月あかりの予感

藤子不二雄、ミュージカル、平原綾香・・・好きなこと、好きなものを気の向くままに綴ります

二人の若き音楽家に乾杯

2006年08月26日 22時12分05秒 | 平原綾香
24時間テレビで放送された、あーやと韓国のピアニスト、イ・ヒアさんの夢の共演
ですが、本当に素晴らしいコラボレーションでした。

ヒアさんは先天性四肢障害により、生まれつき両手に指が2本ずつしかありません。
指に力がないためスプーンさえ持てず、ヒアさんのお母さんは心配して、彼女の指に
力を付けさせるため、ピアノを習わせたのです。これだけのハンディを持っている彼女
にとって、それは決して平坦な道であるはずがありません。しかし彼女のお母さんは、
ピアノさえ弾ければ、この子は一人でも生きていけるという強い信念をもって、
心を鬼にして彼女をピアノに向かわせたといいます。

楽器を演奏出来ない自分から見れば、指が5本あっても、ピアノを弾くなんてことは
どれほど難しいことかと思います。さらに、ピアノは5本の指があることを前提として
作られているんですから、2本の指で、5本の指でも難しい曲を見事に演奏する姿は、
それがいかに大変な努力が根底にあってのものかと思うと、心が震えるのを感じます。

「Jupiter」では、どうしても演奏の難しい箇所があり、たった1回の二人での練習では
うまく演奏出来ないままだったといいます。今夜のコラボレーションは、私も本当に祈る
ような思いで画面を見つめていました。

演奏は大成功でした。武道館に二人の素晴らしいハーモニーが響き渡りました。
ときどき、ヒアさんのお母さんが涙を溜めながら目を閉じて聴いている姿が映ります。
見ているこちらまで、なんだか胸がいっぱいになりました。

国境を越えて、そしてハンディを乗り越えて、若き音楽家二人のコラボレーションは、
素晴らしい感動をくれました。明日生きる勇気までをも与えてくれたような気がします。
あーやと、そしてヒアさんの、今後の益々のご活躍を祈らずにはいられません。

本当に素晴らしいステージをありがとうございました

本日24時間テレビ

2006年08月26日 19時17分34秒 | 平原綾香
我らがあーやと、韓国のピアニスト、イ・ヒアさんのコラボレーションによる夢の
「Jupiter」共演が、いよいよ今夜本番です!! 20:00~21:15頃の放送だそうです。

まだ番組の予告で見た限りですが、あれほどのハンディを持ちながら、見事に
ピアノを演奏されるヒアさんを見ると、心から尊敬してしまいます。離婚くらいで
へこたれてる自分など、本当にまだまだだなと反省しきりです。

お二人とも、心から応援していますので、どうか頑張ってください
チャリティ着うた「Voyagers/心」もダウンロードさせて頂きました♪

「チンプイ」作画研究 (1)

2006年08月26日 05時42分17秒 | 藤子不二雄
私は中学時代に「チンプイ」を観て、初めて「作画監督」という仕事を意識するようになりました。

絵のタッチというのは、どれだけそっくりに描いても、描く人によって微妙に異なるものです。作画監督というのは、各アニメーターが描いた原画を修正し、絵柄の統一を図る仕事です。

テレビシリーズでは、特にキャラクターの顔の絵柄の統一を図るのが重要です。その回のアニメ本編中でタッチが異なってしまっては、見る人に違和感を与えてしまうためです。

しかし、テレビシリーズでは、ごく一部の例外を除き、1人で毎週の原画をチェックするというのは物理的に困難です。そのため作画監督は複数いることが普通です。

そこにマニア心をくすぐる、作画監督による個性の違いを見つけるという楽しみが生まれるのです(^^);

この連載(?)では、「チンプイ」の各作画監督にスポットを当て、作画の特徴などについて不定期に語っていきたいと思っています。実はこの企画って、「チンプイ」のファンサイトを作ったら絶対にやりたいと、前々から思ってました(^^);

まず第1回は「チンプイ」の作画監督で中心的な役割を務められたお三方の、ごく初期の絵柄をご紹介します。基本的にメインキャラクター3人(チンプイ、エリ、内木)の画像を中心にご紹介します。

(1) 富永貞義さん (初期)
#1a「エリさま、おめでとう」より (C) 藤子プロ/シンエイ動画

富永さんは「チンプイ」の総作画監督を務めています。オープニング、エンディングの作画監督も氏のご担当です。富永さんは、映画「ドラえもん」の作画監督を長年務めてこられたベテランアニメーターで、「パーマン」「エスパー魔美」などの作品でもキャラクターデザインや総作画監督などの要職を歴任されました。

「チンプイ」では、放送開始直後に 5本担当された後、ちょうど映画「ドラえもん」の作画監督作業に入られて、翌年 #26a 等を数本担当された後も、再び翌年の映画「ドラえもん」に入られてしまいました。そのため、合計わずか9本のご担当でした。

放送第1回のAパート「エリさま、おめでとう」は、富永さんのご担当です。本郷みつるさんの演出で、富永さんの作監というパターンは非常に珍しく、そういう意味でも貴重なのですが、さすが大ベテランの富永さん。非常に安定した作画です。

というよりも「チンプイ」の全ての作画作業は、この富永さんのデザインがベースとなっています。(もちろん、その中で若手作画監督の個性が、素晴らしく発揮されていくのですが、次項で取り上げるお二人の作画を見ても、初期はかなり富永さんの絵柄を意識している様子が窺えます)

一般的に、富永さんがテレビシリーズで作画監督を務められる場合は、ご自身が主宰されるトミプロダクションが原動画を担当するのですが、今回は初回のためか、シンエイ動画が原動画を担当しており、逆に、堤さんが作画監督を務めたBパートの原動画をトミプロが担当しているようです。

上の画像に内木くんがいないのは、この回には登場していないためです。


(2) 堤 規至さん (初期)
#1b「おもちゃもラーメンを食べる」より (C) 藤子プロ/シンエイ動画

堤さんはシンエイ動画に所属するアニメーターです。富永さんと共同で「チンプイ」の総作画監督を務めていますが、富永さんは映画「ドラえもん」の作画監督も兼任されているため多忙で、実質的に「チンプイ」の作画監督では中心的な役割を担うことになりました。氏は「エスパー魔美」でも富永さんと共同で総作画監督を務めておられ、映画「エスパー魔美 星空のダンシングドール」の作画監督も務めました。

「チンプイ」の後、「21エモン」の作画監督を経て、「クレヨンしんちゃん」等を担当。数年前からはCGIクリエイターに転向、シンエイ動画デジタル班で映画「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」などのデジタル合成やCGIを主に担当されています。

「チンプイ」は全56回+SP1回で、合計114本ありますが、そのうちなんと53本もの作画監督を担当されました。堤さんの作画は、目にする機会は多かったんですが、実際に本数を数えてみてこれほどまで多かったとは、ちょっとビックリしました(^^);

放送第1回のBパート「おもちゃもラーメンを食べる」は、堤さんのご担当なんですが、後期の、すごく生き生きした表情の作画に慣れていると、この頃はまだ少し固いというか、慣れてないというか、富永さんを意識しているというか、そういう雰囲気が少し残っているように感じました。氏はこの後、メキメキと頭角を現していきます。

次回、#15前後の堤さんの作画を取り上げる予定です。


(3) 高倉佳彦さん (初期)
#2a「エリさま、花のように」より (C) 藤子プロ/シンエイ動画

高倉さんは、当時じゃんぐるじむに所属するアニメーターでした。「チンプイ」が開始する年の3月に公開された映画「ドラミちゃん ミニドラSOS!!!」で、作画監督を担当されています。それ以前から「エスパー魔美」の作画監督で注目されていました。高倉さんは、たいへん生き生きとした作画が特徴です。

「チンプイ」CDの本郷みつるさんとは、「エスパー魔美」の時点では、あまり組んで仕事されることはなかったみたいですが、映画「チンプイ エリさま活動大写真」で、それぞれ監督と作画監督を担当されてからは意気投合したらしく、「チンプイ」と、後の「21エモン」では本郷演出、高倉作監というパターンが急激に増えていきます。

後に、亜細亜堂を退社した本郷さん、同じく亜細亜堂出身で、後期の「チンプイ」で数本の作画監督を担当する西村博之さん、じゃんぐるじむを退社した高倉さんの3人で、フリー集団「めがてんスタジオ」を結成し、それぞれご活躍されています。3人の出会いのきっかけが「チンプイ」だったとすれば、なんだか嬉しいです(^^) ぜひこのメンバーで、また何か藤子アニメを作って欲しいなと願っています。

放送第2回のAパート「エリさま、花のように」は、高倉さんのご担当なんですが、堤さんと同様に、まだあまり作画がこなれていません。でも上の画像のチンプイは、どこか違う顔なんだけど、なんだか可愛いですね(笑)

「チンプイ」放送開始(11月)の、翌年3月に公開された映画「チンプイ」で作画監督を務めています。本来なら総作画監督の堤さんが担当するところだと思われますが、富永さんが映画「ドラえもん」に入られて、堤さんはテレビシリーズの方の作業に専念する必要があったのだと思います。放送開始が11月で、翌年3月の映画ですから、放送開始の時点で既に映画化は決まっていたのでしょう。ものすごいタイトなスケジュールだと思いますが、おそらく前年の映画「ドラミちゃん」の実績も買われ、高倉さんが担当することになったのだと思います。映画「チンプイ」の時点では、この #2a の頃と随分絵柄が異なっていて、初期に4本担当された後、映画の作業に入られますが、この驚くべき短期間で独自タッチを確立されたんだと思います。テレビシリーズ5本目は映画が終わった後、5月の放送回 #21a でした。合計15本でテレビシリーズの作画監督を担当されています。


次回は、IGタツノコの川崎逸朗さん、亜細亜堂の生野裕子さんと、中期(#15前後)の堤さんの作画を取り上げたいと思います。月に3~4回、不定期に更新します。

つづく

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