むら里徘徊 役行者の従者「奈良県大峰山・前鬼後鬼」


▼某月某日・山里徘徊 役行者の従者「奈良県大峰山・前鬼後鬼」

 


全国各地の山々80座近くを開山したと伝える役ノ行者小角。その行
者にぴたりと寄り添い、その修行を妨げる外敵を退ける前鬼後鬼。
石像やお札などでおなじみです。


前鬼、後鬼は夫婦の鬼とも伝え、前鬼が赤眼といって夫鬼、後鬼は
黄口で女房だといいます。


酒に酔い眼を赤くして唄う夫を、黄色い口をあけて笑う妻の姿なの
だそうです。


西暦673年(天武元)、役ノ行者が修行のため信貴山の般若窟に籠り
ます。すると、どうも修行のじゃまをする者がいます。


見ると身の丈3m、牙を生やした2匹の鬼でした。行者は逃げる鬼
を飛天の術で追いかけ、生駒山奈良県側で捕え、髪を引きずり大阪
側に行き、髪を切って鬼たちの妖力を封じ込めたという。


その鬼を捕まえた所が、生駒市の鬼取の里、そして髪を切った所が
東大阪市の髪切の里で、それぞれ鬼取山鶴林寺、髪切山慈光寺があ
ります。


こうして折伏された前鬼後鬼は、役ノ行者の身辺を守る献身的な従
者になりました。

 

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▼終わり
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むら里徘徊 大太法師「足跡・長さ360m面積40平方m」

▼某月某日・山里徘徊 大太法師「足跡・長さ360m面積40平方m」

 


昔、巨人がやってきて全国を歩きまわっていたという。富士山をつ
くろうとして、運んでいた土がもっこからこぼれ落ちてあちこちに
山ができたという。


また歩いた足跡に水が溜まって池や沼になったなど話が伝わっています。


巨人の名は大太法師で、ダイタイボウ(茨城県)、ダイタボッチ(東
京・埼玉)ダイダラホウシ(栃木県)、ダイテンボウ(会津地方)、
デイラボッチ(長野県)、ダンダンボウシ(富山県)、ダイダラボウ
(香川県)、デーデッポー(千葉県)などとなまって呼ばれそれぞ
れ大男にちなむ地名伝説があります。


この巨人伝説は『古事記』や『日本書紀』など神話にも出てきます。
北アルプス唐松岳の伝説です。


大男が湖のほとりの小松を木曽御嶽の頂上に植えてやろうと手を延
ばしました。


その時、夜がシラジラと明け太陽が顔を出したので大慌て。唐松を
放り投げて逃げ出しました。唐松は近くの唐松岳の頂上に落ちて根
を張ったという。

 

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むら里徘徊 山宮里宮「なぜ2ヶ所に同じ神社がある?」


▼某月某日・山里徘徊 奇神「尻子玉の好きな河童神」

 


ひとつの神社で、山の上と人里の2ヶ所にお宮があります。山宮(奥
宮)と里宮です。


里宮は大きな社(やしろ)で、山上や山腹の山宮は祠(ほこら)だ
ったりすることが多い。


宮とは御屋(みや)、社は屋代(やしろ)でともに神をまつってあ
る所。


祠は神庫(ほくら)から転じた小さな社のことだそうです。これら
は土地によって、春宮・秋宮、下社・上社、前宮・本宮と呼ぶ所も
あります。


一方、ふだん山の上にいる神が、春になると里におりて田の神にな
り、秋にまた山に戻るという神去来の信仰があります。


その考えから、神聖な山の上に降りた神を、日常的に礼拝するため
に人里にむかえ、まつったのが里宮だという説があります。


つまりいちいち山の上に行くのはシンドイ。もっと簡単にお参りで
きる里にお宮をつくろうじゃないかというわけです。


しかし神社の成立上から見て、はじめに人々の生活の場でまつられ
ていた社(やしろ)が、山上にまつられるようになったというのが
定説になっています。

 

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むら里徘徊 奇神「尻子玉の好きな河童神」

▼某月某日・山里徘徊 奇神「尻子玉の好きな河童神」

 


河童は身長が4、5歳の子どもで、クチバシと手足に水かきがあり、
背中には甲羅があって、そのほかの体はウロコでおおわれている…
…。


キュウリと相撲が好きで、頭に水をたたえる皿があってイタズラも
の……と相場がきまっています。


陸上でも力は強いですが水の中では特に強力で、人間ナンカはもち
ろんのこと、馬や牛でさえ引っ張り込みます。


そして肛門に手を入れ、尻子玉(どんな玉だか知りませんが)を抜
くといいます。おまけに生き血まで吸うという、とんでもない妖怪
です。


河童は大ムカシは「ミズチ」と呼ばれ、漢字で虬(みずち)と書き、
水の霊のことだったそうです。


すなわち、水の神であり、農耕などにはかかせない神なのでありま
す。


『日本書紀』(巻十一・仁徳天皇六十七年)の条に、備中川嶋河に
ミズチという妖怪がいたとあります。


妖怪は毒をはいて人を苦しめていましたが、笠臣(カサノオミ)の
祖先の県守(アガタモリ)という人が退治したとあります。

 

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某月某日山旅漫歩゚「南ア・甲斐駒・名馬と八岐大蛇退治」

某月某日「南ア・甲斐駒・名馬と八岐大蛇退治」

 

甲斐駒ヶ岳にはその昔、神馬・天津速駒がすんでいたという。

天津速駒は、双肩に生やした銀色の翼で天空を飛ぶ勇猛果敢な名馬
で、夜は山頂で眠るという。

一方、栃木・福島・茨城県境の八溝山には八岐大蛇(やまたのおろ
ち)がすんでいました。

この大蛇退治の勅命を受けた那須の国造も相手が強すぎて手も足も
出ません。

そこで国造は、かねてから聞いていた天津速駒を探しに甲斐駒ヶ岳
へやってきました。

そして「姫ヶ泉」で水を飲んでいる速駒を見つけ、苦労して捕まえ
ます。

次に、乗鞍岳から天安鞍、立山から天広盾、槍ヶ岳から天日矛を借
り受けました。

こうして暴れん坊の神馬からも決して落ちない鞍、相手の数に応じ
て広がる盾、矛先が燃える槍を持った那須の国造は勇気百倍。

これにはさすがの八溝山の大蛇もついに退治されてしまったという
伝承があります。
・山梨県北杜市と長野県伊那市との境。

 


▼「イラスト」と説明文は下記からどうぞ。
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★おわり
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