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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

The Wreck of the zeper 「西風号の遭難」

2011-04-24 | 絵本

クリス・ヴァン・オールズバーグの絵本

読書をしたいけど、このところ公私ともにお疲れぎみだ…。

そんなとき、手にとって眺めていたい絵本だ。

子どもから大人まで静かな気持ちで読み、そしてまた、飽きのこない静かな色調の絵を眺めているだけで、お話の世界に誘ってくれる。

そして、この作家シリーズの訳を村上春樹さんが手がけているのも、読み応えがあると思える。

本来なら、英文で読んでみたいところですが、音も文字もさっぱり読めない外国語通じません人間にとっては、イメージにより近いソフトな表現をしてくださる、村上さんの訳が助かります。

たぶん、主人公の不思議な冒険は、夢であると思うけど。それでもなお、その夢を信じて。少年のまま。時が止まった老人と岡に登りぼろぼろに朽ちた西風号の時。

そういった、時を隔てて、なにか…ずんっと響いてくる作品だ。

全体の色調も、淡さを残したくすんだ空の色も、語りかけるに充分な魅力である。

ふだん日常的に目に飛び込んでくる、ポスターやテレビアニメなどの強い色調に知らず知らず馴らされて…。それは、人々に想像や空想の余地を与えない、鮮明さだ。

けれどオールズバーグの絵には、投げかけて、その1枚1枚の絵から、不思議な、懐かしさや、少し不安で、謎や平面的であるのにもかかわらず奥行きを感じ…。何かが隠されている、暗示されている。そう思わせるものがあるから。

読み手の空想が広がっていくのだと思う。

少し気になって、いくつか、シリーズを眺めることにしよう。

 



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