国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

かくして名曲・名演・名盤は生まれた!

2009年05月23日 | 喫茶店に置いてある本
そこに名盤があるから、物語が生まれるのか?
それとも物語があるから、名盤が生まれるのか?
どちらにしてもブルーノートは、ジャズの伝説である。
ジャズのエッセンスを注入したいのなら、
迷わずブルーノートを聴いた方がいい。
そこにはジャズが最も熱かった時代があり、
アルフレッド・ライオンたちが築き上げたジャズの魂があるからだ。

先日のバド・パウエルの
『ジ・アメイジング・バド・パウエル』の収録話などが
載ったブルーノートのアルバム製作秘話本がある。
集英社新書から刊行されている『超ブルーノート入門』である。
著者は、マイルスを語らせたら早々右から出る者はいない、
中山康樹氏である。

『超ブルーノート入門』は、
ブルーノートの輝かしき時代1500番台の1枚1枚の
アルバムやミュージシャンエピソードを載せている。
やはり名盤となっているアルバムは、
よく世間には知られているが、
それ以外にもブルーノートには宝が眠っていることを証明している。
中山氏の本作を読んでいると、名盤を聴くのではなく、
創立者であったライオンの魂を聴くことが、
ブルーノートを聴くことだと言っているように思える。
ドイツ人でありながらもジャズを愛し、
アメリカに移ってジャズレコード会社を設立してしまうほど
情熱をもったライオン。
そこにはまさにお金では買えない「プライスレス」の作品のオンパレードなのだ。

ページをめくるごとに、
聴いていないアルバムが一体どんな音を持っているのか楽しみになってくる。
中山氏自身、近年では「マイルスを聴け!」から
マイルスとブルーノートをいろいろな本で入門盤として紹介している。
極論的だが、でも実は結構本質的な意見だと、
マイルスにやられ、ブルーノートにしびれてしまう僕は、
ちょっとこの意見に賛成的なのだ。