山のはなし「奥多摩高水三山・惣岳山」

こんにちはとよたです。きょうも「山のひと口ばなし」をどうぞ。

▼山のはなし「奥多摩高水三山・惣岳山青渭神社」

東京都の奥座敷奥多摩。いまは休日に限らず中高年のハイカーが大
勢訪れます。そのJR青梅線の御獄(みたけ)駅北方に高水山(た
かみずやま)・岩茸石山(いわたけいしやま)・それに惣岳山(そう
がくやま)のあわせて高水三山があります。

惣岳山山頂には青渭(あおい)神社という神社がまつられ、社殿の
まわりはぐるりと金網がはりめぐらされています。延喜式(えんぎ
しき)内の社というから平安時代から続く、格式のある神社だそう
な。大国主命(おおくにぬしのみこと)をまつり、ふもとの横尾子
(よこおす)地区に拝殿があります。

ある年の1月のことでした。子どもたちを連れて棒ノ折山から岩茸
石山経由で惣岳山の神社につきました。天が抜けるような快晴です。
適当に雪があり、楽しい山道です。神社の前でコンロを出してお茶
をわかします。

1月というのに日溜まりは暑いくらいの陽気です。真冬とはいえ、
結構お天道さまの光が強い。まわりの木々を見ながら、すわる場所
を太陽の動きに合わせて木陰、木陰へと移動するほどでした。

・東京都青梅市と東京都西多摩郡奥多摩町との境

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山のはなし「北ア・蝶ヶ岳缶ビールの手洗い」

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▼山のはなし「北ア・蝶ヶ岳缶ビールの手洗い」

♪里にナタネの花咲くころは宙に浮きだす蝶ヶ岳……と長野県安曇
野地方に伝わる安曇節に歌われます。4月中旬から6月中旬、安曇
平・豊科町や穂高町方面から見ると、残雪が羽を広げて飛ぶチョウ
チョの形に白く浮き出ます。

ちょうど蝶ヶ岳山荘の南600mほどの山稜付近。夏はお花畑が満
開になる所。この雪形は約250mの大きさで形模様が「ガ」のオ
オミズアオに似ているという。これは淡青色の美しいですが「ガ」
は嫌いだという人も多く、高山チョウの一種のミヤマモンキチョウ
ということにしているそうです。

昔は胴体にあたる部分の雪が消えると苗代の種まきをしたという。
8月半ば、ゴツゴツとした岩ばかりの穂高連峰と比べ、蝶ヶ岳はや
さしい山容。ゆったりのんびりムード。草原にねころび、きのう奥
穂で痛めた左ヒザを伸ばします。槍ヶ岳に向けて山小屋の荷物を運
ぶヘリコプターが忙しい。

蝶ヶ岳の山小屋も水は天水がたよりです。とつぜん「もったいな-
い」との声。ふりかえると、泥だらけに汚れた手をカンビールで洗
っている人がいます。山ではビールより水の方が大切な時もありま
す。

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山のはなし「朝日連峰以東岳の避難小屋」

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▼山のはなし「朝日連峰以東岳の避難小屋」

磐梯朝日国立公園の中に以東岳(いとうだけ)という山があります。
昔、新潟県側では朝日岳といっていたという。北西山腹にはコウモ
リ傘をひろげたような大鳥池が、静かに水をたたえています。山頂
には高山植物の中に遭難碑がぽつんと一つ建っています。

ある年の8月初め、朝日連峰を鳥原山から入山、大朝日岳、以東岳
へ縦走しました。日本海に夕陽が沈みます。頂上直下の避難小屋は
当時は1階建ての暗い小屋。それを避けて前の広場でテントを張り
ます。小屋にはだれもいません。以東岳全体が貸切りです。

ニッコウキスゲやミツバシオガマは、もう闇の中。アルコールをく
み何回もカンパイをします。何の物音もしません。まばゆい星空の
下、イカ漁でしょうかイサリ火がやけに光っていました。

翌日、大鳥池のほとりへ下り、裸で日光浴。ここにはタキタロウと
いう怪魚がすむという伝説があります。無駄とは思いながらも湖面
にタキタロウを探します。かつては深山幽谷、人の姿もまれだった
大鳥池もいまはキャンプ場もあって、泡滝ダムまでマイクバスも入
ります。

帰り、登山口の旅館のマイクロバスの運転手が「絶対にいる。オレ
が何メートルもあるタキタロウの姿を見てるんだ」と言い張ってい
ました。

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山のはなし「北ア・槍ヶ岳北鎌尾根の独標」

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▼山のはなし「北ア・槍ヶ岳北鎌尾根の独標」

北アルプス槍ヶ岳は尾根の十字路の交差点。西へ続く西鎌尾根、東
へ東鎌尾根、南に穂高への稜線。そして北に急峻な岩稜が延びる北
鎌尾根です。北鎌尾根といえば、単独行の加藤文太郎を思い出しま
す。新田次郎の「孤高の人」も有名です。

5月の連休直前、JR信濃大町駅から高瀬ダム経由、北鎌尾根に入
りました。あたりは人の気配もなく、ただ一面白銀の世界です。雪
のかかった天上沢の流れをかろうじて渡り、テントを張りました。

あくる日、小雪の中、尾根に取りつきます。ピーク2あたりの木に
先年遭難した人たちのザックやツェルトが、まだぶらさがっていて
気持ちが悪い。途中で一泊します。次の日は独標まで。

ここで3回目の幕営です。夕陽が双六岳のかなたに沈んでいきます。
明日登る槍ヶ岳が正面にそびえています。「チョリチョリチョリ…
…」雪から顔を出している岩をつたわり、イワヒバリが雪の上に出
ている岩をつたわって食べ物をねだりによってきます。

行きも帰りも地獄のような所。まわりにいる生き物はお前だけか。
なつかしい古い仲間にあったような気がしました。

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山のはなし「丹沢・旧ヤビツ峠の餓鬼道」

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▼山のはなし「丹沢・旧ヤビツ峠の餓鬼道」

神奈川県丹沢表尾根の出発点ヤビツ峠は1934(昭和9)年、丹沢林
道開通とともにできた新しい峠。旧峠はその西側・岳の台の中腹鞍
部にあります。旧ヤビツ峠は、かつて餓鬼道と呼ばれていたという。
この道は秦野から札掛地区へ食糧を運ぶ重要な道だったという。

ある冬、雪が降り続き札掛地区の食糧が乏しくなりました。心配に
なった秦野の荷揚げ役の加藤老人は、力自慢の若者に食糧を背負わ
せ札掛に向かいました。ヤビツ峠にさしかかると案の定、腹がへっ
てやりきれません。

腰をふらつかせながら峠を下るとうそのように元気になります。こ
のあたりは永禄年間、甲斐の武田信玄と小田原の北条氏康との激戦
の場。その時腹をすかしながら死んでいった武士たちの亡霊がさま
よっているのだと村人たちは噂しました。

それからは峠越えをする人は自分が食べる前に食糧を餓鬼たちに与
えるようになったという。ある年の5月、新茅ノ沢から表尾根の烏
尾山にとりつきました。ぐずつきかげんだった空からついにポツリ、
ポツリ。

餓鬼道にさしかかるころは本降りに。スケッチするサインペンのイ
ンクがにじんでいきます。このあたりは野犬が多いのか、注意書き
の看板が気になりました。

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