肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『姑獲鳥の夏』、観ました。

2005-12-14 19:37:57 | 映画(ま行)
姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション

ジェネオン エンタテインメント

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 『姑獲鳥の夏』、観ました。
昭和20年代末の東京。久遠寺医院の娘・梗子が妊娠20ヶ月を迎えたというのに、
一向に出産しない。その上、夫・牧朗は1年半前に行方不明。牧朗の行方を捜す
梗子の姉・涼子。久遠寺家の忌まわしい過去とは……。
 誰々が“真犯人”だとか、何々が“動機”で、如何なる“トリック”を
使っただとか、これはそういう“ありきたりなミステリー”ではないのデス。
ヘンテコ着物に身を包んだ本屋の主人が、哲学やら科学やら能書きほざいて(笑)、
呪いや祟(たた)りにまつわる“オカルティックな難事件”に挑んでいく‥‥
言うなれば、これまでのどのミステリー映画にも属さない、一風変わった
異色のミステリー。まぁ、結論から言ってしまえば、20ヶ月の妊娠も、
カエル顔の赤ちゃんも、密室に消えた夫の謎も、すべて科学的理由があって、
解ってしまえば「な~んだ」ってことなんだけどサ。つまり、この主人公の
口癖通り、「この世に不思議なことは何もない」ってことよ(笑)。この映画の
正しい観方としては、ミステリーの“謎解き”を優先するんじゃなくて、
どうかミステリーの“雰囲気”を味わって欲しい。出来自体は、決して悪くない
映画だと思うよ。
 さて、何を隠そう、オイラは原田知世が好きなのダ。学生時代から続く
その一途な想いは今も変わらず、オイラは20年来、彼女のファンを続けている。
ときの“理想の女性”マイベスト3で、他の2人はたびたび入れ替われども、
一度たりとも彼女の名前が消えたことはないのデス。そして、この映画で、
久しぶりに拝見する彼女のお姿は、以前にも増して“大人の女性の艶やかさ”を
感じちゃう。中でも圧巻は、「私を‥‥助けてください」と抱きつく彼女。
観ながらオイラは、抱きつかれた永瀬正敏に“軽いジェラシー”を感じつつ、
同時に、胸がキュンと切なくなってしまったよ(笑)。せめて、あと少しでも、
出演時間が多かったら‥‥。いや、むしろ、その矛先は、阿部寛と田中麗奈。
物語上、あの2人って、大して必要なキャラでもなかったように思うのだが。



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