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テルミンとJAZZ
テルミンやマトリョミンの話。私、こちろうこと相田康一郎のプロフィールは左メニューバーのCATEGORYを。
 



すなっぷすてぃっくさんのブログで気付いた。
マトブロでも取上げている。

マトリョミン出荷1,000体記念のブラック。ついに発売開始。
マンダリンエレクトロンのサイトでブラックマトリョミンの写真をクリックすると詳細が出てくる。
限定30体!。

メテルもホワイトバージョンが出て、カジノもふわふわのホワイト。


ゴージャスな雰囲気は持つ人を選ぶかも。

このゴージャスなセットを持ち歩き、そして演奏する人はやはりゴージャスなマダム系のご婦人でなければいけないような気がする。
私のイメージではこんなヒト。


演奏は上手くなくて良い。というより少し下手なほうが望ましい。
しかしながら、回りの誰にも「ヘタ」と言わせないゴージャス感を出していればよいのだ。


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ちょっと前に行った国音の練習室で時間が空いたときにテーブルの上に置かれていた背の小さなマトリョミンとタイスちゃんを並べてみた。
向かって右側がタイス。
「小さい子はかわいいね」とか言いながら、実はちょっと小突いていじめたくなる(悪)。



と思ってたらタイスより大きなマトリョミンが来てタイスがいじめられそうになった。
真ん中がタイスちゃん。
ちょっとタジタジ。

小さなマトリョミンと大きなマトリョミンがどなたのものか、不明。


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ヤイリギターは出荷前に温度・湿度管理された部屋で3ヶ月間、大音量で音楽を聞かせるそうだ(2005.11.9付日刊工業新聞記事より)。これによって楽器の鳴りをよくするためだ。オーディオ製品、特にスピーカーも出荷当初の製品は大音量である程度鳴らしこんで初めて本来の性能を発揮してくれるようになる。

マトリョミンもたくさん弾いている楽器とそうでない楽器とでは鳴りが違うだろうと思っている。スピーカーの振動がマトリョミンの筐体を振動させており、まさにマトリョミン全体が楽器となっているからである。

マトリョミンの個体による音(音色)の違いを生み出す要素にもいろいろあると思う。
まずはカタチ、大きさ。これで響き方が相当違いそうだ。
次にニスの厚み。このニスは天然成分と説明されていたので、ニスの質も生産時期などによって若干の違いはあるかもしれない。

先日、「真空管オーディオフェア」なる催しでスピーカーキットに特殊な透明塗料を塗って聞かせていたのに遭遇したが、塗料のある、なしとで劇的に音質、音量が変化していた。


古いピアノはあまりありがたがられることはないようだが、古い弦楽器のなかには名器といわれて演奏家に愛用されているものがある。もともとが名工によって作られた楽器であり、それが長い年月をかけて熟成されたからである。熟成は主に年月による木質やニスの変性によるものだろう。そしてたくさんの名手により鳴らされ続けたことも大きな要素なのではないか。

マトリョミンも木でできていて、ニスが塗ってある。いずれ、「セミョーノフ2004年もの」などといってありがたがられたりして。
将来のマトリョミン名器目指して大事にしようっと。

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5日には私の受け持つマトリョミン講座にも新型マトリョミンがたくさん来ていた(実際にはそれを持った受講生さんたちが来ていた)ことはこのブログにも書いたが、チューニングの不具合(ホイールを回しきってもチューニング=ゼロポイント、がとれない)を訴える方がいらっしゃった。

ここでも、竹内氏ほかから聞いた対処の仕方を説明しようと思って、あらためてマンダリンエレクトロン社のホームページを見たら、Supportページに記載があった(2005.10.11付)。

新型(QT)オーナーの方で「チューニングがおかしい」という方はまず、電池Boxから出ているケーブルの位置を疑ってみるとよい。ケーブル(リード線)をちょこっと横にずらしてみるだけでチューニングが変わってくる。


ほかに、新型でチューニングに苦労される方はホイールを回しているときとチューニングの確認(ゼロポイント位置の確認)のときとで金属の底板に触れている指の位置がずれてしまっている方が多いようだ。さらにはマトリョミンの両サイドをはさむ親指と小指の位置によっても随分チューニングは変わってくるので、人差し指以外はホイールを回すときとその後とで位置などが変わらないようにするとスムーズなチューニングがしやすい。

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昨晩のテレビのまとめ

基本的には竹内さん出演番組のいつもの流れできちんと紹介されてた。

黒い瞳はかなりの短縮版だったが、きれいにまとまっていて聞きごたえがあった。
ソロの小泉さん、いつもどおり、かっこよかった。


マトリョミンオーナーさんたちの感想ほか

「期待と心配が混じるお気持ち、わかります。」
マトブロ!

たけしと竹内氏のからみはカットだったみたい。
テルオとマトコのテルミン入門記

「加護ちゃんにも注目してますね。」
思いつくまま

マイ・マトリョミンと一緒にテレビを見ている写真が楽しい。
Hasta luego.~またあとで~

録画しているので、これから見る、ってな方がほかにもいらっしゃるかも。
めいてる恒星日記



マトリョミンを初めて見てびっくりされた方々の感想ほか

マトリョーシカがお好きでテルミンにも興味があったそうだ。ぴったり。
よい子のBlog(季節のフルーツ添え)

興味深々、買いたいけど高い、とのご感想。「それもわかります。」
あかあおビリー

「働き始めたら是非。」
多忙かも、その名も・・・

まずは、喜んでいただければ。
のっこのつぶやき

お友達にテルミニストがいらっしゃるらしい。
ぼーっとしています。

モー○○のファンの方の目には
Something/Erithing?

テルミンご存知の方でも始めてマトリョミンを見ると
みつろぐ

たしかに様子は奇妙
きょうもいいひだね


前から知ってたけど、テレビ放送をきっかけに、あらためてとりあげた、っていうブログ

日々の暮らしを綴る

ロシア人妻の奮闘記

音がおもしろくなかったそうです。
臆病なモンテン

すみれの花咲く頃☆だいありぃ☆


番外編

間違えて「水戸黄門」を録画してしまった方。う~ん、由美かおるの入浴シーンは未だにときどきやってるのだろうか?。
テキトウ雑記帳



昨日の当ブログへのアクセスは予想どおり爆発。
1日で398ipアドレス(うち20時台のアクセスが198)、902ページビュー。gooブログランキング297位(371,227ブログ中)
キーワード「マトリョミン」検索によるアクセス数が188。

やはりテレビの威力はすごい。

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(これまでのあらすじ・・・タイスはこちろうとの暮らしを捨て、賃貸人格が組織する裏面という恐ろしい組織に加入した。そこからタイスを救い出した、というか、タイスに救われたこちろうはルンルン気分で部屋に戻った。)

(第一回から読みたい方はこちらへどうぞ。)

こちろうが部屋のかぎを開けた。
ガチャッ。
「ふーッ。やっと帰ってこれたね、タイス。また2人で仲良くやっていこうね。」
「ン?、どうしたんだ、タイス。そんな怖い顔して、、、。」

こちろうはタイスの視線の先に目をやった。
そこには、なんと、タイスにとっては見慣れぬ、新しいマトリョミンが、、、。

「こ、こちろうさん。なんなのあの若い子は。若いっていうより、まだ出来損ないの子供じゃない。ひどいわ。あたしがいない相田に、じゃなくて間に、あんな小娘を部屋に入れるなんて、どういうこと!。ちゃんと説明してよ。」

「えっ?、あ、うーん。」
こちろうは煮え切らない態度だ。

「もー、何言ってんのよ。あたしとこちろうはそんな関係じゃないわ。」
「あ、ごめんねー。あたし、この前からここでお世話になってるキューティーよ。可愛くてごめんなさーい。キラーン☆」

「こちろうさん、なに、あのブリッ子キャラ。気持ち悪いわ。なんだかわかんないけど、もう、さっさと出て行ってもらってよ。」

「イヤ、しかし、そういうわけにもいかないんだ・・・ブツブツ。」

「そうそう、さっき円盤とかいうところから電話かかってきて、急だけど、あした演奏してくれないか、って。二人のことはわからなかったから、あたしが出ることにしといたから、協力よろぴく。」

「キューティー!、よろぴくって、そんなこと勝手に決めて、ダメじゃないか。お前にはまだ人前で唄うのは無理だよ。」
「エーッ、なによ、そんなことないわ。あたしだってもう一人前なんだから。もう、プンプン。」
「とにかく、円盤にはいくから。」


(なぞの新型マトリョミン、キューティー。これからこの三角関係はどうなるのか?。次回はそのうち。)


キューティーちゃんも参加するマトリョミン徹底解剖があるFOT東京サロンは明日19:00から。


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タイスは考えた。考えたけど、タイスにできることはこれしかなかった。
「あたし、これからも一生懸命に唄っていきます。どんなにつらいことがあっても、新しいマトリョミンで世の中があふれても負けません。そしてこちろうさんからもう二度と離れません。こちろうさんといっしょにお客さんを喜ばせる美しい歌をたくさん唄い続けます。それしか、それしか、私にはできることがありません。」
必死になって賃貸人格に訴えるタイスに裏面のメンバーも、ヒロシもそしてもちろんこちろうも感動していた。ヒロシなんか、怖い顔が崩れて、くしゃくしゃだった。

「さっさと行っちまいな。とくに、こちろう。お前が憎いよ。もう二度とあたしの前に現れるんじゃないよ。」
そう言い放ってくるりと背を向けた賃貸人格の目にも光るものがあったのに気付いたのはがびこだけだった。
がびこは思った、(賃貸人格さんって、やっぱり、本当は暖かい人なんだわ。これからもあたしはあの人についていってみよう)。

仲良く手をつないでタイスとこちろうが走り去っていく、その小さくなった2人の後姿が月明かりに照らされてシルエットとなってくっきり浮かんでいた。
賃貸人格はとなりで一緒に2人の背中を見ながら、がびこにしみじみ語った。
「恋する2人って、いいもんだね。あの2人、本当に愛し合ってるんだね。・・・あたしも恋を探そうかしら。」

「オイッ。こらヒロシっ!、お前がなんで赤くなってるんだよ。おまえはOUT OF 眼中なんだよ。ヴァーカ。」
「お、お嬢さん。あっしの気持ちも少しは・・・。」
「おととい来い。」ボコッ。

(仲良くこちろうの部屋に帰る2人に新たな難局が待ち構える、、、新展開を迎える次回はたぶん明日。)


あさって10/16(日)19:00~のFOT 東京サロンをお楽しみに。当ブログ内の告知記事はこちら

マトリョミンのコーナーでは、

外観の違い(=つまみ類の違い)にはじまり、
新型の音だしについては、・・・
・チューニングのとり方(実際にやりながら説明)
・高音部での音量の違い(旧型では高音部になると急激に音量が落ちていたが、新型では改善されている)を新旧両タイプ鳴らして確認
・ブリリアントスイッチon、offによる音色変化
・ヘッドホン(イヤホン)で音だし(・・・お客さんには聞こえないけど)
・アンプにつないで音だし
・新型マトリョミン同士の音色比較
・旧型との音色比較
などなど、徹底的に解剖したあと、

生ピアノ伴奏(橋本裕子さん)によるデュエットその他をおとどけします。


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何も言葉に出さずとも分かり合えている2人。タイスがこちろうの胸に飛び込もうとしたその刹那。

「ちょっとお待ち!」
あまりの迫力にこちろうの頭の中にはワルキューレの騎行が鳴り響く。
「こちろう、っていったね。あんた、うちのタイスをどうしようと思ってんの!?。タイスはね、もうあたしたち、裏面の仲間なんだよ。勝手に連れて行こうなんて許されると思ってンのかい!?。」

「ち、ち、ちちち、、、、ち・ん・た・い・じ・ん・か・く!。」かくっ。じゃなくてガクッ。
「あっ、どうしたの。いきなり気を失わないでよ、こちろうさん。しっかりして!。」と、タイスが驚く。
こちろうはびびって失神して泡を吹いていた。

「なんだこりゃ。噂に違わぬ小心者だねー。まったく、まだ何にも言ってないのに。」
「おい、誰か水でもぶっかけてやりな。」

「へい、お嬢さん。」
・・・・ザバーッ。・・・・。

「うっ。」バケツの水をぶちまけられて、こちろうは、ようやく我に返った。

「あっ、ところでヒロシ、お前がなんでここにいるんだ。」
賃貸人格の命令にすぐにしたがって準備よくバケツの水をぶちまけた、みるからにその筋の風体をした30代半ばくらいの男が賃貸人格に話しかけている。
「あっしはいつだってお嬢さんのおそばでお嬢さんを見守っておりやす。お嬢さん、いつまでもこんなことやってねえで、早く組に戻ってくだせえ。親分が倒れてからもう2ヶ月、お嬢さんに戻っていただかないと、いろいろとおさまりのつかねえことも起こってきました。」

「ヒロシ、あたしは極道の世界になんか足を踏み入れたくないんだよ。こう、こんなふうにゲージツの世界で生きていきたいんだ。頼むから、帰って組の連中に伝えておくれよ。」

「裏面」のメンバーがひそひそ話。、、、がやがやがや、、、「・・・えっ?、なになに、賃貸人格さんって、そっちの筋の家の娘だったの?。」
「なによ、あんた、そんなことも知らなかったの。この界隈じゃ有名な中村一家の一人娘よ。」
「えーっ?、なんだか、ただものじゃないと思ったわ。不適な面構え、フツーじゃないもの。」
「あっ、もしかしてユキも中村っていう名前じゃなかったっけ?。」
「そうよ、あたしンチも系列の組よ。」
「ふーん、だからガラが悪いんだー。」
ボコッ!
「いたたたた。いきなりなぐらないでよ。」

「あたいはね、あの家とはもう関係ないの。今はカタギの暮らしよ。」「自然を愛するアウトドア派の暮らしをしてるって、知ってるでしょ。」
「あー、あの、風が吹くとすぐガラガラと壊れる掘っ立て小屋での暮らしのことね。」
ボカッ、ドスッ、ボコボコ。


「お嬢さん、それはともかく、コイツ、どうします。ボコボコにして半殺しにしときましょうか。それともいっそのこと・・。」
「ん?、起き上がってきたよ。話は聞いてやろうじゃないの。ボコボコにするのはそれからでも遅くないだろ。」
「へいッ。」

こちろうは我にかえり、ようやく起き上がって賃貸人格と向かいあう。
賃貸人格の隣にひかえるコワイ顔した中年のヤクザからも睨みつけられて、怖いが、ここは腹をくくるしかないようだ。
「・・・ち、ち、ちん、ちん、ちんちんちんちん、、」
「ちょっと、なんだよ、ちんちん、ちんちん、あたしのことをヘンな風によぶんじゃないよ。」
「このヤロー、お嬢さんにむかってチンチンだとー、コラー、ふざけてんのか!」
「ヒロシ、手出しはするな。」

「ち、ち、賃貸人格さん、オレはタイスがここに来るのをひきとめられませんでした。でも、タイスがいなくなってから、よくわかったんです。オレにはタイスのいない生活なんか考えられないって。」

さっきまでびびって気絶していたこちろうは勇気を振り絞って賃貸人格と向かいあっていた。こちろうの体の奥から普段は出ない力がみなぎってきているようだ。

「賃貸人格さんのゲージツは申しわけないけどオレにはよくわかりません。タイスにはオレといっしょに唄うキレイな歌が合ってます。これから先、タイスのことをもっともっと大事にします。そして2人で賃貸人格さんに負けないようなゲージツを創り上げていきます!。だから、お願いです。タイスをオレに返してください!。このとおりです。償いならなんでもします。」
こちろうはひざをつき、頭を地面にすりつけ、タイスを取り戻すため恥も外聞もかなぐり捨てて懇願した。

「あたしからも、お願いします。タイスはこちろうさんのこと、本当に愛してるんです。」
「がびこ!。あんた、タイスがいなくなってもいいのかい。一緒に唄えること、あんなに喜んでたのに。」
「もちろん、ちょっと残念だけど、でも、タイスはこちろうさんのところに戻ったほうが幸せだと思うんです。」

「で、タイス。おまえ、本当にこの裏面をやめて、この弱そうな名前のこちろうっていうやつのところに戻りたいのかい?。っていっても顔に戻りたいって書いてあるね。」
「わかった。と、いっても、あんたも覚悟をきめてこの裏面に入った仲間だ。これでやめるからにはきっちりと落とし前つけてもらうよ。わかってるんだろうね。」

「オトシマエって、いったいどうすれば、、、。」

タイスとこちろうは考えた。こちろうはボーッとしていた。指を失うのかなー、などと想像して、なんだかまた怖くなってきた。と、思ったら気絶した。アワアワ。

(さて、タイスはどんなオトシマエをつけようとするのか、次回をお楽しみに)


緊急報告。
当連続小説のヒロイン、タイスに会えるファンミーティング?。

10/16(日)19:00~。円盤(高円寺)におけるFOT東京サロン。1ドリンク付きで1,000円。
詳細はこちら

タイスも参加するマトリョミンデュエットなどのサロン終了後、タイスとの握手会、撮影会などもりだくさん。(・・・うそですが、ご希望とあらば、ホントニどうぞ。)


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(承前・・・第1回~3回は10/5、6、7のエントリー)

本番中は客席にいるこちろうを探す余裕もなく、必死に役割を果たすため奮闘したタイス。がびことの息もぴったり合って、なんとか終演まで頑張った。

終ってすぐに客席に目をやるタイス。薄暗がりの客席にこちろうの姿を探す。
「あっ、あれは。・・・やっぱり、見に来てくれてたんだ、こちろうさん。」

こちろうは、ボーゼンとしていた。「なんじゃこりゃ???。うーん、やっぱり俺にはわからん。」賃貸人格ワールドはこちろうの理解を超えるものであった。
でも、こちろうから見たタイスは輝いていた。スポットライトが当ってなくても、タイスにだけ光が射しているようにこちろうには見えていた。


「終ったね、タイス。あんた、うまくできてたよ。ちょっとうますぎて、その点で後でダメだしくらっちゃうかもしれないけど、アタシはよかったと思うよ。」
「がびこさん、ありがとうございます。あたし、本当にがびこさんのおかげで今日の本番もなんとかやりとげることができました。でも、、、でも、、、、がびこさん、あたし・・・。」

「・・・わかってるよ。タイス。・・・早くお行き。あんたのことばっかり見てたこちろうとやらいう怪しいオヤジがあそこでボーッしてるじゃないか。もういいんだよ、タイス。やりたいこと、やれただろ。そして、あんたにとって一番大事なもの、大事な人のこともわかったでしょ。」
「あたしもいい夢、見させてもらったよ。あんたみないなステキなマトリョミンといっしょにやれて、楽しかった。あたしのことは心配しなくていいのよ。入院している元のパートナーだって、あんたに負けないくらいいい声で唄うんだから。ルックスだってバッチリなんだから。彼女が戻ってきたら、また舞台に立つから、今度は2人で一緒に見にきてよ。」
「・・・あんたはいつまでもこんなところにいるマトリョミンじゃないよ。さあ、早くってば。」

「が、がびこさん。」目に一杯の涙をためたがびことタイス。がびこの目から一筋の涙が頬を伝おうとしたその瞬間、タイスは3歩後ずさりをしてきびすを返し、こちろうのいる客席へと駆け出した。

駆け寄るタイスの姿を見つけて我に返ったこちろう。タイスはこちろうにぶつかりそうな勢いで駆けてきたが、なんとか目の前で立ち止まる。
沈黙が続く。2人はじっと見つめ合ったまま言葉が出ない。ただお互いの目から熱いものが流れ出るに任せている。二人ともお互いの顔がぼやけてみえてきた。

次号に続く、、、つもり。お笑い小説だったのが本格恋愛もの、になってきてしまって困った。今回は特にお笑いなしでスイマセン。)

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(昨日からの続き)

「さようなら、こちろうさん。あたし、本当はあなたの思っているような女じゃないの。もとは舞姫と呼ばれた女よ。どうしても高円寺の円盤に行ってあんなことやこんなことをしたいの。もうアタシの体の奥底にある何か得体の知れないものを抑えられないの。・・・こちろうさん、できれば、あなたにもいっしょに来て欲しかった・・・。あたしが賃貸人格さんのもとでやりたいこと、わかって欲しかった。でも、もういいの。ごめんなさい。ハゲツルおやじだなんて、ひどいこと言って。あなたはひたいが他の人の3倍くらい広いだけよ。禿じゃないわ。ハゲじゃ。はげでもないわ。ハゲ、ホゲ、フゲッ、チョンマゲ。」

「・・・ハゲハゲ何度も言うな。それに最後のフゲッとか、どさくさにまぎれてチョンマゲってなんだ。」

バタン。
タイスが出て行くドアの音は、こちろうが一人立ちつくす部屋に空虚に響いた。

こちろうはタイスの複雑な心の奥底を初めて覗いたような気がしていた。そして単純に素直で明るいいい子だとしか思ってなかったタイスの本当の気持ちを知って、急に怒る気力を失くした。引きとめようとする感情もスーッと消えていった。


こちろうは、タイスのいなくなった部屋で一人、彼女と過ごした1年と数ヶ月のことを思い出していた。

タイスと暮らし始めてから、すぐに実家のある佐賀に飛行機で旅した。千葉に戻ってからは毎日の厳しい練習に2人で耐えた。それは3ヵ月後に迫った演奏旅行の準備だった。はたまた、一緒に演奏旅行に出かけるマーブルという良い子の仲間たちとの初めての練習のために、新幹線に乗って愛知県の小坂井公民館に行った。

そして忘れようとしても忘れられないロシア演奏旅行。タイスの生まれ故郷であるセミョーノフにも行くことができた。
それからは、二人で何度もライブに一緒に出演。名古屋中心のマーブルだけでなく、東京でも良い子の仲間ニチェボー!に参加した。

さらには、知らない多くの人たちに入れ替わり立ち代り触られながら、お唄の練習台になる日々も続いていた。

タイスが初めてテレビに出たのは佐藤教授に連れられて一人でだった。オセロの松島さんになでなでしてもらってたっけ。そして俺といっしょにテレビで演奏することもできた。オンエアーは見てないけど、ロシアのテレビにだってコンサートの様子が映ってたかもしれない。

随分といろんなところに旅して、たくさんの人の前で一緒に歌ってきたタイス。
こちろうは、彼女がそんな生活に少しづつ疲れていたことを今はじめて思い知った。

(・・・タイス、ごめんよ。オマエにも自由な時間が必要だったんだね。
6日の夜は、なんとか早めに仕事を切り上げて俺も高円寺の円盤に行くよ。でも、オマエに会わせる顔がないから、こっそり目立たないところから見守らせてもらうよ。頑張れよ、タイス。
 そして、もし、気持ちが変わったら、ダークサイドから早く足を洗って、おれのところに戻ってきてくれ。いつまでも待ってるよ。お前がいなくなって初めてわかったんだ。おれにはオマエしかいないんだって。
タイースっ。Come baaaa---ck!)

つづく (のか?)・・・続きはこちら


高円寺の円盤でのライブに「裏面」が出演するのはいよいよ本日。
19:00開演です。

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