国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

「長い!」と思っても付き合ってしまうのが黄金のカルテットなのだ

2009年05月13日 | マスターの独り言(曲のこと)
疲れているとジャズは激しいものが聴きたくなってくる。
静かなものもいいのだが、
ゆったりとしすぎて翌日のパワーに結びつかない。
身体に電気ショックのように
激しいジャズを当てることで
明日への気力が出てきそうじゃないか。

今宵はコルトレーンに手が伸びてしまった。
前も紹介したのだが、ハーフ・ノートのライブ盤である。
1曲目の「ワン・ダウン,ワン・アップ」は45分の放送時間の中
27分にもなる演奏だ。
コルトレーンは最初から最後まで吹きっぱなし。
正直この人は何をこんなに吹き続けているのかと
あきれ返ってしまうところもあるのだが、
エネルギーに圧倒されてしまう。
飽きることなく溢れ出るアドリブには驚きしかない。
その場で聴いている人たちの顔はどんな様子だったか、興味がある

ミュージシャンなら「俺(私)の歌を聴け!」的な感じだが、
コルトレーンは誰も聴いてなくても意に介さないような気がする。
自分のために演奏をしているようにしか思えない。

コルトレーンが日本で受け入れられた要因の1つとして
エルヴィン・ジョーンズの野性的でありながら
緻密に計算された演奏が日本人のハートをめった打ちにしたのではないか?
「ワン・ダウン,ワン・アップ」の
エルヴィンの激しく力強いドラミングは耳を張るものがある。
27分、コルトレーンと真っ向対決!
タイナーとギャルソンは途中で抜けてしまうが、
エルヴィンはとにかくシンバルを心地よいほど叩き続ける。
「ワン・ダウン…」は、エルヴィンに触発されて、
時間を忘れてひたすら吹くコルトレーンを聴くのが正しい聴き方だろう。

僕自身はタイナーやギャルソンのように
途中でコルトレーンに付き合いきれない!と、
思ってしまうことが多々あるのだが…
エルヴィンもそんなことを考えていたのかな?