某月某月「奥多摩本仁田山平石尾根のごぜ岩」


奥多摩本仁田山平石尾根のごぜ岩



本仁田山の名はイノシシなどのヌタ場からきているという。ここに
はこんな悲しい物語があります。


昔、一座のみんなに遅れてしまった瞽女が、鳩ノ巣から峰の集落へ
向かって登ってきました。


大根ノ山ノ神の祠のあるところまで来たとき、地元の炭焼きに会い、
道を聞きました。


炭焼きはついいたずら心で、自分が降りてきた別の方向を教えまし
た。瞽女は歩いても歩いても峰の集落に着きません。


夜になり霧雨が雨に変わりヨロヨロとしながら、烏帽子型をした岩
のところで力尽きて、眠るように死んでしまったという。


それが本仁田山の三角点から尾根道をちょっと北上、コブタカ山か
ら川苔山方面へ曲がるあたり、西に向かって平石尾根の平石山先の
「ごぜ岩」だということです。


いまでも雨の日には、岩かげから怨みを込めたような三味線の音が、
か細く聞こえてくるそうです。
・東京都奥多摩町。



▼「イラスト」と説明文をどうぞ↓
http://toki.moo.jp/merumaga/uusangac/uusangac04.html






★おわり
………………………………………………………………………………
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )