国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
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そんな仮想の音楽喫茶

讃えよ! 大地に降り落ちる水の流れを

2009年05月01日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
このブログでも何度か新譜、
もしくはそれに準ずる新しいアルバムを紹介してきた。
その度に書いてしまうが、
新しいアルバムを紹介するのは難しいと思う。

そんな中で今日は、買ってよかったと思えるアルバムを紹介する。
ただ、日本語表記がされていないものだから、
不慣れな英語を辞書を引き引き調べながらの紹介になってしまうので一苦労だ。
やっぱりちゃんと英語は勉強しておくべきだった……

まぁ、その苦手を乗り越えて紹介するのは、
アヴィシャイ・コーエンの『FLOOD』である。
昨年録音されたアルバムのようで、
アヴィシャイ・コーエンの名前を知らなければ購入はしていなかっただろう。

アヴィシャイ・コーエンは、
最近は日本でも随分知られるようになってきたトランペッターである。
同名のベーシストもいるため、間違えないように!
『ザ・トランペット・プレイヤー』というアルバムが有名で、
これも今は名盤に上げられている。
そのコーエンの新譜が『FLOOD』である。

訳せば『洪水』の意味になるタイトルの通り、
水と地球の壮大さを表現したアルバムコンセプトがあるようだ。
だが、そんなことよりも
まずはコーエンのトランペットの響きに耳を向けてほしい。
ずっしりと重くどっしりと響き渡るトランペットの音は、
コーエンが並のトランペッターでないことを表している。
1音1音がはっきりとしていて、
どことなく憂いを含んだメロディーが心に残る。

編成も変わっていて、トランペットにピアノ、パーカッションという
珍しいトリオ編成になっている。
コーエンは中東のイスラエル出身のミュージシャンである。
砂漠の中に降り始める雨の柔らかく優しい様子が、
コーエンの生まれからも想像できる演奏だ。

これもまた新しいジャズの流れなのかもしれない。