札幌JRシアターの二の舞だけはご勘弁を
「マンマ・ミーア!」やってくれるだろうか・・・

「アイーダ」は2003年12月に大阪で初演されたとき、当時の妻と2人、日帰りで駆けつけました。そのときは残念ながら2階席で、あの作品のパワーを間近で感じることが出来なかったんですけど、6月には最前列ど真ん中で観まして、もともと好きだった濱田めぐみさんを、ますます好きになりました

彼女は「美女と野獣」大阪公演のベル役だから・・・1996年頃になりますかね。その頃に初めて観て、四季のほかの女優さんにはないものを感じ、妻ともどもファンになりました。もともと解散間際の音楽座に少し在籍していたということも、音楽座ファンの私たちにとって、大きなポイントでした。(もっとも音楽座時代の彼女の舞台は、残念ながら観たことがありません)

確か「ラ・アルプ」(四季の会会報誌)か何かで、彼女がオリジナルミュージカルへのこだわりとか、「ミュージカル李香蘭」に出たかったとかいうインタビューを読んで、その音楽座ライクな発言に嬉しかったのを覚えています。(ご存じない方のために申し上げますと、音楽座はオリジナルミュージカルのみを上演する劇団でした。1996年に惜しまれつつ解散後、「音楽座ミュージカルを上演する会」によるプロデュース公演を経て、現在はRカンパニーが音楽座ミュージカルの精神を引き継いだ活動を行っています。)

これまで、めぐみさんの演じてきた役は、ほとんど観てきました。ベルに始まって、「キャッツ」では可愛くも美しく、しかも悪女(笑)・ジェリーロラム=グリドルボーン、「クレイジー・フォー・ユー」では難役ポリーを見事に演じきって、「李香蘭」では川島芳子、「ライオン・キング」では力強いナラ、そしてラダメスへの愛と祖国への愛に揺れ動く、これまた難役のアイーダを、力強くも繊細に演じています。

彼女の芝居には繊細さと優しさがあり、歌もただ美しいだけではなく、とても感情に溢れた歌声を披露してくれます。力強い歌を、ただ力任せに歌うことは簡単なのですが、彼女は、たとえばアイーダの力強さの奥底にある深い哀しみ、祖国への思いを全身で表現していて、そこが本当に素晴らしいのです。

今でこそ、四季の看板女優の1人としての地位を確立している彼女ですが、まだデビュー間もない頃には、私の四季好きの友人、知人の間では、アンチな方も結構いたりしました。それまでの四季っぽくなさが、逆に旧来からのファンの反発を招いたのかもしれません。私が大ファンだと知っているくせに、目の前で彼女の悪口を堂々と言う奴もいたりして、
彼女は絶対に今後伸びてくる・・・今に見てろ~
と熱い思いをたぎらせていたら、現在のご活躍ぶりで、本当に嬉しい限りです。

こんなことを書いてたら、また「アイーダ」が観たくなってしまった(^^);
泣いても笑っても1月までに決まっちゃったんだから、あと1~2回は観ておきたいと思っています。

エスパー魔美DVDレビュー (4) 友情はクシャミで消えた (後編)

2006年08月31日 01時07分53秒 | エスパー魔美DVDレビュー
前編の続きです
後編の前置きなども先にお読み頂けると(^^);

みどころ (後編)

なるべくストーリーは書かないようにしていますが多少のネタバレはあります

魔美が目の前で超能力を使う場面を見てしまった高畑は、さすがに気が付きます。

「そうか・・・そうだったのか・・・」
「あ・・・あの・・・今のは・・・実は前から打ち明けなくちゃと・・・」
「それで何もかも説明がつく・・・エスパーはぼくではなくて、目の前にいる君だったなんて・・・」
気まずい空気が二人を包みます。

高畑は、こんな簡単なことに気付かなかったなんてと自分を責めます。魔美が止めようとすると、それを振り払って言います。
帰ってくれないか
「えっ・・・」
「ぼくはね、嘘が嫌いなんだ。嘘をつくのも、つかれるのも」
「ごめんなさい・・・あなたを騙すつもりはなかったの・・・今まで何度も打ち明けようと思ったわ・・・でもその度に変に食い違っちゃって・・・打ち明ける機会を逃してしまったの・・・信じて・・・」
魔美の涙を見て高畑は言います。

「・・・わかったよ。君はわざと人を騙して面白がるような人じゃない。ただ、ぼくは自分の迂闊さが許せないんだ。当分の間、君とは顔を合わせたくない。この気持ちの整理がつくまでは」
(C) 藤子プロ/シンエイ動画・小学館

このときの高畑は、おそらく自分がエスパーじゃなかったというショックと、魔美に嘘をつかれていたショックとが交錯して、自分でもどうして良いかわからない状況に陥っていたんだと思います。魔美の嘘は、決して騙そうとしていたわけじゃないことを魔美の涙を見て瞬時に理解したんだと思いますが、なかなか気持ちの整理までは簡単につけられるもんじゃありません。さすがの高畑でも。

基本的に私の書いてるのはツッコミ系レビューなんですが、この場面は名シーンすぎて、ちょっとツッコミようがありません(^^); 強いて挙げるなら、高畑が自分を殴るシーン。原作では無言でボカボカと殴っていて、かなりの悲愴さがあるんですが、アニメでは「バカ、アホ」と自分を罵っていて・・・ちょっと間抜けです(笑)

「エスパーとしての君の活躍に期待しているよ」
「一人じゃ何もできないわ・・・あなたに助けて欲しいんだけど」
「よせよ。平凡な普通の人間が、エスパーを助けるなんて、ありっこない。さよなら」
・・・空気が・・・重い(汗)
こうして魔美は高畑家を後にします。

高畑家を出るとき、第2話で魔美が対決した黒雪妙子が現れますが、魔美は何も言えずに去っていきます。
(C) 藤子プロ/シンエイ動画・小学館

失意の魔美は涙を流しながら走り、土手のところまで来てつぶやきます。

「忘れたい・・・もう何もかも・・・そうだわ。誰かお友達の家にでも行って、パーッと・・・」

そのとき、野球のボールが飛んできて、魔美は不意にテレポート。

魔美がテレポートした先の「お友達の家」とは、富山くんの家でした・・・なんで?(笑)

普通なら、ノンちゃんか幸子のところでしょう。この頃はまだそんなに親しくなかったのかな?毎回振ってばかりの富山くんを、心の片隅でかわいそうに思ってたのかな(^^);
(C) 藤子プロ/シンエイ動画・小学館

それにしても魔美って・・・危ない橋を渡りますよね(笑)。原作では富山の目の前にテレポートしてますから、もっと危ういです(^^);

「びっくりしたよ。どこから入ってきたんだい?

思わず、「ハハ、ノンキダネ」って言いたくなりますよ、富山くん(笑)

「まぁ、富山さん・・・お宅へ遊びに行っていいかしら」
「いいかしらって・・・もう来てるんじゃないの?」
ここらへんの絵のタッチは少し富永さん風(唐突に作監話かいっ

富山は自分のレコードコレクションを聴きに来てくれたものと思って喜びます。あ、レコードとは言ってますが、手にしてるのはCDです。アニメの放送時点では、そこまでは古くはありません(^^);

富山は魔美にリクエストを聞きますが、「バッハ、ベートーベン、ブラームス、モーツァルト、ワーグナー?」と、およそ魔美には興味のなさそうな選択肢ばかりが並びます。

「今の心境からいくと・・・中島みゆきなんか聴きたいわね」
・・・魔美・・・そのセレクトは・・・と思う間もなく富山が一言。
演歌は嫌いなんだ」
←それでこの顔です(笑)
ちなみに原作では矢野顕子をリクエストする魔美に対して「ニューミュージックはきらいなんだ」・・・時代を感じます(笑)
魔美が富山家でバッハのブランデンブルグ協奏曲を聴いているとき、高畑は妙子とデート中・・・ただし公園で(笑)。公園なんかつまんないと、ディスコに誘う妙子をすげなく拒否。
「嫌なことなんてパーッと忘れちゃうわよ」
「ぼくには忘れたいような嫌なことなんて、別にないから」
「・・・あっそ」
富山からモーツァルトについての講釈を聞く魔美。

眠そうです。つまんなさそうです。
とりあえず、富山と魔美は気が合わないことがよくわかります。
(C) 藤子プロ/シンエイ動画・小学館

一方の高畑と妙子もまた気が合いません。
「学校の先生とでも話してるみたい!」
「悪かったね。ぼくはもともと口べたなんだ」
「わかってるわよ。あの子のことで頭がいっぱいなんでしょ」
「あの子?なんのこと?」
佐倉魔美!
「何いうんだ!ぼくは別に・・・」
「ほら赤くなった。あんたって絶対に嘘のつけない人なんだから」
「冗談じゃない・・・ぼくは帰る」

ここまでで、高畑は嘘が嫌い、嘘がつけないということを繰り返し強調することで、ラストの持つ意味が大きくなっていくわけです。

アニメの妙子は、いかにも不良っぽい原作の妙子とは違って、意外と良い子だったりするので、ちょっと可哀相ではあります。アニメの設定では従姉妹で幼なじみなわけですが、高畑には好意を持ちつつも、今一歩、合わないところがあるんですよね。そこに突如現れた魔美に高畑を取られそうで、妙子としても何ともいえない複雑な心境なのでしょう。
(C) 藤子プロ/シンエイ動画・小学館

ちなみに原作の妙子は、ここで出番終了なんですが、アニメの方では、もう何話か登場しています。妙子ファンの方、ご安心ください(なんだなんだ

さて、魔美の方は・・・・寝!
富山の怒濤のクラシック攻勢で、とうとう寝てしまいました(^^);
寝れば起こしてくれりゃ良いものを、富山は独り言でギリシアのオルフェウスの竪琴の話などを持ち出して、毛布までかけてくれる始末(笑)。ちなみに原作の富山は「佐倉ちゃん」などと馴れ馴れしい&何か業界チックな呼び方をしています(^^);
気が付けば外は真っ暗
「冗談じゃないわ!眠ったら起こしてくれれば良いのに!」
と、少々逆ギレ気味な魔美は帰路を急ぎます。
寝る魔美も魔美ですが、こんなに暗くなるまで寝かしておく融通のきかなさも、富山がモテない原因なのでしょう(笑)
(C) 藤子プロ/シンエイ動画・小学館

帰宅すると家の中は真っ暗で誰もいません。みんなどこへ行ったのかと思っていると、お隣の陰木さん、コンポコ連れて初登場。

藤子作品には、F先生、A先生を問わず「名は体を表す」を地でいくような名前が多数登場しますが、この陰木さんもその一人。本当に陰気なんです(笑)。

ちなみに、その手の名前で、いくらなんでも・・・と思ったのは、A先生の「戯れ師」って作品に登場する「サエナイ・ダメオ」・・・あんまりだぁ(^^);

さて、その陰木夫人。上品っぽい口調ながら、散々コンポコの悪口。
「お宅のコンポコちゃんは、犬のくせに、猫ともつかず、パンダともつかず・・・いわば雑種の極限ざんしょ?」
小学生時代から印象に残ってるすんごい表現・・・事実だけど(コンポコ、ごめん

「もしも、うちのメリーちゃんに仔犬が生まれるようなことになると、どんな奇っ怪な仔が生まれるか、想像するだけで身の毛がよだつんざんすの」

だからコンポコを陰木宅によこすなと。この人、第21話までは完璧な悪役です。その第21話で、あることが起きて、それまでが嘘みたいに善人化します。
魔美は傷ついたコンポコを励ましながら言います。
「元気出しなさいったら!メリーちゃんが何よ!今に・・・きっと良い友達が現れるわよ・・・きっと・・・」
言いながら、ある意味、似た境遇なのに気付いて思わず涙。

「気持ちわかるわ・・・お友達を失うって、とても哀しいものなのよね・・・」
そこに両親帰宅。激怒中(汗)

魔美自身も視聴者もすっかり忘れてるんですが(笑)、魔美は勉強中にこっそり抜け出したので、魔美ママにしてみれば、部屋にいたはずの娘が突然姿を消して、暗くなっても帰らない状態だったんですよね。そりゃ心配もします。
そして、みっちりお説教。
魔美は、なんとまたも嘘をつきます(^^);
「宿題がわからなくて・・・」
「高畑さんのところでお勉強?こんな時間まで?」
魔美ママは高畑に確認の電話をかけます。
(C) 藤子プロ/シンエイ動画・小学館

えー・・・感動の大団円をむかえる前に、やっぱりツッコミ系レビューとしては、ひとつつっこませてください(^^);

ここで魔美が嘘をつく必要があったのか?ということです。後に魔美が人助けをして、それを言うとエスパーだとバレるから、高畑と口裏合わせの嘘をつく、というシーンはたくさんありますが、それとは意味が違うんじゃないかと・・・

正直に「富山さんのところで音楽を聴いてたら眠くなって」そのまま寝てしまってたと言っても、別に良かったんじゃないかと・・・部屋を出て行くときも、超能力を使ったわけでもなく、物理的にベランダをつたって降りてますし・・・

そりゃまあ、クラスメートの男子の家で寝てしまうという行動は、別の意味で問題かもしれませんが、魔美は本当に寝てただけだし、何事もなかったことは見ればわかるし、富山の証言だって得られるでしょう。

・・・と、無粋なツッコミを入れつつも、このシーンは高畑が魔美のために大嫌いな嘘をつくということが重要なのです。

ぼくに出来ることがあったら、いつでも力になるから
ありがとう・・・高畑さん・・・

原作ではママに言伝されますが、アニメでは直接言います。良い感じの変更です。

ここに最強のエスパータッグが誕生するのでした。
部屋に戻った魔美は大クシャミ。見事に念分裂が・・・

部屋で娘が下着姿。周囲にはビリビリに破れた洋服・・・
「まあ、なんて格好してるのよ!風邪引いてるのに」
ママさん・・・こんな場面見たら、別の心配してあげて(^^);
(C) 藤子プロ/シンエイ動画・小学館

はぁ・・・やっと終わった(^^);
最後、たたみかけ状態になってしまったのは、字数制限のためでした

第4話、長い文章をご愛読ありがとうございました

エスパー魔美DVDレビュー (4) 友情はクシャミで消えた (後編・・・の前置き)

2006年08月30日 19時03分24秒 | エスパー魔美DVDレビュー
えー・・・前編から、予期せず時間の空いてしまった第4話レビュー後編(^^);
とりあえず、間もなく(たぶん明朝)アップすることになると思います。

結局、後編だけで7日近くもかけて書く羽目になってしまいました(^^);

基本的にこのレビューは、各話の冒頭に書いてる通り、

 なるべくストーリーは書かないようにしていますが多少のネタバレはあります

というのが基本コンセプトなんですが、この最初の4話というのは、思いっきり
ストーリーを書いてしまってます。それも画像入りで(笑)。この時点で、既に当初
考えていたアウトラインから、ずれまくっております(^^);

第4話も、本当は前後編にするつもりなどなかったんですが、書きかけの記事を
下書きとしてアップしようとすると、無情にも「10000文字を超えています」と
いうメッセージが

この時点で、まだ半分くらいしか書いてなかったんですよ(^^);

カウントすると9427文字で「超えてないじゃん!」と叫んだんですが、聞いては
くれませんでした・・・画像を多く使うと、それだけタグが増えるので、その分文字数
が増えてしまうんですよね・・・改行を1文字として数えるんじゃなく、「br」タグとして
カウントすると4文字になってしまうから、多分これが原因かも。

まあ、今回と次回は特に重要な話だから良いでしょう(^^);
第6話以降は、画像の数をグッと絞って、3000文字くらいに収めるようにします。

ついでに・・・第4話後編から、唐突にカメラを変えました。

今まではPC画面を古い携帯カメラで撮影していましたが、今回からテレビ画面を
古いデジカメで撮影しています。どっちにしても「古い」ことに変わりはないので
そこまでの画質の向上は望めないかもしれません(^^); 3~4年前に、カード会社の
抽選で当たったものの、当時はちょうど別のデジカメを元妻が買ったばかりだった
ため、使い道がなくて押し入れにあった、パナソニック Lumix DMC-F7-K っていう
機種です。最高2メガピクセルです。今では携帯以下なのか

それにしても・・・なんですかね。夜中の4時に、テレビ画面の魔美の写真を撮る
なんて、かなり怪しいおぢさんと化してしまってますね(笑)。

ありゃりゃ、前置きだけで1000字以上に(^^);

(後編へ)

こっこさん

2006年08月29日 19時12分48秒 | 漫画(藤子以外)
こうの史代先生の作品群に、まったりと、はまっています。

先日ご紹介した「夕凪の街 桜の国」を嚆矢として、「ぴっぴら帳」「長い道
こっこさん」「さんさん録」と、こうの先生のご著作は新刊が出るたびに購入し、
読むたび、しみじみとした深い味わいに溜息をついています。

もっとも、最初は元妻がファンだった作家なので、単行本は妻が持って行きました。
いまは順次買い直し中で、一昨日「こっこさん」が、今朝は「長い道」が届きました。

「長い道」は、個人的に、妻との別れに密接にリンクしすぎているため、今でも読む
のが少し辛いです。だけど好きな作品です。これについては、語りたい気になったら
いずれ書きたいと思っています。

今回は「こっこさん」をご紹介します。

「こっこさん」は芳文社「まんがタイムジャンボ」にて、
1999年6月号~2001年1月号まで連載され、長らく
単行本化されていなかったようですが、昨年になって
宙(おおぞら)出版より発売されました。
こうの史代 著
こっこさん
宙出版
詳細

私はかつて、漫画を描いておりました。
絵を描くのなら、このブログに1つや2つ自作の絵を載せても良さそうなものなのに、
一切載せないのは、自分の絵にコンプレックスがあるからです。描いても描いても
うまくなれずに、もう何年も前に筆を折りました。いまでは全く描いていません。

当時、私が描いていた作品は、児童漫画、それも生活ギャグ漫画でした。
言うまでもなく、藤子・F先生の影響が多大にありました。

小学生たちの平凡な日常に、何か異分子が飛び込んできて、騒動を起こしたりする
という話で、F先生の確立した路線です。

しかし、どうしてもうまく描けなかったのです。何を描いてもF先生の手のひらから出る
ことが出来ない。変えようと思えば思うほど無様になっていきます。

当時描いていた作品を読み返すと、とにかく中途半端です。生活ギャグ路線を目指し
つつも、少女漫画的な雰囲気を取り入れたり、ボケ&ツッコミ路線のギャグを入れて
みたり、SF要素を入れてみたり、歴史をからめてみたり、いろいろと試行錯誤の跡は
あるんですが、とにかく駄目でした。

当時の自分には、おそらく右脳的感性が決定的に欠けていたんじゃないかと思います。
すべてを理詰めだけでとらえて描こうとする。だから少女漫画のようにフワフワとした
テイストを目指したところで中途半端、歴史を扱ったところで、人物の「心」にまでは
入り込めていない、ギャグはスベっている(笑)。まさに良いところなしでした。

「こっこさん」に出会ったとき、あの当時、自分が描きたかった作品は、まさしくこういう
作風だったんだなぁということを思い起こしました。

もっとも、思ったところで、当時の自分の技量で、こうの先生のような作品が描けたとは
とても思えませんが(^^);

「こっこさん」は児童漫画ではありませんが、れっきとした「生活ギャグ漫画」です。
ちょっと「ちびまる子ちゃん」的なテイストもあります。

1羽の凶暴で、かわいくないニワトリ(笑)「こっこさん」が、小学生やよいの家に住み
着いて巻き起こる様々な騒動・・・といっても、そんなに派手なことが起きたり、SF
だったりする訳ではありません。淡々とした日常の中に起こる、宇宙から見たら、
とてもちっぽけな騒動の数々・・・

やよい、はづきたち登場人物が、みんな心優しいのがまた良いです。
こっこさんが不始末しても、ぶーぶー言いながらも黙って掃除していたり、こっこさん
とケンカしても、なんだかんだ言いながらも心配していたり・・・

はづきは、年の離れた妹がいるせいか、やよいにはとても優しいお姉ちゃんです。
中学生にして人間ができてます。「こっこ走」の巻の1シーンを除いて(笑)。

自分にも年の離れた弟がおりますが、優しいお兄ちゃん・・・ではありませんでした(笑)
もう、タタミあさりの男版さながらに、毎日激しいバトルが繰り広げられておりました。
はづきの姿は、こんな兄でいられたらと思う、ある種の理想ですね。

「夕凪の街 桜の国」しかご存じない方には、ちょっとピンと来ないかもしれませんが、
こうの先生は基本的にはギャグ作家です。私は単行本になった作品しか読んで
おりませんが、4コマ雑誌等にこれまで多数の作品を発表されているようです。

しかし、こうの先生がギャグ作家にとどまらない器であることは「夕凪の街 桜の国」を
お読みになった方ならわかると思います。作風として、基本的にはギャグで落とすこと
は多いのですが、落ちる前の、叙情的な描写がたまらなく心を掴むのです。

「こっこさん」で言えば、前述の「こっこ走」の巻。わずか8ページの作品で、1ページ
まるごと、土手の階段に座り、とんぼが飛び交う中、こっこさんを心配するやよいの
姿が描かれています。単行本でいえば114ページです。

わずか8ページしかない連載で、1ページ使ってこういう描写をするなんて、普通なら
あり得ないことです。しかも、この前後に強烈なギャグがあるんですよ(笑)

これを確信犯的にやってしまう・・・それが、こうの先生の才能の恐ろしいところです。

はづきが一生懸命に水仙を描くシーン(63~65ページ)、はづきが、こっこさんを
大事な家族だと認めて、やよいと一緒に帰る後ろ姿(33ページ)、やよいの家から
帰るチクリンの決意を秘めた後ろ姿(123ページ)、どれも深い余韻を残してくれます。

このチクリンがまた良いキャラクターで、実は「長い道」にしっかりとリンクしています。

昨年、こうの先生の作品群を読んだときは、確かに感動はしましたし、面白いとも思い
ましたが、こういう細かい余韻までは味わうことが出来ませんでした。離婚してから
改めて読んで、初めて気が付いた良さもたくさんあります。自分を見つめ直したり、
あーやの歌に触れたりしているうちに、多少は硬直化していた右脳が活性化し始めて
くれたのかもしれません。

私は長く典型的な文系人間で、漫画のみならず、小説や詩、映画なども愛する人間の
はずだったんですが、長くIT業界で働くうち「心が理系化」してしまってた気がします。
プログラムソースと、にらめっこする毎日で、映画や漫画の余韻に浸る心のゆとりが
なくなってしまっていたのかなと、今では思っています。

ところがある日、こうの先生のプロフィールを拝見してびっくり。

・・・広島大学理学部中退・・・(ウィキペディアより)

・・・理学部。理系の総本山みたいな学部・・・それでいて、あれだけの感性

人間は「白か黒か」だけで理解出来るものではないんだなぁと、改めて感じました。
理系の皆さん、誤解していてごめんなさい

「Jupiter」の根強い人気

2006年08月29日 03時07分22秒 | 平原綾香
「24時間テレビ」での、あーやとイ・ヒアさんのコラボレーションの影響なのかは
わかりませんが、何気なく見た iTunes Music Store のトップソングで「Jupiter」
14位、Amazonでは「音楽」で90位、「J-POP」で36位になっていました。
もしかすると放送直後には、もう少し高かったのかもしれません。

私としては、あーやファンまで至っていない方々に「Jupiter以外にもたくさん
良い曲があるんだよ
」と言いたい立場ではあるんですが、もちろん「Jupiter」
が、これだけ長期間にわたり、根強く支持されているのは純粋に嬉しいことです。
ゆっくりと2年以上の時間をかけて、ミリオンを突破したのも素晴らしいことでした。

「Jupiter」の魅力は、もちろんホルストの原曲の素晴らしさに負うところも多いと
思うのですが、吉元由美さんの歌詞と、あーやの歌声がなければ「Jupiter」には
なりえなかったのです。まさに21世紀の名曲です。

彼女が、いかにこの曲を大切に歌っているかは、ヒアさんとの共演のみならず、
さまざまなライブやテレビで歌う映像を観ていても、ものすごく伝わってきます。
他の曲と比べても、緊張感をもっとも感じるのが「Jupiter」なんです。

「Jupiter」以外の曲、特に今後あーや自身が作る曲にも大いに期待していきたい
と思っていますが、それとは別に「Jupiter」は、今後もずっと歌い継がれていって
欲しいと願っています。

(おまけ)
iTMSでは、なぜか「サザエさん」が7位!こっ・・・これは・・・思わず購入(笑)

飲酒運転

2006年08月29日 01時30分48秒 | 近況雑記
先の記事でも触れましたが、少し旧聞に属する話題ではあるものの、福岡で
信じられないような痛ましい事故が起きてしまいました。

追突され車転落、3児死亡 福岡市職員を逮捕 (8/26 朝日新聞)

こんなことで、突然最愛の子どもを3人とも失わなければならないなんて・・・
ご両親の哀しさ、やりきれなさを考えると、胸が苦しくなります・・・
二人ともほぼ同世代、私だって似た年齢の子どもがいても不思議はないんです。
本当に・・・いたたまれません。

犯人が市の職員だとか、先程の報道ステーションではガードレールの強度が
どうこうと言っていましたが、そういう犯人の身分や施設的な不備で責任追及
することも重要かもしれませんけど、やはり飲酒運転に対する罰則をより強化
したりして、とにかく飲酒運転者をなくすことの方が最重要だと感じます。こんな
事故を起こす可能性があるのは、何も公務員だけではないんですからね。

実は私自身は運転免許を取っていない、たいへんな稀少動物(?)なんですが、
うちの会社の社員にはマイカー通勤者も多く、会社で飲み会などがある場合は
必ず電車やバスで通勤するようにと言っています。

私が小学生の頃、自分の父親が飲酒運転した車に乗って帰ったことがありました。
とにかく不安定で、車はヨロヨロ、ユラユラと走り、すごく怖かった記憶があります。
かなり前の話なので法律的には時効なんでしょうし、なんで飲酒運転してたのか
覚えてませんけど、お酒を飲んで運転すると、あんなにもフラフラになるものかと
子ども心にびっくりしたものです。

福岡の人間としては、オリンピックは福岡に招致して欲しかったんですが、一人の
愚かな職員のために、元々不利だったところ、ますます、それどころではなくなって
しまいましたね。絶対にこのような痛ましい事故が再び起きないように、指導を徹底
してもらいたいです。

ドライバーの皆様には、罰則がある、ないや、立場の高低ではなく、人間として
飲酒運転はしないように心がけて頂きたいと、一歩行者として願っております。

トラックバックについて

2006年08月29日 00時54分14秒 | このブログのこと
このブログを始めたばかりの頃は、トラックバックの意味等もあんまりわからず
まさに右往左往状態でしたが、20日近くもやってると、ようやく色々とわかって
きたような気がしています。

おかげさまで、ありがたいコメントや、トラックバックも頂けるようになりまして、
感無量でございます。私の駄文をお読み頂いた皆様には、どしどし各記事への
ご感想などのコメント、トラックバックをお送り頂けますと、私としても大変励みに
なりますので、どうかひとつ、よろしくお願いします。

トラックバックは、トラックバックして頂いたURLへアクセスさせては頂きますが、
基本的に、トラックバック元のブログ等へ、コメントを書いたりはしておりません
(書きたいことがあるときは書きますが)。コメントを頂いた場合は、必ずお返事
させて頂いておりますので、どうか気長にお待ちください。

しかし、たま~に新規投稿をした直後とかに、突然トラックバックを頂きまして、
あれあれとアクセスさせて頂きますと、裸のお姉ちゃんの画像がワンサカと
置かれたブログなどにたどり着いたりすることがあります。

ははぁ、これがいわゆる「トラックバックスパム」というやつかと思ったのですが、
こういうものは申し訳ないけど見つけ次第、片っ端から削除させて頂いております。

今のところ、そういうケースはありませんが、アダルトサイト等への宣伝コメントを
頂いたとしても、やはり削除させて頂きます。

ここで私が「やめてくれ」と書いたところで、やめてくれるはずがないことは、私も
10年近くこの世界でビジネスをやっていますから、よ~くわかっておりますので、
ウィルス駆除ソフトの設定よろしく、サイレントに削除させて頂いております。

どんな仕組みで行われてるのかわかりませんが、電話が誕生すれば迷惑電話
が、メールが誕生すればスパムが発生するのは世の常ですし、仕方ありません。
どれだけ技術が進歩しても、迷惑行為を、それが迷惑だと承知しつつも行う人が
現れる限り、人類そのものは進歩していないということなんでしょうね。私の住む
県内には、迷惑&危険行為につながる危険性をわかりつつ飲酒運転して、幼い
子ども3人もの命を奪った人間の屑な公務員がおりました。情けないことです。

しかし一時的にでも、私が削除するまでは、この「月あかりの予感」からリンクが
張られた格好になってしまっているわけですから、トラックバック先にアクセス
される皆様におかれましては、ご自身で十分にご注意頂きますよう、お願いします。
トラックバック元サイトの内容までは、当ブログでは責任を負いかねますので(^^);

たまに、私の書いた記事と全く関係なさそうな記事から、トラックバックを頂くこと
もありますが、これは基本的にそのままにさせて頂いております。アダルト系や、
カジノ系など、合法違法にかかわらず、単なる宣伝だと一目でわかるものは削除
しておりますが、判断に困るトラックバックがあることもまた事実なのです。

まあ人気ブログでもあるまいし、そんな心配は要らないと思うのですが、もし仮に
後から後からトラックバックスパム等が行われるような事態になってしまったら、
残念ながら、トラックバックを「承認制」に変更させて頂くことになると思います。

私としては、気軽にコメントでもトラックバックでも、ぜひお願いしたいところなので、
あんまりこういう制限はかけたくないのですが、最近ちょくちょく、アダルト系からの
トラックバックがあったりしますので・・・私としては、基本的に18歳未満の若い人
にも安心して楽しんで頂けるブログを目指したいと思っています。たまに、内容が
濃すぎて、別の意味でキケンなときもありますけどね(笑)

とりあえず、当ブログとしての方針を表明させて頂くことにしました。
皆様のご理解をよろしくお願いします。

サーティワン

2006年08月28日 23時50分22秒 | 近況雑記
某アイスクリームショップと同じ名前の年齢になってしまいました(^^);
ハハハハ(笑)

F先生の短編「ぼくの悪行」の主人公が、たしか31歳で、若い頃はおじさん
だなぁとか思って読んでましたが、自分がその年になってしまうとは・・・

30歳の頃は何かと最悪だったので、31歳は良いことがあれば良いなと。
ドカンとミニロトでも当たって欲しいなと(←ロト6ではないところが肝っ玉の小ささ)

元妻よ、おめでとうくらい言ってくれぃ(笑)

これで7記事目(^^);

2006年08月27日 22時39分26秒 | このブログのこと
今日はなんだか知らないけど、随分いっぱいアップしてしまいました。

このブログには似合わない、なんだか真面目な記事まで書いてしまったりして・・・
もう間もなく、波瀾万丈だった30歳ともお別れだからかな(謎)

えーと、中途半端に止まってる「エスパー魔美レビュー (4)」ですが、後編執筆中、
ちょっと行き詰まってしまっております(^^); 気分転換に他の記事を書き始めたら、
そっちに集中してしまいました(笑)

できるだけ早く書くつもりですが、今週は月末月初のため、ちょっと忙しくなるので、
更新頻度も落ちると思いますが、まあ長い目で見てやってくださいね(^^);

ピクサー「ころころアート・ボックス」

2006年08月27日 22時29分43秒 | 映画/テレビなど
Mr.インクレディブル」DVD購入特典の「ころころアート・ボックス」が到着。
うーん・・・子供だまし?(笑)

この作品は久しぶりに観ましたが、かなり楽しめました。劇場で観たときにも
笑ったんだけど、フロゾンのお調子者っぷりが(笑)

吹替の三浦友和さん、黒木瞳さん、宮迫さんが意外にマッチしていて良いです。
声優ネタでは往年の名声優が多数カメオ出演してるのも注目です。(吹替版も)

アイアン・ジャイアント」から注目していたブラッド・バード監督のピクサー第1作。
それまでのピクサー作品とは若干毛色が異なるものの、たっぷり115分、楽しませて
くれました。ピクサー作品に関しては、いずれまたレビューを書くつもりです。

カーズ」は・・・結局DVDで観ることになりそうな気配(T_T)

「ころころアート・ボックス」の写真をご紹介。それにしても画質が・・・(汗)
いま古い携帯カメラしかないので、近いうちにデジカメを何とかします(^^);
外箱上から見たところ
広げたところ「トイ・ストーリー2」
広げたところ「Mr.インクレディブル」

夕凪の街 桜の国

2006年08月27日 21時42分11秒 | 漫画(藤子以外)
先程、24時間テレビで、2004年9月に起きた、ロシアのベスラン学校占拠事件の
被害者の少女のことが取り上げられていました。死者350人以上、そのうち半数が
子どもという、あまりにも痛ましい事件です。事件の現場となった学校には、今も
生々しい当時の傷跡が残されていて、その場を被害者の少女(本人も九死に一生
を得た経験をしているばかりか、妹さんを亡くしています)とともに訪れた広末涼子
さんの、いたたまれないような苦しい気持ちが伝わってくるようでした。

チェチェンの独立も大切なんでしょうけど、これだけの無関係の子どもの命を犠牲
にしてまでやらなければならないことなのだろうかと、当地の状況など知る由もない、
極東の実質的に平和な島国の住民である私なんかは、ついつい考えてしまいます。
絶対に国際社会の理解などを得られるはずもないような蛮行が繰り返されることは、
「平和な未来」のはずの21世紀に入って6年目の現在に至っても、どうにもならない
ものなのでしょうか。どこかで負の連鎖に歯止めをかけられないものなのでしょうか。

今でこそ空爆を受けるおそれもなく、実質的には平和な社会である日本も、今から
61年前の 8月 6日と 8月 9日、世界で初めて使用された驚異的な核兵器によって、
2つの都市が壊滅的な打撃を受け、多くの子どもを含む市民が犠牲となりました。
ウィキペディアによれば、広島で1945年12月末までに14万人、長崎で7万人以上
が死亡したとされています。

核の使用はやむを得なかった。これがなければ戦争が終わらなかった。

核兵器を使用した側の国は、いつもそう言います。確かにそうなのかもしれません。
そうではないのかもしれません。しかし厳然としていることは、アメリカ合衆国による
原子爆弾の投下で、数十万人の日本の市民が犠牲になったという事実なのです。

こんな、あまりに固い内容は、このブログには似つかわしくないでしょうか(^^);
先程の24時間テレビを見て涙が出て、どうしても書きたくなってしまったんです。
それに今朝、こうの史代先生の「夕凪の街 桜の国」が届いたからでもあります。

この作品は初めて読んだわけではありません。元妻が購入したものを読みました。
もちろん彼女がこの本を持って行きましたので、今回は買い直したということです。

原爆に関しては、今は、また他の学校はどうなのかは知りませんが、私が通って
いた大阪の小学校では、当時いわゆる「原爆学習」を非常に熱心にやっていました。

小学校の修学旅行は広島、中学校は長崎と、どちらも原爆関連の施設がメインで、
小中学生当時の気持ちとしては、「もういいよ」と言いたくなるほど、原爆および戦争
についてはいろんなものを見させられましたし、調べさせられました。

原爆の惨状については、本当に大量の資料を見ました。原爆の被害を受けた建物、
被害者のケロイド状の肌、8:15の瞬間、そこにいた人が一瞬にして消えてなくなり、
その場に焼き付いたままのの影というものも見た記憶があります。授業であったり、
グループごとの自由学習であったり、さまざまな形で学習しました。

正直、二度と見たくないような、あまりにも恐ろしい写真や映像も相当に見ました。
旧日本軍により惨殺されたとされる、頭部が切断された遺体の写真もありました。
白黒ではありましたが、小学6年の自分にとって、あまりに惨たらしい、恐ろしい写真
で、それを小学生に見せるというのは、別の意味で良いのか?と思ってしまいます。
あれから20年近く経って考えてみれば、少しやりすぎのような気もします。

しかし、あれだけの残酷さを、これでもかというほど見せつけられたからこそ、今でも
戦争という愚行を憎む気持ち、忌み嫌う気持ちがかなり強く残っているのも、また
事実なのかもしれません。

そんなわけで、原爆の「表面上の恐ろしさ」は、こちらの身が痛くなるほどに調べて、
見て、聞いて、理解しているつもりでした。

しかし、原爆を落とされた地域に住む人々、実際に被害を受けた人々、身内が被害を
受けた人々の「心」の様までは、表面的な資料をなぞらえていても、到底理解の及ぶ
ところではありませんでしたし、正直、考えたことすらありませんでした。数字で14万人、
7万人と聞いたところで、心からその重みに気付くことの出来る人などいないと思います。

「重みに気付くことの出来る人などいない」ということを、改めて気付かせてくれた作品
が、この「夕凪の街 桜の国」だったのです。

同時に、漫画という媒体、しかもこれほどシンプルな線で、ここまでの表現が出来る
こと、こういうテーマの、こういう物語が、こういう組み立て方を出来るのだということ
をも気付かせてくれました。

この作品は、「夕凪の街」1話、「桜の国」2話の合計3話から成り立っている物語です。
原爆が落とされたときの様子、阿鼻叫喚の図というのは、「夕凪の街」に数カットしか
登場しません。それもシンプルにデフォルメされた線で抑制された表現としてのみです。

「夕凪の街」の物語は、原爆投下から10年経った広島からスタートします。

主人公の皆実は、原爆の被害を受けつつも、それまでは特に何事もなく、生活して
いました。恋の予感もあります。しかし家族を多く原爆で失っています。生き残った
自分は、「生き残ってしまったこと」への後ろめたさのような感情から、自分が幸せに
なることを拒んできたのです。

ところが、打越氏(恋人の名前)も同じように叔母を原爆で失っていることを知り、
彼と結ばれる決心のついた直後、突然眠っていたものが皆実に襲いかかるのです。

「そして それきり 力は抜けっぱなしだった」

この表現は、本当に目からウロコでした。
よほどの感性と才能がなければ、このシーン以降の悲劇の始まりとなる部分に、
こんな台詞を持ってくることは出来ません。正直びっくりしたのを覚えています。

続く「桜の国」第1話では、突然舞台が昭和62年に移り、よほど注意深く読まないと、
前の物語との関連に気が付かないどころか、原爆の物語であることすら忘れさせる
構成を取っています。第2話で、ようやく第1話の登場人物と「夕凪の街」の関連が
明らかになるのです。あまり詳しく書きませんので、ぜひお読み頂ければと思います。

この構成が非常に秀逸で、従来この種の作品ではあり得なかった「謎解き」の要素
までをも持っています。同時に原爆というものが、被爆地においてはどれほど根強い
影響を持つのか、広島のお墓には、8月6日から数日間が命日の人が多いのは何故
なのか等、ふだん平和に生きている我々、しかも広島でも長崎でもない地域に住む
人間には、なかなか意識できないようなことを、改めて思い起こさせてくれる作品です。
漫画表現としても一つの到達点に達したとも言えると思います。


第9回手塚治虫文化賞新生賞
第8回文化庁メディア芸術祭大賞

こうの史代 著
夕凪の街桜の国
双葉社
詳細

※映画化が決定したそうですが、私はこの作品を漫画だからこそ高く評価しています。
 漫画ならではの優れた表現であるが故の感動であると考えているからです。
 監督はじめ俳優の皆さんの手腕に掛かっていると思いますが、この作品の映画を
 決して「単なる原爆映画」にはしてしまわれないようにと祈っております。

「サライ」と「デザイン」

2006年08月27日 18時36分02秒 | 映画/テレビなど
昨夜の感動の「Jupiter」から、24時間テレビを何気なく掛けたままにしてあります。
ちゃんと見てるかどうかは別として・・・あまりに重いテーマも多いもので・・・

これまで、中川翔子さんって方は、あんまりよく知らなかったんですが、お父さん
(早世された歌手の中川勝彦さん)とのエピソードを何気なく見ていて、予期せず
ものすごく感動してしまいました。これもまさしく「絆」だなぁと感じました。
・・・だからといって、別に翔子さんのファンになったわけではありませんが(笑)

ところで、CMに入る前の曲・・・「サライ」の一節のアレンジだと思うんですが、
これ、ずっとどこかで聴いたことがある気がしてました。いや「サライ」として
聴いたことがあるという訳ではないんです。

どうやら、音楽座ミュージカル「とってもゴースト」の1曲に、なんとなく雰囲気が
似ているようです。名曲「デザイン」の「♪翼 広げればいい」のあたり・・・作品
全体でよくリフレインされる部分なんですが、ご存じの方、いかがでしょう?

もちろん全くの偶然でしょう。ちなみに「サライ」も「デザイン」も私の好きな曲です。

本郷みつるさんのブログ

2006年08月27日 15時59分03秒 | 藤子不二雄
パンポロリン!」さんで知ったのですが、「チンプイ」でCD(監督)を担当された
本郷みつるさんがブログ「本郷みつる通信」を始められたようです。

本郷さんは、このブログで次のように書いておられます。

 自分で検索してみるとネットでの本郷情報は適当なので比較的正確な作品歴を
 おいておこうと思いたち作業してみました。


・・・ごめんなさい。私も結構適当なことを書いてるかもしれません(^^);

実際のところ、私は「チンプイ」という作品を大好きになって、「演出」という仕事に
興味をもち、「チンプイ」や「エスパー魔美」での本郷さんの演出に注目してきたの
ですが、アニメ業界に身を置いていたわけでも、さほど詳しいわけでもありません。

それに本郷さんが関わられた多くの作品の中でも、私がどの話を本郷さんが演出
されたのかを完全に把握しているのは、「チンプイ」「エスパー魔美」「21エモン」
だけで、あとは「クレヨンしんちゃん」を少し知っている程度という・・・「キョロちゃん」
や「カスミン」は少し興味があったのですが、今に至るまで、断片的にしか観る機会
がありませんでした。(しかも本郷さんの演出回ではなかったし・・・)

近作で拝見したのは「DORAEMON THE MOVIE 25th ANNIVERSARY」くらいです(汗)

その程度で、本郷さんの演出が好きだなんて言ってたら、図々しいにも程があると
思うのですが、私はかなり偏ったアニメファンなので、本郷さんのことは、本当にごく
一部のことしか知らないというのが正直なところです。私は根本的に、「ロボット物」
「レース物」「戦闘物」「スポ根物」というジャンルの作品の面白さを、それほど理解
できていなくて、「IGPX」も・・・数本CSでざっと拝見した程度なんですが、どうしても
まず入り込めるジャンルではなくて・・・「ごめんなさい」という感じでした(^^);

私は「演出」という仕事を、絵コンテを描くとか物理的に目に見える作業ばかりでは
なく、「作品の空気を作る仕事」だと勝手に解釈しています。名監督の作品は、必ず
その監督特有の「空気感」があります。宮崎駿監督、高畑勲監督、J.ラセター監督、
原恵一監督、芝山努監督、そして・・・本郷みつる監督。

「チンプイ」や「エスパー魔美」での本郷さんの演出には、本郷さんならではの空気が
あって、それが当時ものすごく好きでした。いまDVDやCSで見直していても、やっぱり
好きだなぁと思ってしまいます。

実は「ドラえもん」がリニューアルしたとき、私は本郷さんに監督して欲しいと切望して
いました。ぜひ藤子アニメに帰ってきて欲しかったんです。今の楠葉総監督、善監督
の「ドラえもん」も決して嫌いではないし、周囲の歪んだ宣伝戦略さえなければ、作品
の出来そのものは非常に良いと思っていますが、やっぱり本郷さんの「ドラえもん」も
観たかったなぁという気持ちがあって、各話演出や劇場版であれば、今後いくらでも
機会はあると思いますので、そのときが来るのを楽しみに待っています。

さらに、原恵一さんは「オトナ帝国」などで大注目を浴びて、本やインタビューも多数
ありますが、本郷さんに関してはそういうものが多くはなく、謎のベールに包まれた
存在であったことも事実です。ご本人が、こうしてブログで情報を発信してくれるという
のは、作品を研究している立場としては、たいへん有り難いことだと思います。いずれ、
ぜひ「チンプイ」に関する思い出や裏話も語って頂けたらなぁ・・・と楽しみにしています。

ドラえもん 体感タケコプター

2006年08月27日 14時54分23秒 | 藤子不二雄
エポック社、「ドラえもん 体感タケコプター」を9月30日に発売 (MYCOMジャーナル)

なんだか楽しそうなものが発売されるようです(^^)

ドラえもんのひみつ道具って、実質的には実現している機能もあったりしますが
(もちろんプライバシーとか人の脳に作用するようなアブないものは、倫理的に
無理でしょうけど)、タケコプターなんかは、もしやろうとしたら、ものすごい巨大な
ミニヘリコプターみたいになったりして、あんなサイズのものは、到底不可能だと
思っていたら、こういうアプローチで来るとは!

今回のゲームそのものは、見た感じ、たいしたことなさそうですが(笑)、この仕組み
を応用すれば、どんどんドラえもん世界に近づくことも出来るような気がします。
タケコプターで、のび太たちのいる空き地に、ふわ~っと着地するとか、そんなこと
ができたら、ちょっと楽しそうな気がします。

エポック社のおもちゃは小さい頃からよく遊んでいましたが、くうき砲といい、こんな
遊びのセンスは好きですね。そっくりそのままの機能を再現することにこだわって、
いろんな制約に縛られるよりも、たいしたことは出来なくても、子どもが楽しめるもの
を今後も発売して欲しいです。ドラえもんのひみつ道具って、どこかおもちゃ的感覚
があって、それがまた魅力なんだと思いますからね。

以前出た「空とぶドラえもん」ってのも、面白そうには見えましたが、やっぱり現在の
技術で、タケコプターの形状のもので人や物が空を飛ぶ、という機能そのものに無理
があるような気がします。反重力場の開発が先ですね(笑)


ドラえもん
R/C 空とぶドラえもん

大陽工業
ドラえもん
ひみつ道具
くうき砲

エポック社
ドラえもん
体感タケコプター!
~空とぶ大冒険~

エポック社

Twitter