(英題:THE MAN FROM NOWHERE)
【2010年・韓国】試写で鑑賞(★★★★☆)
第47回韓国アカデミー賞(大鐘賞)、主演男優賞・視覚技術賞・編集賞・人気俳優賞の4部門を受賞。
第8回大韓民国映画大賞、主演男優賞・主演女優賞・撮影賞・照明賞・作曲賞・視覚技術賞・編集賞の7部門を受賞。
第31回青龍映画賞、視覚技術賞・観客賞の2部門を受賞。
第47回百想芸術大賞、作品賞を受賞。
2010年度、韓国映画年間No.1を記録したサスペンス・アクション。
街の片隅で質屋を営み、人目を避けてひっそりと生きる男チャ・テシク(ウォンビン)。隣に住む少女ソミ(キム・セロン)は、そんなテシクを「アジョシ(おじさん)」と呼んで慕い、何かと店に入り浸っていた。ある日、クラブダンサーをするソミの母親が犯罪組織から麻薬を盗み出し、母子は組織に狙われてしまう。組織の男たちは母親が預けたカバンを取り戻しに、テシクの質屋にやって来る。テシクは驚異的な身のこなしで男たちに反撃するが、ソミを連れ去られてしまう。組織を取り仕切るマンシク兄弟の兄(キム・ヒウォン)と弟(キム・ソンオ)は、母親とソミの命と引き換えを条件に、テシクに麻薬の運び屋をさせることに。しかし取引現場に警察が現れ、テシクは逮捕されてしまう。更に、テシクが乗っていた車のトランクには、臓器を抜かれたソミの母親の死体が入っていた…。
韓国版『レオン』?
韓国版『
96時間』?
テレビでは感動作のようなCMが流れてますが、「ウォンビン様~~~♪」というような気持ちで観に行くとドえらいしっぺ返しを喰らうことでしょう。
いや~エグいエグい。
物語のキーとなっているのは、裏社会の臓器売買。
ソミと一緒に捕われている女の子がいなくなるシーンは胸をえぐられます。
冴えないオヤジだと思っていた男が実は特殊部隊出身で、嘗めてかかっていた組織が手酷い目に遭ってしまうというアクション映画。
タイトルが「アジョシ(おじさん)」とあるように、元々はソル・ギョング(『シルミド/SILMIDO』(2003年)、『力道山』(2004年)、『
TSUNAMI-ツナミ-』(2009年))かソン・ガンホ(『殺人の追憶』(2003年)、『
グエムル 漢江の怪物』(2006年)、『渇き』(2009年))をイメージしていたらしい。
あのくらいの女の子からすると、ウォンビンでもおじさんになっちゃうんだろうけど、ソル・ギョング版&ソン・ガンホ版も観てみたいなぁ。
髪を短く刈り上げて、アジョシの殺戮ショウが始まるよ~!
もうここからはひたすらノンストップ!
マンシク兄弟の弟を追いつめて、麻薬精製所を壊滅。
もうこの弟が絵に描いたような最低男なので、やられる様は壮快壮快♪
アジョシ、ゴーゴー♪ って感じです。
そしてソミを救い出すために、、マンシク兄弟の兄の元に乗り込んでいくテシク。
待ち構えるのは、マンシク兄弟が雇っているベトナム人の殺し屋ラム・ロワン(タナヨン・ウォンタラクン)。
タイの俳優さんなんだけど、目が優しいのよね~。
まぁ、この辺が実はラストへの伏線に掛かっているのかもしれないけど…。
ただナイフを使ったテシクとのバトルは見応え充分!!!
韓国映画なので、「えっ、そこで終わるの?」と終わりの余韻に違和感を感じるのはいつものこと(笑)。
ここでちょっと
ネタバレネタを書きますよ~!
途中ソミの眼球が登場した時点で、「え~韓国映画そこまでエグくやっちゃうんだぁ。でも韓国映画ならありうるよね」…と思ったけど、あの展開は正直サプライズでしたね。
救いのある展開も描けるんですね(笑)。
そして観終わった後に知り合いとずっと話していたのが、「ラストシーンでテシクと抱き合うソミがニヤリと笑ったら怖いよね」ということ。
だって冷酷な暗殺者を、一瞬で手懐けてしまうんですもの。
テシクが助けたのは世界を滅ぼす魔性の少女だった…何か『オーメン』っぽい感じですね。
追伸。
これを観てから韓国映画で「アジョシ」って台詞に出てくると、「おじさん!」って反応しちゃうようになりました♪
監督・脚本はイ・ジョンボム。
武術監督はパク・ジョンリュル。
韓国興行成績(2010年8月公開):初登場1位→1位→1位→1位→1位→3位→8位→7位→8位→8位→ランク外
韓国歴代興行成績:第16位(2011/9現在)
日本興行成績(2011年9月公開):初登場9位→ランク外
2011年9月17日公開
公式HP:
アジョシ