国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

黒い音を耳が求めるのか? それとも血が求めるのか?

2010年09月30日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
今日仕事をしていたら何の気なしに鼻血が垂れてきた。
これでブログに鼻血のことを書くのは2度目だが、
どういうわけか垂れてきてしまったのだから仕方がない。
当然ながら赤い血であり、白いシャツの上にスッと赤い線を引いてしまった。
ところが時間が経つと、その赤い線がいつの間にか消え失せてしまっていた。
仕事で重い物を運び、走り回って大量に汗をかいたせいか?
とにかく垂れた血が黒い跡を残してすっかり見えなくなってしまった。

まぁ、人であるから血は赤いのが当たり前である。
だが、この人たちは果たしてどんな色の血をしていたのか?
身体の中にオイルをたらし込み、混ぜ込んだかのように、
エネルギー十分で激しいまでのグルーブ感と、わき上がるかのようなスイング感。
耳の感覚的にもドロッとした黒いものを感じずにはいられない。

スタンリー・タレンタインの『ルック・アウト!』
リーダーのタレンタインのテナーのモッサリ感やネットリ感は
「これこそジャズの醍醐味!」と言わんばかりの風を巻き起こす。
普通にテナーを吹いても、音が飛び跳ねずにはいられないといった様子だ。
2曲目の「ジュリー・イントゥ・メロディー」でも
曲調はバラードであるが、跳ね上がらんとする音をゆったりと空気の帯に押さえつけ、
軽やかにいなしていくタレンタインは強者だ。

脇がこれまたホレス・パーランやらジョージ・タッカー、アル・ハルウッドといった
「まさにジャズ隊」である。
鍵盤で音をこねくり回すかのようなパーランは快調そのものである。
グングンと迫ってくるベース音と小気味よいドラムのシンバル音。
そこにタレンタインがのるのだから、これはもうタマラン!

兄弟のトミー・タレンタインと一緒に演奏しているアルバムもあるが、
スタンリーの良さを知るのならこのワンホーンがオススメだ。

リラックスタイム

2010年09月29日 | 休業のお知らせ
気が付けば今日は水曜日。
週も中頃となると、後半分かと思うものだ。
ジャズを聴くには少々疲れがたまりすぎている。
たまにはのんびりと音を流しているだけの時間もいいだろう。

というわけで今日はリラックスタイムのためお休みです。
またのご来店をお待ちしております。

スーパーオーディオが再生されない!!

2010年09月28日 | マスターの独り言(日々色々なこと)
今日は初めてスーパーオーディオCDを聴いてみようと思ってプレイヤーにセット。
ここ数年CDの性能もアップして、音質が非常に上がってきている。
スーパーオーディオという特殊な枠組みがあるくらいだから
当然その音質は凄まじくいいのだろう。

早速、アート・ペッパーの『ザ・ウェイ・イット・ワズ!』をかけようする。
ところが「NO DISC」の文字が……
「はい?」と思って、説明書を取り出してみる。
CDの入れ方は間違えていないようだし、特にいじるようなスイッチがあるわけではない。
何度か出し入れをしてみても「NO DISC」が…

もしかして壊れてる?
不安になって普通のCDを入れてみると反応をする。
ためしに同じくスーパーオーディオCDの
エンリコ・ピエラヌンツィの『インプロヴィズド・フォームズ・オブ・トリオ』をセット。
やはり読み込まない……
「あかん!」と思って、何度も出し入れしていたら急に音楽が…
「うん?」と、いったん止めて再び再生を押してみる。
すると何とか音が出てくるではないか。しかも高音質で…

これは一体どういうことなのか?
考えてみたのはもしかするとCDのレンズが汚れているのか?
クリーニング用のアイテムは持っていないので、すぐには確認できないが、
とにかく再びアート・ペッパーに挑戦してみる。
うーん、どうも上手くいかない…
困ったものだ

マイルスは語り尽くそうと思っても尽きることがない

2010年09月26日 | 喫茶店に置いてある本
昨日の続きで今日もマイルスの話をしよう。

僕がジャズを聴き始めたのが2005年の5月からである。
そこから約1年後でピタリとジャズを聴くことを止めてしまった時期がある。
まぁ、いろいろな条件が重なったためにそういう状況ができてしまったのだが、
その中の1つにマイルスの存在がある。
中山康樹氏の力作『マイルスを聴け!6』(双葉社)を購入したのが、
ちょうど秋ごろであり、そこからマイルス一直線になった。
ちょうどブルーノートの安価盤が各月ごとに出ている年でもあり、
奇しくも中山氏の言う「ジャズはマイルスとブルーノート」という話に合致してしまった。

特に初めて『ビッチェズ・ブリュー』を聴いたとき、
稀代の名作でありながらも、難しいという世間一般の評価に反して、
僕には「思ったよりも聴きやすい」思った。
予想もしていないエレキマイルスへの傾倒が始まる。
中山氏の言葉通りではないが、それでも「マイルスを聴けば十分」というのは
身を以て感じたことでもあり、
その後『アガルタ』、『パンゲア』、『イン・ザ・サイレント・ウェイ』辺りを聴き、
結果「アガパン」を聴けば十分という何とも極論めいた地点へと到達してしまった。

結局そのとき僕が思ったのは「マイルスは格好良さを追求している」という点であり、
それがジャズであるか無いかということよりも「マイルスの音楽」として
かなり気に入っていたのである。

一人のミュージシャンに生半可にはまってしまうとその時点で足が止まる。
そして再び僕がジャズを「きちん」と聴くようになったのは2008年の1月となる。
その年に発売されたのが『白熱MILES鼎談』である。
中山氏と後藤雅洋氏、そして村井康司氏とこのブログではおなじみの人たちが
マイルスについて語った対談集である。

表紙には「ガチンコ勝負!!」とびっくりマーク2つも付いているのだが、
中身はそれほどガチンコではない。
3人の好きな音楽傾向が似ているため、マイルスの音楽を幅広く語っている。
3人は『ソーサラー』から「アガパン」期までを
マイルスの中でもかなり重点的に取り上げていて、
『オン・ザ・コーナー』の聴かれ方などにも注目をしている。
僕は3人の著書は好きだが、
それに影響されたから「アガパン」が最高だとは思っていない。
その頃のアルバムから一番マイルスのやりたかった音楽が
よく出ていると思うから惹かれるのだろう。

さすがに今は「マイルスオンリー」ではない。
だがいつ聴いてもマイルスだけは別格だ。

車の運転には十分に注意をしよう

2010年09月25日 | マスターの独り言(日々色々なこと)
今日は台風の接近という天気の不安もあり車での通勤にしようと考えた。
朝、慌ただしかったがとりあえずCDをと思い、
手近にあった『アガルタ』を取って車に乗り込んだ。
普通は1枚を聴くことがほとんどなので、今日は2枚目にするかとCDをセットした。
2枚目を聴かないのは理由がある。
時間が50分ぶっ続けで休みがないため、それなりに気合いを入れないと聴けないのだ。
職場まではおよそ1時間。ちょうどいいぐらいである。

急いでいたため普段は使わない高速にのって、車を飛ばす。
高速道路というのは普通道路とちがってそれなりに神経を使う。
走っていると「ファーン」とクラクションの音が聞こえてきて、
「ヤバイ!」と思い、首をすくめてふっと辺りに目をやる。
特に何か変わったことをしたわけでもないのに、
クラクションを鳴らされるのは心外だ。
だが辺りに車もなく、抜かされるわけでもない。

「これはまさか…」
CDトラックを戻して、
再び2枚目の最初「ジャック・ジョンソンのテーマ」から聴き直す。
約1分46秒(これは自宅で聴き直して確認した)のソニー・フォーチュンのソロ中、
確かに「ファーン」という車のクラクションにも似た音が鳴る。
これが来るのが分かっていても、車を運転しながら聴いていると
もうクラクションにしか聞こえないからドキッとする。

音の主は誰か?
ソニー・フォーチュンではないのは確実。
マイケル・ヘンダーソン、アル・フォスターとエムトゥーメはリズム隊だから違うだろう。
となれば残りは3人。
マイルスはオルガン、ピート・コージとレジー・ルーカスはエレギである。
マイルスがトランペット音かとも思ったが、前後の演奏から違うか?
ギター隊が怪しいが、どちらという確定は難しい。
この歪んだ音は一体何なんだ!

まぁ、今回のことで1つだけ分かった。
『アガルタ』2枚目を車の運転中に聴くと、
1分46秒の時点で「何事?」と辺りを気にしてしまうということだ。
車の運転の際には十分お気を付けください。
あ、普通は聴かないか…