(原題:VIER MINUTEN)
【2006年・ドイツ】試写会で鑑賞(★★★★☆)
ドイツアカデミー賞 作品賞・主演女優賞受賞。
バヴァリアン映画祭 主演女優賞・新人女優賞・脚本賞・最優秀新人プロデューサー賞受賞。
上海映画祭 最優秀作品賞受賞。
ドイツ映画祭2007 オープニング作品。
殺人の罪を犯し刑務所に服役中の天才ピアニストと少女の才能を開花させることを賭けた女性教師との魂のぶつかり合いを描いたヒューマンドラマ。
ある刑務所にピアノ教師としてやってきたトラウド・クリューガー(モニカ・ブライブトロイ)。そこでクリューガーは、1人の少女のピアノの才能に心を奪われてしまう。少女の名前はジェニー・フォン・レーベン(ハンナー・ヘルツシュプルング)。殺人の罪で最近入所したばかりの服役囚なのだが、大変な問題児であった。ピアノの才能を埋もれさせることを忍びないと思ったクリューガーは、ジェニーにピアノのコンクールに出場するよう諭すことになる。12歳の時に養父ゲハルド・フォン・レーベン(ヴァディム・グロウナ)に犯された過去を持つジェニーは、全てのものに牙をむき、自らを傷つけようとする。有名な演奏家であったクリューガーにも、人には言えない哀しい過去を持っていた。ジェニーが暴行を働いた看守のミッチェ(スヴェン・ピッピヒ)や同房の少女の妨害にもめげず、2人はコンクールに向けての練習を開始する…。だったが、自分と同じ孤独を抱えるクリューガーの情熱にいつしか心を開いていく…。
この作品は劇場で予告編を観てから、体毛が総毛立つような衝撃を受け、速攻で輸入盤サントラを購入し、鑑賞を楽しみにしていたのです。
4分間のピアニスト 予告 FOUR MINUTES trailer
圧倒的なピアノの旋律。
ジェニーがミッチェを襲う際に流れる『Handkanten Act』(輸入盤サントラ7曲目)。
雑誌の取材を受けたときに、後ろ手に手錠をされたまま弾いた『Handschellenrock』(輸入盤サントラ10曲目)。
改めてゾクゾクしてしまいました。
劇中でクリューガーはこの2曲を【低俗な音楽】と卑下しますが、ともやはこの【低俗な音楽】が大好きです。
魂が天へと昇華していくような旋律。
そして刑務所を抜け出しコンテストに出場するクリューガーとジェニー。
刑務所からの追っ手が迫り、残された時間は4分間しかない。
そこでジェニーが弾いた曲は…。
『Jennys Abschlusskonzert』(輸入盤サントラ18曲目)。
チラシを見ると大絶賛の嵐なんですけど、ともやはちょっとドン引きしてしまいました。
シューマンの曲ではなく、自分の音楽を弾き始めたジェニー。
しかし、それはもはやピアノの曲では無く、前衛的なパフォーマンスになってしまっていた。
ジェニーが【自分の音楽】と言っていた『Handkanten Act』や『Handschellenrock』が素晴らしかっただけに、ちょっと残念。
全編を流れるモーツアルトやシューベルトの音楽など、心地よいサウンドに満ちた作品でした。
でも感動作ではないですよ(ともや的意見ですけど)。
監督はクリス・クラウス。
2007年11月10日公開
公式HP:
4分間のピアニスト
映画「4分間のピアニスト」オリジナル・サウンドトラック ヤン・ティルマン・シャーデ,アネッテ・フォックス,インモ・ツィルヒャー,エンリケ・ウガルテ,ブラヒム・ヒニーネ,白木加絵,レ・フレール,カトリン・シェール,ペーター・クリスチャン・ファイゲル,木吉佐和美ユニバーサル ミュージック クラシックこのアイテムの詳細を見る