肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ソウ<SAW>』、観ました。

2005-09-25 11:18:50 | 映画(さ行)
SAW ソウ DTSエディション

角川エンタテインメント

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 『ソウ<SAW>』、観ました。
目覚めたのは、老朽化した白く広いバスルーム。対角線上にいる2人の男
ゴードンとアダムは足首に鎖をはめられ、2人の間には頭を撃ち抜かれた
自殺死体が転がっている。ゴードンが助かる方法は、制限時間内にアダムを
殺すこと‥‥。
 ある日いきなり“密室の恐怖”に放り出された男がふたり、、彼らは互いに
面識は無く、目の前に迫った危機から脱出する術も見つからない‥‥。
その鋭い映画冒頭の“切り口”は『CUBE』を思わせ、オイラの期待は
否(いや)が応(おう)にも盛り上がる。何やら大傑作の予感さえ‥‥
しかし、ボクが面白いと思ったのは最初だけで徐々にトーンダウン。
“密室サスペンス”で始まった今作は、いつしかショッキングな“サイコ・
ホラー”へ、ついに最後は“スプラッター”じゃないかと思うほどのグロテスク。
勿論、ボクもサイコ映画を全部ダメとは言わないけれど、もう少しグロに
向かわぬ工夫があっても良いんじゃない? これではテーマである“命の
大切さ”もぼやけてしまった感じで、説得力に欠けちまう。少なくとも今作は、
猟奇的なサイコ映画としてではなく、密室サスペンスに絞って“正攻法”で
勝負すべき映画だったと思うけどね。
 一方で、この映画の面白さは、やはり意表をついた真犯人の正体か…。
観る者の“先入観”を逆手に取った“逆転の発想”が見事‥‥。惜しむらくは、
例えばそこに『ユージュアル・サスペクツ』のような“巧妙に仕組まれた
台詞回し”があるわけでも…、例えばそこに『シックス・センス』のような
“大胆な映像トリック”があるわけでもないので、観終わって「やられた」という
感じはしないかな。ミステリーの醍醐味とは、犯人から差し出されたパズルを
“理詰め”で解く楽しさにある、、ボクはそう思うなぁ。



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