国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

流れゆく日々の別れの中で

2013年03月29日 | マスターの独り言(日々色々なこと)
3月の終わりというと別れの季節である。
別れの季節に再び筆を取るというのは、どことなく矛盾したものもあるかもしれないが、
少しの間(いや、かなりの間か)、ブログはお休みをしていた。
もちろんその間にジャズを聴かないということは無かったし、
それ以外にもかなりのジャンルの音楽を聴き、
加えてライヴにもずいぶんと足を運んでいた。

毎日、何かを発信し続けるというのはかなりの一苦労もあるのだが、
それでも何かを伝えたいと思うのが人間の性でもある。
まぁ、そんなわけでそろそろ松尾芭蕉が旅に出たくなってきた如く
自分も筆を取ってみたくなってきたといった感じである。

さて、冒頭に戻り、
3月の終わりというと別れの季節である。
別れというのはどことなく感傷めいていて、
それとなく心がざわめく。
それは「別れ」に対してなのか、
それともそのあとに待ち受ける新たな「出会い」に対してなのか…

ともあれ、そんなときにはこのアルバムがいいだろう。
ビル・エヴァンスの『ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング』

自分の中では至高の1枚なのだが、
ブログ内で画像を探してみても見当たらなかった。
おそらく過去の自分がずっと何らかの「その時」を狙って取っておいたのだろう。
今がその時なのかどうかはよく分からないが、
それでもジャズを聴いている人にとってこの1枚は欠かせない。

音楽評論家の中山康樹氏が「エヴァンスにとっての『カインド・オブ・ブルー』」と評するほどの
静けさと緊迫感に溢れた美しく、そして儚さを感じさせる。
エヴァンスはこのアルバムの中にエレインという元恋人と
ハリーという自分の兄に演奏を捧げている。
実はこの二人にはもう二度と会えなかったいきさつがある。
そうした実生活の悲しみもあるのだろう。

別れは悲しい。
それでもその先に進まなくてはならないのが人間である。

We Will Meet Again…