肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『クローバーフィールド/HAKAISHA』、観ました。

2008-10-04 19:49:40 | 映画(か行)



監督:マット・リーヴス

 『クローバーフィールド/HAKAISHA』、観ました。
NYのとある高級アパート。東京への転属が決まったロブのためにサプライズ・
パーティが開かれている。そんな中、突然、とてつもない爆音が響き渡る。表を
見ると、外では大爆発が起きている。そこに何かが飛んでくる。近くのビルに
激突し、地面に落下したのは自由の女神の頭だった…。
 そのむかし、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』って映画があったとさ。それはそれは
ヘンテコリンな映画だったとさ。家庭用のハンディカメラ一台だけで、魔女伝説の
ナゾに迫る学生グループが撮った(とされる)その映像は、手ブレ・ピンボケなんざ
当たり前。オイラが先日娘の運動会で初めて撮ったビデオの方がまだ少しゃあ
マシじゃねーかと思えるくらい。とてもとても高いお金を払ってまで映画館で観る
シロモノじゃあございませぬ。さて、その“怪獣版”として『ブレア・ウィッチ~』の
路線を受け継ぐ本作『クローバーフィールド』は、元祖ほど“トーシロまる出し”って
わけでもありません。(観てると、やっぱし途中で頭が痛くなりますがね。どうか
適度に休息をお取りください)エキストラの人も大勢いるし、CGで怪獣とかも
登場してお金はそこそこ使ってるみたいです。それと、カメラの画面に飛び散った
血しぶきを布巾で拭いたりして、なかなか一手間掛かってる感じもします。ただ、
逆の見方をすると、そうやって作り込まれている分だけ“やらせ”の印象を強く
受けてしまいます。これで川口浩でも出てくれれば、ハイ、往年の“水曜スペシャル・
川口浩探検隊シリーズ”の出来上がりです。それにしても、あーいうやらせ番組が
世のお茶の間中を席巻し、軒並み高視聴率を記録してたとは、当時の日本は
“平和な時代”だったなぁと痛感します‥‥‥、と、ここまで自分で書いておいて、
いや、果たして本当にそうなんスかね。自問自答してみます。確かに、あの頃の
日本は随分とお気楽な時代だったんしょうけど、今回、この『クローバーフィールド』が
作られたアメリカのバックグランドは大きく違います。考えてみると、映画では
主人公らの幸せな時間が一瞬のうちに大惨事へ――。不確かな情報が飛び交い、
敵の正体もつかめないまま、何処へ逃げて良いのかも分からない。突然の袋小路に
迷い込んだ“無防備な人間の視点”で描かれていきます。恐らく、ここで作り手が
意図したものは、忘れられないあの日の悪夢――、何の前触れもなく、見えない敵に
総攻撃を受けた《9・11の再現》でしょう。おっと、やばいデス。こうして書いてたら、
これが中々の傑作のように思えてきました。うん、確かにどこぞの川口なんだれの
“やらせ”探検隊よりずっと良いでしょう。そりゃそうでしょう。ただね、それとは別に、
この映画のお粗末なところもみえてきます。アラとして目に付くのは、主人公男女の
恋物語が薄っぺらいのと、結末にいまひとつインパクトがないのですよ。例えばさ、
かつての探検隊スペシャルのフィナーレでは、“お約束”のエンディング曲『ロッキー』で
盛り上げて、あのワザとらしいナレーションがプラスされると、意外と満足感が
得られちゃったりしてね。さすが、ツボはしっかり心得てましたもの。



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