ともやの映画大好きっ!

鑑賞した映画の感想やサウンドトラックなどの紹介、懸賞や日々の戯れ言などをのほほんと綴っていこうと思っています。

オーメン(2006)

2006年06月12日 | 映画(あ行)
(原題:THE OMEN)
【2006年・アメリカ】劇場で鑑賞(★★★☆☆)


悪魔の子供ダミアンの恐怖を描いた3部作。
1976年「オーメン」では5歳。
1978年「オーメン2/ダミアン」では13歳。
1981年「オーメン/最後の闘争」では32歳のダミアンを描いている。
今回は1作目の完全リメイク作品。

2001年6月6日午前6時。イタリアの病院でアメリカ外交官ロバート・ソーン(リーヴ・シュレイバー)は悲しみに暮れていた。妻キャサリン(ジュリア・スタイルズ)が産んだ子供は、直後に死亡してしまったのだ。同じ時刻、この病院でもう一人の男の子が生まれる。母親は不幸にも出産と同時に息を引き取る。ロバートは他に身寄りがない男の子をダミアンと名付け、我が子として育てることにする。そして2006年。ダミアン(シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック)は5歳の誕生日を迎えるが、誕生パーティの席で乳母が首吊り自殺を図って死んでしまう。困惑するロバート。新しい乳母のベイロック夫人(ミア・ファロー)がソーン家に雇われ、再び平穏な日々が戻ってきたかに見えた。そんなある日、ロバートの元にバチカンのブレナン神父(ピート・ポスルスウェイト)が現れる。ブレナン神父はサミアンが悪魔の子であることを警告するが、ロバートはそれを取り合わない。動物園でダミアンを恐れる動物たちを見て、キャサリンはダミアンに疑いの目を向け始める。やがてブレナン神父が怪死をとげる。ダミアンの周りで起こる事件に興味を持ったカメラマンのジェニングス(デヴィッド・シューリス)は、自分にも現れた前兆(オーメン)に恐怖しながら、ロバートと一緒にダミアンの出生の秘密を探り始める…。

30年振りにリメイクされた「オーメン」。
もちろん反キリストのペンダントをして観に行きました。



聖書に予言された獣の数字666を持つ、悪魔の子の物語。
オリジナルは10代の頃に何回か観た大好きな作品。
今回のリメイクは舞台が現代に置き換えられているが、シーンや台詞などほぼ忠実になぞられている。
…にも関わらず、やはりオリジナルは越えたとは思えなかった。

要因として挙げられるのは演出。
前半部分で音で怖がらせようとするあざとい演出が何回かあった。
この作品はそもそも、この世に誕生した反キリストを支援する悪魔崇拝者と教会との目に見えぬ攻防を描いたサスペンス映画。
そんな三流ホラー映画のような演出はいらないのである。
シナリオもコンテも一緒だけど、アプローチの仕方が違うように思われて仕方がない。



ロバートが狂ってしまっていただけで悪魔の子なんていないんじゃないか。
でももし本当のダミアンが悪魔の子だったら…。
…と、観終わった後に色々考えさせて、ブルっと怖がらせる映画。

オリジナルを観たのがかなり前なので、記憶の中でオリジナルの面白さが美化されているのかもしれない。



キャサリンが2階から転落するシーン。
ブレナン神父が避雷針に串刺しにされるシーン。
ジェニングスの首が切断されるシーン。
衝撃ではあるけれど、どうも今ひとつ。

もうひとつの要因は音楽なんだろうなぁ。
マルコ・ベルトラミもいいスコアを作ったとは思うんだけど、オリジナルのジェリー・ゴールドスミスの素晴らしい音楽には叶わなかった。
ジェリー・ゴールドスミスの「オーメン」のテーマ曲はエンディング・テロップで使われていたが、このテーマ曲を劇中で効果的に使えばイメージが少しは変わったかもしれない。

このまま「オーメン」3部作をリメイクしていくのかな?
できれば忠実なリメイクではなく、新しいダミアンの恐怖を魅せてもらいたいな。
シナリオとかコンテが一緒なら、オリジナルを観れば済む話だからね。

監督はジョン・ムーア。


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裸の石(ストーン)を持つ男

2006年06月12日 | 映画(は行)
(原題:MEN WITH BROOMS)
【2002年・カナダ】DVDで鑑賞(★★★★☆)


氷上の格闘技カーリングを題材にしたハートウォーミングなスポ根ドラマ。

小さな田舎町ロング・ベイでカーリングの名コーチであるドナルド・フォーリーな亡くなった。ドナルドの遺言は【自分の遺灰はカーリングの石に納め、その石でカーリングの大会ゴールデン・ブルーム杯で優勝せよ!】と。10年振りに集まったドナルドの教え子たち。10年前の試合でイカサマをし、町を出ていったクリス・カッター(ポール・グロス)。ヤクの売人をやっており、借金取りに追われるジェイムズ・レノックス(ピーター・アウターブリッジ)。結婚したが精子が薄くて子供が出来ないエディ・ストロンベック(ジェド・リーズ)。妻とうまくいっていない葬儀コーディネーターのニール・ビューシック(ジム・アロディ)。4人はコーチの亡骸が納められた石を手に、10年振りに再結成する。腕慣らしに老人チームと対戦するが見事に惨敗。クリスは10年間交流の途絶えていた父親ゴードン(レスリー・ニールセン)の元へ向かう。ゴードンは過去に2回の優勝を経験したことのある名プレイヤーだったのだ。ゴードンを新たなコーチとし、4人は特訓を繰り返す。そして4人はゴールデン・ブルーム杯に出場する…。

カーリングを通して描かれる恋や親子の絆などを描いたスポーツドラマ。



最後にまとめて毒を吐こうと思っていたんだけど、絶えられません。
映画自体は面白い映画でした。

問題は日本での宣伝の仕方。



確かにレスリー・ニールセンは出演してます。
日本用の予告編を観ると…。
【レスリー・ニールセン主演最新作! 笑撃度120ストーンのスポーツコメディ!】
主演はポール・グロスです。
確かに笑いはあるけれど、コメディじゃない。
笑撃度って(苦笑)。
そして極めつけは、邦題の「裸の石(ストーン)を持つ男」って。

レスリー・ニールセンは、海外TVドラマ「フライング・コップ」(原題:POLICE SQUAD!)を映画化した「裸の銃(ガン)を持つ男」(原題:THE NAKED GUN)が有名。
それ以降、レスリー・ニールセンが主演する映画はすべて「裸の○○を持つ男」という邦題が付けられるようになった。
でも最近はそんな馬鹿な邦題の付け方をされることもなくなり…と思っていたら、いるんだね馬鹿が。

ここからはともやの想像です。
『邦題どうするか? 有名な俳優出てないね。ん、レスリー・ニールセンが出てるじゃん。コメディなんだな、これは。ほら、裸のナニナニを持つ男でいいじゃん。…で、何の映画なの、これは。カーリング? 何それ? 石を使った氷上スポーツ? じゃあ「裸の石を持つ男」でいいじゃん。石をストーンって書いて。予告編はレスリー・ニールセン主演で作っておいて。その方が売れるしさ。笑撃度120ストーンなんてどう? 傑作でしょう! 衝撃の衝を笑に代えるの。…で、石だから120ストーン! オレって凄い才能あるでしょ?』
…って、作品も観ないで決めたんだろうね。



レスリー・ニールセンは凄い好きな俳優(もう80歳なんだよね)で、出演作はだいたい観ているけど、こんなひどい宣伝のされ方をしている作品は久し振り。
本当に主演している作品で「裸の~」ってタイトルはまだ許せるけど。

こういう馬鹿な邦題の付け方って止めてほしいよね。
スティーブン・セガールが出演していれば、すべて「沈黙の○○」。
ドルフ・ラングレンが出演していれば、すべて「ドルフ・ラングレンの○○」。
あっ、これは別にいいのか(笑)。

こういう映画が好きでもない人間が映画関係の仕事をしているというのは、非常に哀しいことです。

監督はポール・グロス。


裸の石を持つ男

アートポート

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