ときわかねなりさんがテルミンにエフェクタをつなげた話しをブログの記事にされている(ブログ「theremin物欲oddysey」の当該記事はこちら)
エフェクタを使う事によるマイナス点はさすがによく見通しておられる。たとえば、
>コンプや歪み系エフェクターは、音量コントロールが効きにくくなる・・・・
などであるが、基本的な結論としてエフェクタ使用を積極的に勧める内容の記事となっている。
ときわさんのご意見と同様、私自身もイーサウェーブテルミン(Etherwave Theremin)の素の音色そのものに、満足しているわけではない。さらには、エフェクタによる音色調整にも興味があるし、ライブでも無伴奏の曲のときに空間系エフェクトを使ったこともある。
しかし、私はテルミン練習者への一般論としてはやみくもなエフェクタ利用には警鐘を鳴らしたい。
前提は「練習者」というところと「一般論」というところである。
なぜか。
それは、音量変化のこともさることながら、練習者にとっては、「気持ちよくて」、「うまくなった気に」なってしまうことのマイナスを感じるからというのが、その理由である。
私は初めてテルミンを手にしたとき、アンプ(付スピーカー)を持っておらず、テルミンの出力をAV用アンプ(安物の5.1Chサラウンドアンプ)に繋いで鳴らしていた。そのときの音はなかなかに気持ちのいいものであった。なぜかというと部屋全体から響いてくる音が空間系エフェクターを使っているかのような効果をもたらしていたものと思う。
その後しばらくして、製造中止からしばらく経過したYAMAHAのMS60Sを購入し、テルミンの練習に使いはじめたところ、あまりの直接音に自らの技量のなさがくっきりと現れ(自分の出している音そのものをまさしくモニターされ)、随分下手になったような気がしたものだ。
Etherwave Pro が音色変更を可能にする機能を持っていることはとても使い勝手のいいものだと思う。演奏者が自らの好みや曲想に応じた音色を求めたり、ライブや録音時にある種のエフェクターを効果的に使用したりすることに反対するものではない。
あくまでも練習者にとってのエフェクター使用に「ちょっと注意が必要」という感覚である。
私は、まだ、今のところ、自身の技量を高めることにより、素のままのテルミンからよりよい音色が出せるようななることを信じている。音色を自らの身体や手や指から作り出せるものと、しばらくは、信じていきたい。
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