「本当に豊かな人は誰なのか?」
と問えば、来年に食糧危機、世界戦争の危機が迫った2022年末の今は、たぶん、戦争でも安全な「自給自足畑」を持つ人たちだと定義してもよいのではないか?
大都会のタワマンに住んで、高級車を乗り回し、高級店に通って貧しい人々を睥睨して自己満足に浸る利己主義者こそ、この世でもっとも心貧しい人である。
もし食糧危機が訪れるなら、大都会のあらゆる食品は、数日で消えてしまうのは2011年の経験から明らかだ。タワマン億ションの最上階、スイートルームは地獄になる。トイレは使えない。電気も失われ、地上に行くのに30階も自力で上下しなければならない。
ほとんどの別荘地に畑はついていない。もし食料が不足すれば、最初に都市近郊の農地が強奪被害に遭うだろう。
だから、過疎の簡単には行けない山村に自給畑を持っていることこそ、この世の最高の贅沢といえるだろう。それを持たない人々は、いずれ淘汰されることになる。
これまで、何回も田舎暮らしの手引きの意味で、ブログを書いてきた。今回もその続きで、まだ実現する条件が残っているうちに、過疎の山中で生き抜くための手引きを書きたい。
来年には、無数の競合者が出てきて、自家畑を持つことも難しくなるかもしれない。
過疎の田舎で暮らすには、何が必要か?
まずは家だ。私は、自分で組み立てたキットハウスに住んでいるが、最初にコンテナハウスを置いて、そこに住みながら、生活に必要な井戸・トイレ・浄化槽・風呂場などを次々に設置していった。
一番簡単なコンテナハウスは、私が購入したのは蟹江市に営業所があったナガワのスーパーハウス廉価版だった。
https://www.nagawa.co.jp/items
中津川市に移住したのは2003年の秋で、当時の価格で30万円と少しだった。
室内は約7畳、倉庫などに使われるタイプで、防寒機能はゼロに等しく、夏場はサウナ、冬場は冷凍庫になり、当時は、厳冬期マイナス10度になるのが普通だったので、室内でストーブを焚き続けても寒くて寝られなかった。
居住用のハウスは、12畳程度で、やはり100~200万円は出さなければならない。
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9/
当地のようなマイナス10度以下の厳寒期がある地域では、私のように安物を買うと後から内部にウレタンのような保温壁を追加しなければならないので、結局高くついてしまう。まずは居住を前提にした保温性が大切だ。
ユニットハウスの最大の利点は、工場生産の製品をトラックで運んできて、ユニッククレーンでぽんと下ろせば完成という手軽さだ。注文住宅が居住まで数ヶ月かかることに対し、ユニットハウスでは、10分で住めるわけである。
またクレーンやジャッキを使った移動も容易だ。ジャッキで持ち上げてコロを並べ移動して、またブロックで支持すればよい。
そして、最高の利点は、耐久性が抜群ということだ。30年は軽く持つ。たぶん50年でも大丈夫。
ただし、結構難しい条件がある。
①4トン車が入ってクレーンで下ろす道路条件があること。
②運搬高さが3.7mくらいあるので、幅が2m以上、高さが最低4m以上の空間のある道路であること。これが結構厳しくて、我家も搬入のため、脇道の道路沿いのたくさんの立木枝を切り落とさねばならなかった。多くの場合、家が立木で傷つくことを覚悟しなければならない。
③ トラックが横付けして、ユニッククレーンが動く2m程度の範囲でしか下ろせない。
④ 予定地の水平が完全であること。(水準器で調べる)そこにブロックを八カ所置いて設置する。湿地なら、かなり高くする必要がある。
⑤ コンクリートの連続基礎を作って、ボルトで連結してあれば台風でも安全だが、代わりに固定資産税の対象になる。我家は、ブロックに置いただけなので対象外だ。
基礎を作るなら、鉄パイプを地中深く打ち込んで、鉄筋コンクリートの長基礎を作るが、周囲が吹きさらしの場合は、台風に備えて必要になるかもしれない。
⑥ 水利とトイレ・風呂は別に作る必要がある。私は、2畳のログハウスキットを風呂に使い、トイレは中古工事用を2万円程度で購入し、浄化槽は自作した。
水利は、土地を売った業者に頼んで、地元の造園屋に井戸を掘ってもらった。確か20万円程度だったと思う。現在は、たぶん倍くらいは必要だろう。
造園屋のユンボは4mくらいしか掘れないが、水頭圧の高い山の近傍なら十分な深さだ。我家は裏山の尾根まで標高差で40mくらいあるので、2軒分くらいの水量が出た。
径50センチの井戸用ヒューム管を4m埋めてあり、2トンくらいの水量があるので、これまで枯れたことは一度もないが、水質は安定していない。ときどき水が濁ったり、色がついたりしていることがあるので、飲料用にはバロードラッグで、2リットル×6本が300円程度のペット水を使っている。
当地は、近所に国内有数の稀少鉱山があり、花崗岩地帯なのでウランやトリウムの含有量が高く、このような地質ではヒ素が出やすい。
皮膚にヒ素中毒の白斑が現れたこともあり、一時は近所に住んでいる極悪泥棒が投入したのかと疑った。この男は、私が喘息発作を起こしているのを知って、悪化させる排煙を出していたからだ。まだ決着がついていない。
鉱物資源の多い特異な地質の地域の水は、まずヒ素を疑う。生活用水には支障はないが、飲用水としては最小限にとどめるべきだ。
下水は、そもそもインフラが存在しないが、合併浄化槽を自作して、排水を真下にある自家畑に全量流している。
浄化槽は、1トン程度の樹脂製タンクを利用すればいい。EM処理方式なら悪臭皆無で、以前は、複雑な設備を作っていたが、最近は、タンク一個だけでも、ブロアーから散気管でエアを送り込めば、十分に浄化できることが分かった。
トイレ建屋は、中古工事用が一番早いが、洗浄式は自作する。タンクは保温のため地中に埋めて、上部に鉄パイプで台を作り、上にトイレユニットを取り付ける。
後はタンク上部に排水口を作り、EM処理培養液を入れてから曝気しながら使う。
https://auctions.yahoo.co.jp/search/search?ei=UTF-8&p=%E6%B0%B4%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%AF+%E4%B8%AD%E5%8F%A4&tab_ex=commerce&o1=a&nockie=1&rkf=1&mode=0&s1=score2&n=50&f=0x2&auccat=0&cpt_s=onlineads&cpt_m=websem&cpt_c=webgkt&cpt_n=796823460_kwd-344808323402_603422627033&gclid=Cj0KCQiA37KbBhDgARIsAIzce14EQYuDYRCik4qAmgdNss9TbzCu57NcYG9fsJPOiGN0k4ye8BGDWPkaAi2PEALw_wcB
この場合、日高市の柳田ファームからEMBC豚糞液と散気管を分けてもらって、これを100リットルほどタンクに入れて、散気管曝気すれば、畑に流して、そのまま無臭有機肥として利用できることが分かった。屎尿は普通水洗でも処理可能で、悪臭皆無。
https://yanagida-farm.com/farm/
ただし、飲用水準には処理工程の増設が必要。ブロー曝気が止まると豚糞悪臭が出る。排水は有機質チッソ肥料の性質を持っているので、芋栽培には向いていない。
柳田EMBC処理液は、非常に強力な肥料としても使えるし、EM菌培養液のような劣化が少なく、ほとんど追加補充せずに利用できる。使用方法や価格はメールで柳田さんと相談のこと。
最初は汚泥ポンプを使っていたが、散気管ブローだけでも処理できる。排水は畑に流すが、なければ穴を掘って池にして流す。電気代は月に1000円程度。汚泥ポンプを使うと5000円以上。
もしユスリカ・チョウバエが発生したなら、デミリン錠剤で対応できる。
私は、杉ログの組み立てキットハウスを自分で組み立てた。20年経ても、あまり劣化はない。今は、各務原市の親和木材の杉キットハウスも使っている。
10~12畳の家で、100~200万円程度、組み立てを依頼すると30万円ほどかかる。
https://www.shinwa-m.com/logkit/
注文住宅のような精緻な作りではないので、家の隙間から風やムカデが入り込んだりして、コーキングなどの手間がかかる。しかし、住むには十分で、耐久性もある。
杉の家は、コンクリートマンションに比べれば安らぐ暖かさがあって、快適かもしれない。
組み立てのための整地なども依頼すると、どんどん価格が上がってゆく。風呂は、1~2畳程度のミニハウスを利用すればよい。ボイラーは灯油の方が安くあがる。
台所は換気扇の穴を空ける必要があり、水道も配管する。これも依頼可能。
冬場は、凍結による配管破損に苦しむことが避けられないが、だんだん凍結対策のコツも分かってくる。できるだけ水抜きすることと、水のチョロだしで対応できる。
田舎暮らしは、何よりも、自家菜園を最優先させたい。一人の年間食料の確保には100坪以上必要だが、3人で住んで一反程度の畑地を確保したい。
家に隣接していれば、獣害対策も容易だ。クマ除け柵は、そのままイノシシなど大型動物除けに使える。近年、過疎地のクマ出没は凄いの一語だ。2007年を境に、過疎の田舎は野生動物の天下に変わった。
獣害防御なしに住むことも、食料を生産することもできない。
市場から完全に食料が消える可能性はそれほど高くないが、品質が劣化し、アメリカの遺伝子組み換え食品ばかりになる可能性があり、放射能汚染食品や化学食品が出回るだろう。
子供たちの健康な未来を担保するためには、自給自足、自家栽培が絶対条件になる可能性が強いと思う。
我々の主食は、1940年代と同じ、芋に変わると思う。馬鈴薯、甘藷の栽培技術は、コンピュータプログラミングよりはるかに大切だ。
何よりも、スコップ一本で畑を作れる強靱な体力を確保することが必要だ。