肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『パッチギ!』、観ました。

2005-09-29 18:51:46 | 映画(は行)

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 『パッチギ!』、観ました。
1968年、京都。高校2年生の康介は、担任からの指示で親友の紀男と敵対する
朝鮮高校に親善サッカーの試合を申し込みに行く。そこで康介は音楽室で
フルートを吹くキョンジャに一目惚れするが……。
 大スターはなくとも強烈な個性をいかすキャスティング、、なかなか良いじゃ~
ありませんか。毒の効いたセリフに、人情味たっぷり会話の味わい、、これまた
良いじゃ~ありませんか。ただ、ボクの正直な感想を聞かれれば、返答に困る…。
実は、イマイチ乗り切れなかったんだよねぇ~‥‥というのは、劇中で
これでもかこれでもかと挿入される喧嘩シーンと暴力描写。虐(しいた)げられて
きた者の悔しさと哀しみ…、そのはけ口を表現する上で“暴力”を全く描くなとは
言わないけれど、今作の場合は必要以上に描き過ぎてるかなと……。確かに、
日本人と在日朝鮮人が分かり合うには、その歴史認識について…、それぞれが
置かれた境遇について…、“真正面”から向かい合わなくちゃいけない。
しかし、それが《=暴力》かと言えば、それもまた違うと思うんだけどね。
 さて、映画は、そんな暴力シーンの一方で、日本人と在日朝鮮人、若い男女の
恋模様がみずみずしく描かれている。“言葉”ではなく“ハート”で‥‥
その真心と真心が触れ合ったときに芽生える愛。。それが、最も象徴的に
描かれるのが、円山公園の送迎会…。主人公と在日のヒロインが、それぞれに
楽器を持ちよって演奏される「イムジン河」の温もりは、周囲の冷たい“偏見”や
見えない“心の壁”を溶かしていく。何とも優しい気持ちに包まれる名シーンだ。
 それにしても、ラジオディレクター役で登場!、ハウンドドッグ・大友康平は、
僅か数分の出演ながら、涙も…笑いも…オイシイところを全部持っていってしまう。
ホント、キャラ強い人は得だよなぁ~(笑)。

 



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