僕はバリバリ「エヴァ」世代である。
「エヴァ」とは「新世紀エヴァンゲリオン」のことである。
ちょうど高校生の時に本放送があり、
残念ながら最初の放送は見逃したが、すぐに再放送で追いつき、
翌年の春に公開予定だった劇場版のチケットを買いに
早朝から友達と池袋の映画館前に並んだこともある。(結局買えなかったが)
その「エヴァ」が、この頃再び注目されている。
静かにブームは続いていたのか
それともパチンコの大ヒットが原因なのか分からないが、
とにかくリメイク版で映画がコンスタントに上映されている。
昨年の夏に急に年上の同僚から
「今日、奥さんとエヴァ観に行くんだ」と言われたときはびっくりしてしまった。
なるほど、そこまで浸透してきたとは…
ここ数日、「密林」では、その劇場版のブルーレイ発売宣伝が光っている。
確かに僕にとってエヴァは1つの道を示してくれたが、
あまりにも重いテーマでそう易々と手に取れない。
だから新しい劇場版も観ていない。
僕にはあの衝撃の劇場版で一端ケリのついた話なのだ。
でも、気にはなる。
ユーチューブで劇場版の予告編を観ていると何だか気持ちが落ち着かない。
ふっと、宇多田ヒカルの歌う「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」が聞こえる。
何故、ジャズスタンダードがエヴァのエンディングだったのか?
懐かしさと単純ながらも胸浮かれるような美しいメロディーにしばし思いを馳せる。
それからロイ・ヘインズの『アウト・オブ・ジ・アフタヌーン』を取り出す。
2曲目にその曲はある。
メロディーを吹くのはローランド・カークである。
遙かなる月の上でダンスを踊るように、カークのサックスは変幻自在に飛び回る。
テナーからマンゼロへと変わり、時折ユニゾンを作り、
そのバックではロイ・ヘインズがメリハリのあるリズムを叩き出す。
ピアノがトミー・フラナガンとくれば、そのソロは格別だ。
右手からは柔らかくも流れるようなメロディーが創り出される。
う~ん、こうしているともう一度「エヴァ」が観たくなってくるなぁ。